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魔力ゼロの魔法使い ー両親は殺され廃嫡され殺されかけた。だが僕は全てを取り戻す。ー  作者: 士口 十介
冒険者

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魔獣の特殊スキル

魔獣と動物の違いは魔石の有無。それと伴う特殊スキルの行使がある。アックスビークが嘴に掛けていた付与エンチャントがその特殊スキルだとされている。


貴族院の近くにあった迷宮、“試練の迷宮”では特殊スキルを使う魔物が出る階層まで進んではいなかった為、見たことは無かった。

アクスビークの特殊スキルといわれる力は魔法減少マジックデクリーズで減少することが出来た。という事は魔法による効果で間違いはない。アクスビークのどこかに魔道具と同じ様な付与エンチャントの魔導回路があるはずなのだが何処にあるのだろうか?

僕はアクスビークの魔石を取るついでに解剖しようとした。


「待て!イザーク、何をしている?」


「何って、ちょっと気になることがあってこのアクスビークの解剖を……。」


その言葉を聞いたガストンは怒鳴りだした。


「馬鹿野郎!解剖なんかして魔獣の血を広げたら呪いが拡散するだろうが!そんなことも知らないのか!」


「呪い?」


初めて聞いた、いったい何の事だろうか?

魔石があれば魔導回路を通し魔法を使うことは出来る。しかし、アックスビーク程度の魔石の大きさでは呪いカースの様な強力な魔法の魔導回路を動かすことは出来ない。

広がった血に呪いカースの効果をもたらす場合はもっと複雑な魔導回路と魔石を必要とする。


「ああ、スキルを使う魔獣の血は死ぬ時呪いの力を持つようになるんだ。ギルドの初期講習で習うのだが?そうか、イザークは確か……。」


ガストンは何かに気が付いたのか声が少し小さくなる。


「兎も角、スキルを持つ魔獣は解剖してはいけないという事だ。出来るなら魔石も取らない方が良いらしい。」


「それじゃ死骸をこのままに?」


「ああ、ダンジョンでは死骸はほっておくとダンジョンに吸収される。だから問題は無い。これがダンジョン外で出た奴なら燃やす必要があるのだがな……。」


取り敢えず魔石も取らず、このまま放置するしかない様だ。


「よし、今日は引き上げだ。」


僕達はガストンの号令でダンジョンの出口を目指し移動する。

その移動の途中、先ほどのアクスビークについて考える。


ガストンはスキルを持つ魔獣の血は死ぬと呪いを持つと言っていた。

だが何故だろう?ガストンが言う事は貴族院では知られていない。ギルドだけで言われている事の様だ。

発動する魔法の難易度と魔石や魔導回路の大きさを考えても呪いの効果は発動しない。

ガストンが“スキルを持つ魔獣“と言ったという事は、アクスビークの様にスキルを持つ魔獣全てが同じスキルを持つという事になる。


ありえない。


近い種類なら同じ様なスキルになる。だが、あくまで“同じ様”だ。近いスキルだがどこか違う同じ様なスキルになる。


「どうした?イザーク、難しい顔をして?」


「ああ、サムさん。先ほどのアクスビークについて考えていました。」


「アクスビークについて?僕が知っている範囲なら答えられるけど。」


ひょっとしたらサムさんの知識に僕の疑問を解決する何かがあるかもしれない。


「アクスビークのスキルの効果は魔法減少マジックデクリーズで減少しましたよね。と言う事はアクスビークのスキルは魔法の一つ、付与エンチャントであるという事を示していると思うのです。」


僕の言葉にサムさんは少し考えた様だ。


「確かに魔法とも言える。だけどそれが何かあるのか?」


付与エンチャントを使うには魔力、つまり魔術回路を展開する場所が必要です。それがアクスビークのどこにあるのかと思って……。」


「魔法ならば魔術回路が必要……確かにそれは不思議な事だね。アスクビークの知能は低い為、魔法を自在に操ることは出来ない。とすれば考えられる事は体の何処かに魔導回路が刻まれている可能性だ。なるほど、先ほどの解剖はそんな理由か…‥実に興味深い。」


そう呟いたサムは街への帰り道の間中、何やら考え込んでいる様だった。

あけましておめでようございます

今年もよろしくお願いします

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