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24話 深海生物イベントとイグアナ。でも一番可愛いのは弟。


気が付けば今日は土曜日、交流会として生徒会の皆と水族館に向かいます。

時間というのはあっという間だ…


現在、私とモカちゃんは女子寮の前で迎えを待っている。

「ハル…やっぱり似合ってないんじゃないかな…?」

不安そうに自分の服を見下ろすモカちゃん。


着なれない服を着ると落ち着かないよね、そわそわするの分かる。


私がコーディネートした彼女は可愛いの中に大人っぽさ取り入れた私的にはパーフェクトな装いだ。

クローゼットの中にあった白シャツを着てもらい、その胸元に私の服についていた青いリボンのブローチをつけました。

下は私の服から紺色のキュロットスカートをチョイス。加えてニーハイを装備してもらいましたよ。


スカートとニーハイの間、そう、絶対領域です!足が綺麗すぎて撫で回したくなりました!

今ならお巡りさん私です、と自首しても悔いはないです。

そのくらいけしからん絶対領域です。

私的絶対領域は手のひら1枚分だと思います。

ふぅ、良い仕事したぜ!!


可愛いけれど可愛い過ぎず、尚且つモカちゃんの持つ女の子のイケメンらしさを出してみました。


「大丈夫、モカちゃんの絶対領域でミケくんも悩殺できるよ!」

「の、悩殺……」

ぼふんと真っ赤になるモカちゃん。可愛い!ミケくんが羨ましいぞこのやろー。


対する私は無難に水色のワンピースを選んだ、髪は右側に流して根本で纏め虎太郎くんにかってもらった桜色のリボンを装備してみた。うん、違和感はない。

暫く二人で待っているとやたら格好いい車が現れた。

もしやと思っていたら窓が開いて、クロくんが顔を出す。


あ、やっぱりクロくん家の車でしたか。高そう。おいくらですか?…あ、やっぱり聞きたくないです。乗れなくなる。


ドアを開けてもらい乗り込むと既に男性陣が乗っていた。

クロくん、虎太郎くん、ソラ、ミケくん。四人揃うとアイドルグループでも結成できそうな気がするから不思議だ。

「おぉー、女の子の私服可愛いね!」

無邪気に微笑むミケくんにモカちゃんは恥ずかしそうに微笑む。


おぉ!いいね、いいね。ミケくんに好感触!


コーディネートした成果に満足しているとソラからじっとこちらを見ていた。

「ハル、今日は絶対に、迷子になるなよ?」

服の感想をいってくれるのかと思いきや、迷子にならないよう念を圧されました。


意義あり、あの時迷子になったのはソラです。私じゃない。

ソラの為にわざわざ言ったりしないけどね。


「な、ならないよ!子供の時とは違うんだから!」

「万が一迷子になっても僕が見つけるから大丈夫だ、心配しなくて良い」

そういってクロくんはクスクス笑う。さすが生徒会長、頼もしいです。

「いいえ、私がついていますからハルを迷子にしたりしませんよ。ね、ハル?」

そう言って虎太郎くんもにっこり笑う。

「ほぉ……」

クロくんが眉をピクリと動かしたが虎太郎くんは笑顔を浮かべたまま微動だにしない。

2人はじっと見つめあって視線で会話をしているように見えた。

「はぅっ…」

それを見たモカちゃんが小さく声を上げたが私は聞かなかった事にした。


生徒会室での時もそうだったが、モカちゃんは貴腐人なので多分クロくんと虎太郎くんが絡むととても萌えると言っていた。具合が悪いのではなく、萌えを堪えているらしい。

うん、お察しください、そう言う意味で見ているのが楽しいそうです。









△△

萌えに悶えるモカちゃんがプルプルしているうちに水族館についたので揃って車から降りる。

クロくんは運転手さんに夕方に迎えに来るように告げていた。お世話になります。


入場チケットを購入してぞろぞろと中にはいる。週末ということもあり館内は子供連れで賑わっていた。

「貸しきりにすれば良かったな」

クロくんがポリと呟く。


その発想はありませんでした!さすがお金持ち!


「あ、道案内の矢印発見!」

ミケくん、はしゃいでおります。

おかしいな、彼は猫科のはずなのにワンコのしっぽがぱたぱたしている幻覚が見えます。


入場してすぐ右側が順路の入口らしく、通路は薄暗くなっていて青い間接証明が深海の雰囲気を出していた。水槽の脇には『深海の生き物』とプレートがはってある。


「ソラ、ソラ!深海の生き物だって、ほら、ダイオウグソクムシ!」

「うわぁ…」

楽しそうに目をキラキラさせるミケくんに対し、ソラは顔をしかめる。察するにあまり得意ではないのだろう。


私も同感、でっかいだんご虫は苦手です。あのワサワサした足とか…裏側とか…なんかもういろいろ…


「わぁ、可愛い!」


……か、可愛い!?モカちゃん、今可愛いって言った!?


「だろ?なんかあのつぶらな目とか足とか可愛いよなっ!」

「うん、深海の神秘を感じるね!」


ミケくんに話を合わせてるの!?

何という強者!……あ、違う、あの目は本気で可愛いと思ってるやつだ。お目めキラキラしてるし、猫耳がぴこぴこしていらっしゃる。


「俺には可愛いと思えない…」

テンションが上がる2人に私とソラは1歩下がる。振り返ればクロくんや虎太郎くんも少し目を反らしている。


あ、苦手なのかなー…うん、仕方ないよね…得手不得手があるもんね


暫くしても動かないモカちゃんとミケくんを深海コーナーに残して私たちは先に他の展示を回ることにした。


はからずもミケくんとモカちゃんを2人きりにする事に…!

心の声でしっかりエールを送っておきました。


次にやって来たのは色とりどりの魚があちこちに展示をされたドーム型のスペース。

中央では海の生き物と触れあいが出来る小さなプールがあり子供達が集まっている。

その真横に小さな机が設置されており、上には何故か飼育員さんにつれられた…………




イグアナがいた。





「イグアナか、水族館にいるんだな」

クロくんが興味深そうに眺めている。

「最近では動物園でなく、水族館でも飼育しているところが複数あるようですよ」

「触れるのか?」

「そのようですね」

寄ってきた子供達に飼育員さんがそっと触るようにと声をかけている。

「ソラ、触ってみる?」

横にいるソラに尋ねるとこくりと頷いてぐんぐん進んでいく。

何故か私の手を掴んで。


ソラたんソラたん、手を離してくれないかな!?

あ、もしかして、触りたいし興味もあるけどちょっと怖くてついてきて欲しいとか…?


チラリと視線を向けると耳がプルプルしてた。耳は素直だ。



んあ"ぁ"ぁ"………うちの弟、くっそ可愛い……


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