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第93話 機動戦士Zガンダム その4 ジオンの系譜編

 さて、敵味方MS語り編に入ろうかと思うのですが、ガンダムのときみたいにジオン系MSに思い入れがあるわけではないので、敵味方に分けずに適当にやっていこうかと思います。その中でも、旧作を引きずってるMSについて行ってみましょう。今回のサブタイは新機軸(笑)、シミュレーションゲーム『ギレンの野望』の続編からいただきました。理由については、最後までお読みいただければ、ご理解いただけるかと。


 ということで、まずはハイザックから。見た目からもザク系ですが、胸の形とかを見ると連邦系のエア・インテークがあるという、非常に継ぎはぎ感のあるデザインです。


 こいつ、非常に不思議な存在なんですよね。何でこれが連邦軍の主力量産機になってる上に、よりによってティターンズではザク色になっているのかと。


 何しろ、こいつ、ビーム兵器を複数運用できません。ビームライフルを装備してるとビームサーベルが使えない。だから、ザクマシンガン改とビームサーベルという組み合わせか、ビームライフルとヒートホーク改という組み合わせにしかできないという。


 コストパフォーマンスの問題があるにせよ、ジムやゲルググの時点でビーム兵器の複数運用が可能になっているのに、それより劣化した量産型がどうして生産されているのかと。


 それに、コスパで言えばジム最強説もあるくらいにワラワラ作られたジムの直系後継機ジムⅡって立派な制式量産機を持ってるんですよ、連邦軍は。こいつは、普通にビームライフルとビームサーベルを同時に装備できるんです。もっともWikiを見ると一年戦争時のジムの改造機も多く、性能的には旧式化していたとされていますが。


 その旧式機より肝心の武装で劣るってどういうことじゃい!?(笑)


 連邦軍装備機が青色で、ティターンズ装備機が緑色なのは「わざとザクと同色系にすることでジオン残党への威圧効果を狙った」と後付設定されているのは、まあ良しとしましょう。故事成語「四面楚歌」のエピソードの中には、包囲したときにわざと相手側の故郷の歌を聞かせて士気を落とす作戦だったという説もあるので。


 それにしても、装備にザクマシンガン改とヒートホークがあるのはいただけないという。ここは、ザクマシンガン風のビームライフルとか、ビームホークにすべきだったんじゃないかと。


 このハイザックって機体をはじめとして、前作ガンダムのMSっぽいデザインのMSが出てきたのは不思議とは思わないんですよ。むしろプラモとかの販売戦略的には当然だろうと。


 ただ、このハイザックについては、明確にデザインと設定がおかしいんですよ。設定的に強引すぎる。


 このあたり「敵のデザインはジオンMS系」というデザインラインと、「敵はジオンの残党刈りを目的とする連邦軍のエリート部隊」というストーリーラインが噛み合ってないんです。


 私がZガンダムを見たときの一番の違和感って、そこだったんですよね。


 これは、Zガンダムの時点では割り切れなかったんでしょう。ダグラムみたいに「抵抗運動側」を主人公サイドに据えたのは、まあいいでしょう。


 そして、ガンダムで人気があったジオン系MSのデザインラインを引いたMSを出す。これも商品販売戦略上、当然でしょう。


 だったら、エウーゴこそジオン系MSを使わないといけなかったんですよ!


 それも、まったく使ってないわけじゃないんです。


 リック・ディアス。これ、明確に「ドム系」のデザインラインなんですよ。顔は全然違いますけど、最初に雑誌でデザイン見たときは、胴体部のデザインとネーミングから「ああ、リック・ドムの後継機ね」と思ってましたから。


 だったら、エウーゴこそハイザックを使うべきだったんですよ。ジオン系MSに連邦系技術を取り込んだ抵抗勢力用の廉価量産機。ビーム兵器の生産が追いつかないor高価なため、しかたなく実弾系火器やヒート系格闘武器を装備している。それなら、設定的にも納得がいったのに。


 でも、それができなかった。だから、違和感があった。


 富野監督なら、そういう割り切りできるんじゃないかと思うんですけどねえ。さすがの富野監督さえ、そこまでドラスティックに敵味方の入れ替えができなかった。


 前にも書きましたが『Destiny(ディスティニー)』では、その割り切りと入れ替えをやってるんですよ。いろいろ評価の低い『Destiny(ディスティニー)』ですが、私は結構評価しています。そのあたりは『Destiny(ディスティニー)』のところで語りましょう。閑話休題。


