第46話 ヤットデタマン(1981-82年)
えー、これを「巨大ロボットアニメ」の範疇に含めるかどうか非常に迷っていたのですが、前回の最後で大巨人が「自我のある主人公巨大ロボ」としてはアニメ初ではないかと気付いたので、書くことにしました。いや、アストロガンガーとかダイアポロン、鋼鉄ジーグやガ・キーンなどもロボと事実上一体化するんですが、あれは主人公が乗り込むタイプに含めます。もっとも、大巨人にもヤットデタマンは乗り込むんですが、大巨人は明らかにヤットデタマンとは別の人格を持っていますから。
とか書いてたら、公開前に「ヤッターワンは巨大ロボに入りますかね」というツッコミを感想欄でSamon様からいただいてしまったんですが、あれは自我があっても人型じゃないんでノーカンです……って、そしたらオタスケキンタは自我は無いけど人型だから巨大ロボになっちゃうじゃん!(笑)
……えー、独断と偏見で、大巨人はセーフでオタスケキンタはアウトといたします(笑)。理由? キンタはカッコ悪いから!!(笑)
……って修正したあとで、今度は「ゴーダムも自律型」ってツッコみが感想欄で一一様から入ったよ! えー、ゴーダムの場合は博士の記憶が移植されてるのと、中盤でそれが破壊されて完全手動型になるのでノーカンということで(笑)。
タイムボカンシリーズの第五弾です。リアルタイムで見てた記憶と、再放送で見た記憶があります。スパロボには参戦していません。それまでタイムボカンとかヤッターワンとかの非人型巨大メカで戦っていたのが、初めて人型の巨大ロボで戦うことになります。
その人型巨大ロボが大巨人です。ロボとしては同時代的に見ると少し古くさいデザインなのですが、コメディタッチな作風には合っていました。
飛行機形態からロボに変形しますが、この変形は同時代的に見れば大して面白い変形ではありません。むしろ、そのあとで馬型ロボ「大天馬」と合体して上半身が人、下半身が馬のケンタウロス形態「大馬神」になる方がロボとしては大きなギミックです。
これ、タカトクトイス製の玩具はCMを見る限り、かなりできは良さそうだったんですが、持ってはいませんでした。
で、例によって代わりにプラモを買ったんですが、これが大失敗。大天馬の方が、素組みで完成できないという凄いシロモノでした。脚部を胴体に接続する円柱状の凸部の太さが、胴体の凹部の円周よりも太いんで入らないんです。ヤスリで削って無理矢理はめ込もうかと思ったのですが、当時はそこまで根気がなくて頓挫。結局完成できませんでした。まだプラモ製造技術が未熟だった時代ならともかく、ガンプラブームのあとでコレって……と呆れたものです。もっとも、製造元はバンダイとかの有名メーカーじゃなくて聞いたこともない三流メーカーだった気もしますが。
とまあ、プラモでは大失敗したんですが、実のところ大巨人の魅力って、そういうメカ的なギミックには無いんですよね。
こいつ「人格がある」ってことが一番の魅力だったりします。正義のロボにあるまじきことに、性格が非常に悪いんです(笑)。
いや、一応ね三バカトリオが毎回ロボをぶっ壊されたあとで平謝りに謝ったら「罪を憎んで人を憎まず」とか言ってはいるんですよ。そこだけ聞くと「いい人(ロボだけど)」に思えます。
でも、その直後に悪口を言われて「大激怒~!!」と叫んでは三バカトリオを吹っ飛ばすというのが毎回のパターン(笑)。このとき、ものすごい地獄耳で、ほんのちょっとした悪口も聞き逃さないという。その悪口を聞き逃すまいという態度が偏執狂じみていて、どう考えても「いい人」には思えないという(笑)。むしろ、非常に「イイ性格(笑)」をしてると言えるでしょう。やっぱ性格悪いよ(笑)。
特に「扁平足」はコンプレックスらしくて、この悪口には一番反応します(笑)。後にも先にも扁平足を気にする巨大ロボなんてこいつくらいです(笑)。
謎なのは、こいつ完全に人格持っているのに、ヤットデタマンが乗り込んで操縦してるんです。戦闘のときにどっちが主導権握ってるのか、よく分からないという。もっとも、タイムボカンシリーズにそういう理屈を求めるのは間違いな気もしますが(笑)。その場のノリで勝敗が決まるようなもんだからねえ、このシリーズ(笑)。
ちなみに、この『ヤットデタマン』は大巨人という巨大ロボの参入以外で、もうひとつタイムボカンシリーズにとって非常に大きなターニングポイントをむかえています。
女性キャラの非戦闘員化です。従来は、タイムボカンの淳子は丹平と一緒にメカに乗って戦っていましたし、ヤッターマン2号以降はすべて変身して1号と一緒に戦っていました。ところが、本作のコヨミ以降、ヒロインにあたる女の子キャラは変身しなくなったのです。ロボを呼び出す役割だけはやってましたが。
これ、当時の流れからすると完全に逆行なんですよね。どちらかというと戦わないヒロインか、戦っても男性主人公よりは弱い前座という扱いだったのが、男性主人公と互角に戦えるヒロイン像が増えてきていたのに。戦隊でも、このあと1984年の『超電子バイオマン』から女性が二人に増員されることを考えると、女性の非戦闘員化というのは完全に時代に逆行してると思えます。
その点は、リアルタイム視聴当時でも非常に疑問に思ったところでした。
ただ、レギュラー女性キャラにカレン姫という年上女性が加わって、これは次作イッパツマンの星ハルカにも引き継がれます。
それ以外は、良くも悪くもタイムボカンシリーズ、永遠のマンネリが楽しい作品だったので、ストーリーとか真面目に語る必要はないでしょう(笑)。
これ書いた以上は、いずれ『逆転イッパツマン』の逆転王と三冠王についても語りましょう。
……って書いて最後の最後に気付きましたが、こいつら珍しい「漢字名」巨大ロボだ! 漢字使ってる名前って、ほかには元祖「鉄人28号」しか思いつかないぞ。『ヤマトタケル』のスサノオだってカタカナだってのに。あとは後年の『ワタル』の龍神丸とかぐらいかな。ダンクーガやダンガイオーも漢字名はあるけど、あれらはカタカナが標準表記だからなあ。
最後の最後で意外な特徴に気付きましたが、今回はこれまで。さて次回は何にしようかな?




