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6話:鮎の友釣り2

 そこで今度は泳がせ釣りに変えると言った。泳がせ釣りはオトリを竿でコントロールするのではなく糸をたるませた状態で自由に泳がせるテクニック。足元に放した後は竿を立て気味に構えオトリの動きを妨げないようにする。まるで犬の散歩のように泳いでいくアユのあとを竿先でフォローしてついていくイメージ。最初は比較的流れの緩いトロ場に向いている。泳がせ釣りの場合は糸のたるませ方によって操作する。なお、糸のたるみをオバセと呼ぶ。オバセを大きくすとると糸がたるんで水中で流れの抵抗を受ける。するとオトリは下流側に引っぱられるため、抵抗に逆らって速く泳ぎ始める。逆に糸を張り気味にするとオトリに掛かる抵抗が減るのでオトリのスピードは遅くなる。


 この原理を利用してオバセを増やしたり減らしたりしながら広範囲を上手に泳がせるのがコツ。すると5分程で鮎がかかり大きそうなので鮎がオトリに襲いかかると竿先にハッキリとした衝撃が伝わってくる。特にアワセる必要はなく自然にハリに掛かってくれる。その後、鮎をタモ網に入れる作業へ移る。鮎が掛かってもすぐにサ竿を立ててはいけない。その理由は急に魚が浮き上がって下流へと流されてしまうから。サオの角度を保って耐えていればアユは下流へカーブを描きながら手前に近づいてくる。立ち位置を変えないままサオ先をゆっくりと上流側に向けると鮎が足元に寄ってくる。


 最後はオトリともどもタモ網へ誘導してキャッチする。そして連続して5匹の天然鮎を釣り上げ、友釣り用の鮎を釣れた天然鮎に変えて再挑戦すると、なぜか、どんどん釣れるようになり3時間ほどで21匹も釣れたので、これで十分だろうと言った。午後16時半に鮎の釣り道具をしまって車で江成家に帰ると大量だねと母が喜んでくれ塩焼きで食べていきなといい塩を振って人数分の5匹の鮎を

串に刺して、いろり端で焼き始めると部屋中に香ばしい臭いが立ちこめた。 焼き上がると、さー召し上がれと言った。勇三が、食べ方は、頭から食えば良いと見本を見せるかのように食らいついて、いつ食っても旬の鮎の味は最高だと笑った。


 それでは、お言葉に甘えてと言い山田賢一さんと静香さんの兄弟が鮎を食べ始めた。本当に旨いですねと賢一さんが言うと静香さんがなんとも言えない良い味ですと喜んで食べた。お宅は何人いると聞かれ4人ですと答えると4匹、持って帰れと竹ザルに入れた。申し訳ありませんと言い、賢一さんが3千円を勇三に渡そうとすると、俺は、この土地の者だから入漁料は入らねえのさと言い、受け取らないというと静香さんが、私達が勇三さんの教えてもらいながら釣ったと言う事にして実家で話しますからと、にこやかに言うので、勇三は、じゃー、これは鮎釣りの指導料と言う事でもらっておきますと言った。そして16時過ぎると今日は本当に楽しかったですと山田賢一さんと静香さんの兄弟が車で自宅へ帰って行った。

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