 そういう意味で、ハイザックというのは、まさにZガンダムという作品の迷走を象徴するようなMSだと思えてならないのです。


 なお、終盤に微妙にデザインが異なる「ハイザック・カスタム」という改造機も登場します。高性能ビームライフルを装備した狙撃専用機という扱いで、「隠れハイザック」なんて徒名で呼ばれていました。この呼び方は、当時ファミコンで「隠れキャラ」が流行していたことの影響なんじゃないかと思えます。


 ついでだから、説明のために出てきたジムⅡについても語っちゃいましょう(笑)。リアルタイム視聴当時は、まあ普通にジムの後継機だよなあと思っていました。作中でも、ジムのやられ役っぷりを引き継いで弱いです(笑)。


 それで、前記のように今回Wiki読んでみたら、ジムの改修機って書いてあったんですよね。リアルタイム当時の設定では、そんなの読んだことなかったんで、後付設定でしょう。そうとでも設定しないと、先に書いたようにハイザックが制式量産機になってることと整合しないからじゃないかと思います。


 こいつ、連邦軍もエウーゴも使っていて、連邦軍だとジム色の赤胸に対して、エウーゴは緑胸で、基本色の白も少し黄色がかっています。


 ジムとの一番のデザイン変更点は胸にセンサーが追加されたことと、腰回りのデザインが変更されていること……に思えるでしょうが、もっと大きなポイントがあります。


 頭身が変わってるんです(笑)。ジムとジムⅡの設定画を横に並べて見比べてください。明らかに、ジムの方が頭がデカい!(笑)


 これ、ガンダムと一緒で、あとになってゲームとかで描かれたり、プラモのHGとかになったときにはプロポーションがジムⅡに近い形に改修されてるんでわかりにくいんですが、原典のアニメで見比べてみたらプロポーションが違うんですよ。


 リアルタイムで見てた頃は「同じはずなのに何か違う」程度にしか感じなかったんですが、後年になって気付きました。


 こいつについては「ジムはやられ役」の伝統を忠実に受け継いでおり、味方としても敵としても雑魚でした(笑)。


 ……と、そんな雑魚イメージを覆してくれたのが、実はシミュレーションゲーム『ギレンの野望 ジオンの系譜』だったりします。Zガンダム時代の前半まで遊べるバージョンなのですが、これに出てくるジムⅡが強い強い!


 シミュレーションゲームなので、ユニットの駒はMSの顔を模しているのですが、当然ながらジムとジムⅡはそっくりです。なので「何だジムか」と思って攻撃をしかけてみたら、全然こちらのMSの攻撃が効かず、逆にボコボコにされて「何事!?」と愕然としたという(笑)。


 何しろ、機体の耐久値が一年戦争時代のMSに比べてバカ高になっています。ひとつのユニットが三機編成の部隊になっているのですが、ジムが耐久値六十×三機の百八十だったのに対して、百五十×三機の四百五十! これ、ハイザックの百三十×三機の三百九十を上回っています。攻撃力も、ジムはメイン射撃武器の部隊攻撃力が百二十六だったのに対して、ジムⅡは三百三十と二倍半以上になっています。


 とまあ、何でか知りませんが『ジオンの系譜』だとやたら強いんですよ。ゲルググとかでも苦戦必至という。


 ちなみに『ジオンの系譜』だとハイザックにも使い道があります。マシンガンという実体弾武装を選択できるので、ビーム兵器を無効にする「ビーム攪乱幕(かくらんまく)」が有効な『ジオンの系譜』だとビーム兵器装備機相手に一方的に射撃攻撃ができる場合があるんですね。


 また、同じくビーム兵器が効かない「Iフィールド装備機」にも対抗できるという。


 シミュレーションゲームなのでアニメ本編よりも量産型が活躍できるのは当然なんですが、それにしても、この二機種はアニメ本編での不遇っぷりが嘘のように活躍できるという(笑)。


 というわけで、意外なところで活躍している雑魚量産型二機種だったのでした(笑)。


 ああ、これだけで終わってしまった。次はリック・ディアスとガルバルディβ(ベータ)あたりかなあ。


 君は、(33年)の涙を見る。

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