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第94話 機動戦士Zガンダム その5 父と子と…編

 さて、お次は前作引きずり系MSの残りのうち、私が一番好きなMSであるリック・ディアスに行きましょう。サブタイトルは、そのリック・ディアスをフランクリン・ビダンが盗み出した第5話のサブタイトルをいただきました。


 ただ、前作引きずり系には入れたものの、一番独自色が強いMSでもあります。その印象の根源は、何と言っても顔。モノアイではあるものの、今までのジオン系MSの黒い溝の中にピンク系の単眼が光るタイプではありません。十字のラインが入った緑色のモノアイです。ガンダムのMSとしては異端で、これ以降は派生機の「シュトゥルム・ディアス」やアクシズ系の「ガザC」「ガザD」ぐらいにしか使われているのが思い当たりません。


 また、MSの場合、コクピットは腹部にあるのが一般的なのに、こいつは頭部にあります。ジオングのような前例はありますが、比較的珍しいパターンです。


 ちなみに、この時代のMSのコクピットは全周囲モニター付きの「リニアシート」なのが一般的で、コクピット自体が周囲のモニターごと球形の脱出ポッドになります。


 主武装は実体弾のクレイ・バズーカになりますが、背部にビーム・ピストルを二丁背負っており、これは背負った状態でも射撃可能です。また、頭部にバルカン・ファランクスも装備しています。何気に重武装です。


 シールドこそ持っていませんが、初のガンダリウム・ガンマ合金採用機であり、重装甲です。


 背中にはブースター付きのバインダーがあり、鈍重そうな外見とはうらはらに機動性や運動性も高くなっています。


 要するに、こいつ非常に高性能機なんです。しかも、量産されているという。


 ただ、さすがにこれだけの性能を詰め込むと生産コストも高かったようで、主力機として大量生産するのは無理があったようです。結果的に、ジム系のネモが主力量産機となり、本機は少数生産のエース用の機体として扱われていきます。


 初期はクワトロ・バジーナ大尉と名乗っているシャアが赤い機体に搭乗し、その部下のロベルトやアポリーは黒い機体に乗っていました。


 その赤い機体を見て「赤い彗星?」みたいに言われていたのですが、その機体はフランクリン・ビダンに盗まれた上に撃墜されてしまいます。その後、シャアが百式に乗り換えるタイミングで全機が赤色に塗り替えられます。このときの「目立つ色になったから気をつけろよ」「大尉の色は人気がありますから」というやりとりはZガンダムの名ゼリフのひとつでしょう。


 また、地球に降りたあとで、復活した前作主人公アムロ・レイが乗った機体でもあります。


 アムロが量産機に乗るなんて……みたいに思った前作ファンは多かったようですし、作中でもZガンダム限定でアムロの恋人になるベルトーチカ・イルマが同じことを思ってカミーユにマーク2をアムロに譲るよう言ったりしていました。


 ただ、前述したように、コイツは開発コードネームが「ガンマ・ガンダム」って付けられてたように、外見こそドムっぽいものの、中味はガンダムと呼んでもいいくらいの高性能機なんですよね。


 一応マーク2の方が攻撃力と機動性は上という評価みたいですが、総合的な完成度はコイツの方が上ではないかと思います。


 デザイン面では、正直に言うと最初にアニメ誌で見たときには「ガンダムのMS」っぽくはないなあとは思いました。ただ、上記のように設定上は高性能機でしたし、実際に作中でも活躍していたので「これはこれでアリか」という感じで受け入れてはいました。


 ただ、Wikiによると、そのデザイン面で連邦軍っぽくない外見のせいで、続編のZZでは出番がなくなってしまったのだそうです。敵味方のMSのデザインラインが混在していると、敵味方の区別がつきにくいということのようで。


 だったら、やっぱりZガンダムではエウーゴこそジオン系のデザインラインに統一するぐらいのことをやっておいても良かったんじゃないかとは思うんですけどねえ。まあ、その中にマーク2やZガンダムがいたら浮くような気もしますけど、後年の『Destiny(ディスティニー)』では平然と「ジオン系の中にガンダム」をやってるからなあ。


 さて、お次はガルバルディβです。こいつは、MSVの次の企画「MS-X」に登場する予定だったジオン軍の「ガルバルディα(アルファ)」を連邦軍が鹵獲(ろかく)して、その高性能に目をつけて改修して量産したという設定のMSです。


 そのためか、ハイザックと並んで前作MSの面影を引いているデザインをしています。具体的にはゲルググ系。ハイザックがザク、リック・ディアスがリック・ドム、ガルバルディがゲルググを、それぞれイメージさせる外見や名称になっているわけです。


 こいつは、出番的には比較的終盤まで雑魚敵として登場したハイザックとか、味方機として登場していたリック・ディアスに比べると扱いは不遇です。序盤に少しだけ出てくるだけだったりします。


 ただ、その際に搭乗していたのがライラ・ミラ・ライラという女性エースパイロットなので、強烈な印象が残っている機体です。


 この人、ガンダム系ではセイラやララアを除くと、初の女性エースパイロットです。セイラはGファイターもしくはコア・ブースターと戦闘機系で、ララアはMAに乗っていたので、純MS乗りのパイロットとしては初登場でしょう。後年には後付で女性エースも結構出てきますし、『0080』のクリスみたいに時代的には先行している女性パイロットも登場しますが、この時点では彼女が一番手でした。ライラについてはキャラ語りのところで詳しく語りましょう。


 デザイン的には、比較的前作MSっぽい感じです。ビームライフルもゲルググのものを少し改造しただけのように見えます。ただ、格闘武器は普通のビームサーベルで、ゲルググのビームナギナタは受け継いでいませんでした。ほかに、シールドの裏にミサイルを積んでいます。


 一年戦争時のジオン系MSを改修して生産したという設定のためか、作中でも旧式機扱いでしたが、一応コクピットなどは近代化改修が行われていたのか、全周囲モニターとかは付いていました。


 カラーリングは、小豆色っぽい赤紫で、かなり渋めの色になります。このあたりも登場期間が短くなる原因だったのかなとか思ったり。


 Zガンダムの初期のMSって、当時のリアルロボのリアル性重視の風潮からか、MSVの影響を受けたのか、何かカラーリングが地味なんですよね。それで、画面上であまり映えないんです。特に、宇宙での戦闘シーンだと背景に溶け込むという。いや、空間迷彩塗装としては、それが正しいんでしょうけど(笑)。


 そのあたりは反省材料だったのか、終盤にはどぎつい原色系MSが出てきて、それはそれで作品内の統一性がなくなるという問題も引き起こしたりするのが難しいところだったりはするのですが(笑)。


 さて、予告の二機種は何とか語れましたね。次は味方機の百式とかメタスあたりでしょうか。


 君は、(33年)の涙を見る。

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