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28話:フンシャル花祭1

 翌、4月26日は、朝5時に起きて予約しておいたタクシーが来て5時半に空港に着いてマディラ空港行きの飛行機乗り場に移動し、直ぐに搭乗手続きを取り近くのカフェで朝食をとった。そして、7時過ぎから搭乗して7時半に出発した。飛行時間1時間45分と告げられて、1時間半頃にマディラ空港が見えたが小さな島の端っこに線路のように細長い滑走路があったが、とても小さく見え、本当に大丈夫かと心配したが他の乗客も同じ気持ちだったようで、無事に着陸するとおおきな拍手が巻き起こった。


 到着後、待ち構えたように島の中心のフンシャル行きの大きなバスが待っていて、それに乗り込んだ。車掌が人数を確認してから出発して30分足らずでフンシャルに到着して、少し時間があるので、ホテル近くのラブラドーレス市場を見て回ることにしてバスを降りた。多くの果物や魚が所狭しと並べられていて、市場は、そろそろ閉店の時間のようで、多くの買い物の女性達が値切っているように、大声で価格交渉をしていた。


 静香さんがバナナや果物をいくつか買い奥のお魚屋へ行くと黒くて恐ろしい顔をして大きな目と鋭い歯が特徴の魚を見て、これ何と聞くと黒太刀魚でフンシャル名物だと店主が笑い、君たち日本人なら、こっちの方が、好きだろうと大きなマグロ見せてくれ少し味見してみるか言い切れ端をくれた。それを口に入れて美味しそうに食べるのを見て店の女性が驚いた様に顔を見ると笑顔で美味しいと答えると、さすが日本人、まぐろの本当の味を知ってると言い、でも生で食べるのはすごいよなと、笑った。


 そして、帰り際、花屋で美しい鳥のような形をした、見たことのない花を見て静香さんが最後の1本だから安くしてと言い、いくらと聞くと100ユーロというので、そりゃ高いと、私達、遠くの日本から来たのよ、もっと負けてよと言うと笑いながら50ユーロに負けてくれた。花屋のおばさんに花の名前を聞くとストレリチア「日本名:極楽鳥花」と言いフンシャル産が世界最高だと言った。そこから徒歩5分でホテルに到着しホテルの人がストレリチア買ってきたのと言い、さすがにセンスが良いねと言ってくれた。


 いくらしたと聞くので負けてもらった50ユーロと言ったら最低100ユーロするよと言い交渉上手だねと笑った。お昼だから、お腹空いたろと言われ、君たちサツマイモ好きかと聞くので、好きですとお答えると、昼食はそれにしようと言って調理室に入った。その後、パンと言うか、かたいホットケーキのようなフライパンで焼いたようなものが出て来た。これなんて言うのと静香さんが聞くと

「ボーロ・デ・カコ」意味は破片のパンと英語で説明した。不思議な名前ねと言った後、食べてみるとパセリとガーリックとバターがしみこんでいて、美味しかった。

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