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第5話 父(ルース)との訓練(8歳児に魔法剣士の訓練は早すぎるのでは?)

今回は、剣の訓練がメインです。

トーマは、ルースから、『ハヤブサの剣』の特性を聞く。


「父様、このハヤブサの剣は、どんな剣なのですか?」


ルースは、ちょっと考えてから、

「普通に使うだけでは、刃こぼれのしない、丈夫で軽い剣にしか見えないだろう。しかし、魔力を身に纏う事ができるものが持つと、通常よりも早く動き、高くジャンプする事ができる。俊足の剣だ。」


「父様、という事は、魔力を身に纏わないと、この剣の真価は発揮できないという事ですね?」

「その通りだ」

「魔力は、どうやったら身に纏えるのですか?」

「グーッと気合を腹に集中させてから、ダーッと右手を突き上げるのがコツだ」


ルースが得意げに答える。トーマは驚いた、ルースは脳筋だったのだ。


「父様、それは父様にしかできないのではありませんか?」

「トーマよ、お前は俺の息子だ。きっと、同じことができるはずだ。さあ、一緒にやるぞ!」

「「グーッ・ダーッ!」」「「グーッ・ダーッ!」」「「グーッ・ダーッ!」」・・・。

「うーん、右手の突き上げ方が足りないんじゃないか?もっと、外から巻き込む感じだ!」


(父様、それ、きっと違う)と心の中で思いながら、右手が上がらなくなるまで突き上げ続けた。


「よし、今日の訓練はこれで終わりだ。明日も頑張ろう!」

「はい、父様」その日は、成果が出なかったように見えた。


右手が上がらなくなったが、訓練後のミレーニア教会でのお祈りし回復。

ミレーニア様に感謝しつつ、野生化したにわとりの捕獲に向かい、3羽の捕獲に成功(!)。

夕食の『にわとりの竜田揚げ』で、更に元気を取り戻すことができた。


就寝前に、マリアに、魔力を身に纏うコツを聞きにいった。

「グーッと気合をお腹に集中させてから、ダーッと右手を突き上げる感じよ」と優しく教えてくれた。

(「母様、それじゃ父様と一緒じゃないですか。」)

マリアにお礼を言ってから、マリーナにも、魔力を身に纏うコツを聞きに行った。

「グーッ・ダーッよ」と同じ事を言っていた。

(「優しい家族なんだけどね。頑張って考るしかなさそうだ。」)


翌朝、ミレーニア教会からの帰り道、魔力を身に纏うとはどういう事かと考えを巡らせた。


「気合を入れるってことは、呼吸法によって集中するという事かもしれない」


ルースとの訓練前に、深くゆっくりと深呼吸して、魔力を集中させる自主練を行った。

呼吸を整えてから、意識を集中させると、魔力らしいものをお腹に集める事ができるようになってきた。


「あとは、集めた魔力を、全方位に放出するイメージだな。やってみるか」

「グーッ・ダーッ!」


「オーッ、できたじゃないか? だろ、グーッ・ダーッ! なんだよ」ルースがやってきた。

「はい、うまくできました!」


(「グーッ・ダーッ!なんですけどね、もう少し分かりやすく説明して欲しかっただけなんです。我儘なんですかね?」)と、少しだけ心の中でぼやいてみた。


早速、魔力を身に纏った状態で、『キン』と鞘走らせてハヤブサの剣を抜く。

刀身は、以前よりも強い藍みを帯びており、少し、輝いているように見える。


(「うん、体が軽い。随分と早く動けそうだ」)

「父様、いきます!」

「よし、本気で打ち込んで来い!」


ルースと剣技の訓練を開始し、明かに早くなった動きで打ち込む。


「遅い!」剣を軽くはじかれてしまう。

「ならば!」フェイントを交えながら必死に踏み込むが、トーマの剣の間合いに、全く踏み込めない。

(「父様、どんだけ強いんですか?」)と心の中で少し弱音を吐き、必死に剣を振るう。


両手があがらなくなるまで、訓練が続く。訓練後、ミレーニア教会でのお祈りを済ませてから、『鶏の竜田揚げ』を堪能した事はあえて語るまい。


1週間、ルースとの訓練を続ける。


トーマは、瞬時に魔力を身に纏い『ハヤブサの剣』を使いこなす事ができるようになった。

稽古中に何度かは、トーマの剣の間合いに、踏み込む事ができるようになった。軽く剣を弾かれるのは変わらないが、随分と強くなった気がする。


「よし、よく頑張った。スピードだけなら、本気のバーダックと互角だ。これなら、マリアとマリーナを守れる」ルースから、お墨付きをもらった。


明日は休めると思った所で、ランカスター辺境伯領からの迎えが到着。

泣きながら、ミレーニア教会に走ってお祈りを捧げて疲れを回復。お客さんに、にわとりの竜田揚げを振舞う為に、野生化したにわとりの捕獲に向かった。

『ハヤブサの剣』が使いこなせるようになった、トーマ。

いよいよ、旅に出発です。

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