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第2話 転生(女神様と優しい家族は必要ですよね)

『斗真』が、『トーマ』として、異世界に転生します。

「クスクス」という可愛いらしい笑い声で意識が戻った。

(「あれ、ここは病院?可愛い看護婦さんに笑われてる?」)

などと、朦朧とした意識で考えていると、


「可愛いは正解ですけど、残念ながら、私は看護婦さんではありません。それに、ここは病院ではありませんよ。」

「あなたは、精神力が結構高いので、少しでも気持ちが乱れると、直ぐに魂が霧散しちゃいます。集めるの大変だったんですから、落ち着いて聞いて下さいね」


と、何だか、直接、魂に響くような声が聞こえてきた。

「落ち着いてください」と言われたので、深呼吸して落ち着こうとしたが、呼吸がうまくできない。

というか、体が動かない?手足どころか、口も動かないようだ。

こんな体では、若鶏の竜田揚げが食べられないじゃないかとヒドく落ち込んだ気分になってしまった。


「クスクス、落ち着いたようですが、若鶏の竜田揚げにここまでご執心の方は初めてです。最後の願いが特殊すぎて、魂の選別がうまくできず、私の所にやってきただけはありますね。」と、声が続く。


「ここは、最後の願いに応じて魂を選別している場所です。あなたの場合は、

『若鶏の竜田揚げを一口食べたい』という、大変ユニークな願いだったので、

通常のルートから外れてしまったのですよ」と、教えてくれた。


「ちょっぴり楽しませて頂いたお礼に、ささやかですが、加護を与えましょう。

私は、大地母神ミレーニア。さあ、旅立ちなさい。

お腹いっぱい、若鶏の竜田揚げが食べられる世界へと旅立つのです、クスクス」


と、途中まで慈しみ深く優しかった声が、最後は笑い声かよ。と、思った矢先、何だか心地良い暖かさに包まれながら、光り輝く世界に飛び出したような感覚と共に、再び、ゆっくりと意識を手放していった。


どれくらい眠っていたのか、ふいに、頬に暖かな温もりを感じて目をあける。

「お母さん、トーマが目をあけたよ!」

ちょっと高い音域で、快活な感じのする女の子の声が聞こえた。


この女の子が頬を優しくさすってくれていたようだ。

目は開いたが、焦点がうまく定まらず、ぼんやりとしか回りが見えない。

手足を動かそうとしてもうまく動かせない。

どうしてしまったのかと考えていると、不意に、全身を持ち上げられるような浮遊感を感じた。


「マリーナ、無理に起こしてはだめよ。トーマは、まだ、生まれたばかりなんだから、ゆっくり寝かしてあげなさい。」優しい女性の声が聞こえる。

「はーい、でも、少しくらいはいいでしょ?」

「もう、マリーナったら。あら、トーマ、また寝ちゃったみたい」


女の子と女性のやり取りを聞いていたが、眠気を感じてしまい、再び目を閉じ、眠りの世界に誘われていった。

おちゃめな女神様になっちゃいましたが、この回のみ登場する予定です。

次話からは、本編が始まります。お楽しみに!

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