最強の魔族になる男
眠い。眠すぎる。
俺は今数学の授業を受けている。しかも、授業内容は俺が一番嫌いな2次関数ときた。
俺は大きなあくびをしながら授業を受けている
いつもと変わらない退屈な日常。いつもと変わらない退屈な授業。何も面白くない。数学の事を考えなければいけないのに、頭の中に浮かぶ事は、大抵こんなものだ。
「こら!授業を受ける人間として、そんな大きなあくびを先生の目の前でしてはいけません」
担任の先生であり数学の先生でもある西谷優香
先生が、俺を指差しながら強い口調で言う。他の生徒は、俺を見て笑っている。(テメェら笑ってるんじゃねぇぞ。)俺は心の中でそう強く思ったが、
言葉にはせず、口を動かさなかった。西谷先生は
俺を叱るとすぐに黒板と向き合って授業の続きを始めた。
俺は、反省もせずに窓の外の不安定な黒色の空を見ていた。もう6月だ。こんな天気は当たり前のようにずっと続いている。何も不思議じゃないが、何かいつもの空と違う気がした。
気のせいかもしれないがいつもと違う。そんな気がしたその時だった。
俺にとてつもない激痛が襲った。まるで全身が焼けているような感覚だ。だめだ死ぬ。
それを最後にして俺の意識がなくなった。
現場には、動かない45名の人間が倒れていた。