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ダンジョン・イン・ザ・幼女ッ!!


「ホワタァーッ! アタッー! アタァーッ! アタタタァーッ!!」


「すげぇ、この武闘家。ここまで強かったのかよ……」


現在、ダンジョン低層地帯。

ホークさんの無双が展開されています。

なにあの人、身体の動かし方がめちゃくちゃだよ!!


「フッ、身体を治して貰った今の私は絶好調ッ!! かつての全盛期と同等…… いや、それ以上の迸るパワーが漲っているッ!!」


「こいつッ……、そうかっ!! 再び身体を治して貰える事を前提に、パワーのセーブを止めてやがるんだ!!」


おおっ? 武闘家ってのは身体を壊さないように、確かに普段はパワーをセーブしながら戦ってるのかもしれない。

それがもし、壊れた身体を完全回復できてしまうヒーラーが側にいたとすれば?

パワーのリミッターを切って、身体が壊れるのもお構い無しの全力全霊パンチが放てるのかもしれない。


もしかしたら武闘家さんと私って、良いコンビなのかな?

ホークさんが私をパーティーに勧誘してきた理由も分かる気がするなぁ。

後先考えずに全力のパンチを撃てるってのは武闘家にとっては夢心地なのだろう。


「おい、そっちに行ったぞっ!!」

「おわっ!? このっ、このっ、戦士を舐めんじゃねえ!」


前衛はホークさんとレッドさんに任せてるので、後衛の私たちにまでモンスターが来ることはない。

とはいえホークさんは一方的に敵を倒しているし、また素早さも速すぎるので攻撃を受ける事もない。

パーティーの中でモンスターからの攻撃を一斉に受けているのはレッドさんだけだ。

それを私が後ろからちょくちょくとヒールしてあげている。


「ミドルヒール!」

「ちょっ、なんでミドルヒールなんだよ!? 微妙にダメージが残ってるぞ、おい!?」


なんでって、ダンジョン攻略と言えばMP節約が基本でしょ?

優秀なヒーラーとは戦線維持が出来るラインを見極めて回復魔法を使うものなのだよ!! ふふん!!

まあべつに、パーフェクト・ヒールを連発しててもMP切れなんて起こさないんだけどね?


「ファイヤーボールッ!」


そしてマリーさんが後衛からレッドさん周辺のモンスターを焼き払う。

撃ってる魔法こそレッドさんには直撃してないものの、すぐ間近のモンスターに当たった時の余波がレッドさんにも襲い掛かってる。

マリーさんも容赦ないなぁ、私が回復するから多少は別にいいやと思ってそう。


「あ~、もう。焦れったいですね。範囲魔法でその辺一気に燃やしても良いですか?」

「ちょっ、おれのことは? おれの身体巻き添えになっちゃうじゃん!?」

「メアちゃんが治してくれるから別にいいでしょ?」


うわ~、本当に容赦ないよマリーさん。レッドさんが嫌々と首を振っている。

でもそのままジリジリと痛い思いを長く続けてるよりも、一気に燃やしてパッと治した方が良いんじゃ? 一理あるのでは?

作戦としても、レッドさんが敵を集める、レッドさんごと燃やす、レッドさんだけ私が治す、で効率が飛躍的に上がると思うんだけどなぁ。


べつにレッドさんだから良いでしょ?

えっ、嫌なの? わがままだなぁ、まったく……


**


現在、ダンジョンの中層地帯。

敵の強さも徐々に上がってきた。

まあ、私からすれば全然大した事はないけどね?


「これでどうだッ! ホワタァーッ!!」


ホークさんは私が治すのを良い事に、相変わらず滅茶苦茶な身体の使い方をする。

無茶な身体の使い方や扱い方などを色々試して、学習している節すらもある。

この短時間だけでホークさんは武闘家として随分と急激に成長しているのが窺える。


私が居ない時にもついそんな身体の使い方をしないか心配になってくるよ。

あとなんか、身体壊す → 完璧回復 → 身体壊す → 完璧回復 の繰り返しで段々と身体の魔改造になっていってる気がするのは気のせいかな……?

なんかもう、武闘家としての極地に至れそうな眼をしちゃってるし、この人。


「うおおおっ、もうなんでも来いやぁーっ!!」


そしてレッドさん。どんなにダメージを負ってても私がキッチリ回復してしまう事が分かったのか、ある意味もう開き直っている。

群れの中にも平気で突撃するし、敵に囲まれていてももはや気にしてない。

ダメージが膨れ上がっても不死身のように私が何度も回復させてしまうから、気分はゾンビにでもなっちゃったのかもしれない。


さすがに集団に囲まれながらの対処の仕方などにも段々と小慣れてきているようだ。

でもだからといって不死身気分で群れの中に突っ込むってのも、どうなんだろ……

今ならレッドさんごと燃やす作戦も、首を縦に振るかもしれないね!


「ファイヤーボール、高速連射っ!!」


私の横にいるマリーさんに至っては…… なんか、凄い。

何が凄いかっていうと、曰く「メアちゃんには絶対に指一歩触れさせないっ!!」だそうだ。

なんか鬼気迫る気迫がヒシヒシと伝わってきててヤバイ。


レッドさんに群がっている敵がたまに抜けてこっちに来るんだけど、マリーさんがそれを絶対に通しはしない。意地でも通さない。

魔法使いって後衛で守られるタイプであって、誰かを守るタイプじゃないよね?

なんか前衛顔負けの凄まじいガードを見せてくるんだけど。


何が凄いって、モンスターはもちろん、飛んでくる小石や砂一つも絶対に叩き落としてるっていう点。

虫一つ通さない、凄まじい執念を見せているよ!?

そんなにガードが上手くなってどうするんだろね、魔法使いなのに。



ぶっちゃけ、私が手を出せばこの周辺のモンスター程度なら一瞬で勝負が決まるんだけど。

なんか三者三様で3人共それぞれが今まさに成長してるって感じがする。

ここは大人しく回復だけして見守ってあげてる方がいいのかな?


**


「よし、ここから先はボス部屋だ。一旦休憩しよう」


ついにダンジョン最下層地帯、ボス部屋の前にまで私たちは到着していた。

これまでのモンスターから手に入れた魔石分だけでもかなりの金額になるようだ。

そしてこの先のボス部屋を攻略出来れば更にガッポガッポになるらしい。


「メアちゃんがいればいけるでしょ!」

「どんなにダメージ受けても回復されるんだから、まあな」

「私はもっと強敵と闘いたい、身体が疼いているッ!!」


なんかボス部屋ってのは非常に危険な場所っぽいんだけど、大丈夫なのかな?

そういえば私、結局まだ1回も敵を倒してないなぁ。

「伺える」と「窺える」の意味の違いなんて小説家ぐらいしか気にしてないじゃないかと思う今日この頃。

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