36話:フンシャル花祭り
翌日、4月27日、朝8時前に勇三が花祭の会場になる大通りの沿道で見やすい場所を選んでシートを引いて場所とりをして仲間の到着を待ちながら文庫本を読んでいた。10時前に昼食用のお弁当を持って静香さんの御両親と勇三の両親の総勢6人がやってきた。10時過ぎ花祭りが始まると初日は小さい子のパレードから始まり小、中、高校生のパレードが続き、その間に溢れんばかりの花のパレードカーに乗った美人が素敵な衣装を着て笑顔を振りまいた。
午後になるとチーム単位の踊りのグループが同じ衣装で行進したら踊りながら行進したり、母と娘の踊りながらの行進と盛りだくさんの行進が見られてた。その後に地元のフォークダンスのような独特なダンス、強烈な音楽と踊りの行進と続いた。今日は可愛い小さなレディ、強烈なダンス、パレードカーの美人ときれいに飾られた多くの美しい花が特に印象に残った。そして17時にホテルに戻り、夕食後、早めに床についた。
2日目の4月28日も早めに勇三が自分達の席に行き、後から、仲間が来た。今日は若い美人さんの踊りパレード、投げキッス、創作踊りの集団、とにかく目をひく山車が多く、紫のドレスに大きな非違周りの花のベルト腕飾り、帽子をかぶった美人の踊り、フラメンコのような衣装の美女達、95%が女性達で実に衣装、花が合っていた。とにかく華やかで踊り手も実にうれしそうに楽しんでいるのが伝わった。今年から3日間から5日間と祭りの期間が延びたようだ。
踊りの振り付け、衣装の創作、花のデザインを考える人の努力が伝わってきて、これからも益々観客が増えるだろうなと想像できた。その晩も夕食後、ポルトガルワインを飲んで花祭の話題で盛り上がり22時に床についた。翌4月29日、朝6時に起き、ホテルの精算を終えて6時半のマディラ空港行きのバスに乗り、7時に到着し9時半の飛行機に乗りリスボンに11時過ぎについて、最終日、もう一度、ファドレストランへ行こうと考えた。
前に泊まった川沿いのホテルにチェックインして昼食をとり少し川沿いを散歩して、14時過ぎにホテルに戻り、仮眠して、今夜のファドに備えた。17時過ぎに起きて19時にホテルで軽食を取り20時半にタクシーが来てファドレストランに6人で出かけた。店に着いて席に案内されセットの料理とワインが来て少し歓談して21時にファドを歌うボーカルとギタリスト2人が来て男性的な大きな声で情熱的な歌を歌った。2ステージ目、ベテランの中年女性の哀愁を帯びたファドをじっくりと鑑賞した。3ステージ目は売り出し中と思われる若手女性が登場してセクシーな表情で観客のハートを鷲づかみにして、目を釘付けにした。
終了するとスタンディング・オーベーションと花束贈呈、勇三達のグループも全員で600ユーロのチップを渡した。すると、そのファド歌手の美人さんが英語、ありがとう、はるばる遠く日本から来て本当に感謝してると言ってくれ、勇三達6人を店の外でタクシーに乗るところまで見送りに来てくれ、1人づつ握手をした。これには勇三達グループの女性達が感激した。そしてホテルに戻り、ポルトガルワインを飲んで床についた。翌4月30日は朝11時に起き、12時にホテルを後にして、リスボン空港16時発のポルトガル航空機に乗り込みブリュッセル空港で90分待ちANAの成田行きで乗り換えて成田空港に2012年5月1日15時40分に到着した。




