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第332話 機動戦士ガンダム00 その3 俺がガンダムだ!編

 『00』語りの3回目はキャラ編に入りたいと思います。いつも通り主人公から書いていくので、今回のサブタイトルは主人公の決めゼリフをいただきました。


 さて、その主人公「刹那(せつな)・F・セイエイ」ですが、実はこれは偽名です。クルジスという国で神を盲信する少年ゲリラとして戦っていたのですが、そのときに信じていた指導者「アリー・アル・サーシェス」に騙されていたことを知って絶望したものの、そこで0ガンダムに救われて今度はガンダムを盲信するようになるという(笑)。それで自分が「戦争を根絶するガンダム」と一体化することを望んで言ったセリフが「俺がガンダムだ!」なんですね。


 このセリフは初登場時から大いに話題になりました。ネットでは総ツッコみ喰らってましたね(笑)。実にネタにしやすい、名ゼリフ(笑)と言えるでしょう。


 重い過去を背負っているので他人と簡単になれ合えない性格なのは分かるのですが、これが残念なことに『W』のヒイロ・ユイの焼き直しに見えてしまうんですよ。そういやアイツも偽名だったな。


 戦いの中で仲間と信頼を築いて、ヒロインとの交流の中で人との繋がりを信じるようになっていく……という、非常に真っ当な主人公ではあります。ただ、真っ当すぎて決めゼリフ以外のキャラ立ちが、何となくどこかで見たような設定の集大成に見えてしまうんですよ。このあたり『00』が初めて見る作品だったら良いのでしょうが、いかんせん、これまで書いてきたように散々見てるもので……。


 最終的には超越的な能力と感応力を持つ新人類「イノベイター」――ニュータイプとコーディネーターを足したような感じですね――への最初の覚醒者となります。その前に余命宣告されてたりと、設定盛りすぎ感もあったりして(笑)。


 そして、その刹那のヒロインにして、本作のメインヒロインが「マリナ・イスマイール」です。この名字、『スーパーロボット大戦外伝 魔装機神』のラスボスロボである「イスマイル」を思い出すんで、私は一発でおぼえたという(笑)。


 さて、この人なのですが、刹那の祖国クルジスを滅ぼしたアザディスタン王国の皇女です。ってか、何で帝政じゃなくて王政なのに皇女なの? というツッコミはさておき、この人、作中で頻繁に出てくる割には、ストーリー進行上で重要なことを何もやってないという(笑)。


 完全平和主義者で、つまりはリリーナの系譜を正しく受け継ぐ脳内お花畑ヒロインのひとりなのですが、リリーナと違う点は、この人、大した影響力がありません(笑)。序盤から貧乏国アザディスタンを救うために、あっちこっちに働きかけを行っているのですが、ひとつも実を結ばないという(笑)。結局、アザディスタンは三大勢力が合併した地球連邦に解体吸収されることになるんですね。


 その後は反連邦活動組織カタロンが保護した孤児たちと一緒に平和を祈る歌を作って、最終的にはそれが刹那のイノベイターの力で世界中の平和を祈る人々のもとへ届けられて大きな共感を生むのですが、活躍するシーンってそこしか無いという(笑)。


 刹那とも何度か巡り会って互いに影響し合う関係にはなるものの、何というかヒイロとリリーナとか、キラとラクスとかほど劇的でないという。そもそも、最終的に恋仲になった感もあまり無いんですよね。


 そして、今回執筆のためにググって見て初めて知ったのですが、この人、セカンドシーズンだと何と二十九歳で既にアラサーだったという(笑)。外見上、ファーストシーズンで十八~九歳、セカンドシーズンで二十三~四歳ぐらいかと思ってました。


 とにかく、この人、歴代ガンダムヒロインの中でも飛び抜けて「存在感」が薄いんですよ。頻繁に出てくるものの、何のためにいるのか、よく分からないという。


 ニナのように主人公を裏切ったりするとか、シャクティとかカガリみたいに悪意無く行動した結果として周囲に迷惑をかけたりとかはしないので視聴者に悪感情を抱かせることは無いんですが、逆に好感度を上げるような行動もとらないという。


 結果として、何というか「空気」なんですよね。エアヒロイン(笑)。刹那の「空気嫁」です(爆)。


 さて、本作には刹那に対置されるサブ主人公がおります。「沙慈(さじ)・クロスロード」です。日本で暮らしている平凡な高校生で、ポジションとしては「勇者シリーズの少年主人公」になります(笑)。刹那が視聴者からはかけ離れた重い過去を持っていて感情移入しにくいので、こういう視聴者が自分を重ねられるポジションのサブ主人公を置いたのかなと思いました。


 ファーストシーズンでは、引っ越してきた刹那の隣人として交流を持つ「平和ボケした日本」の象徴みたいなキャラとして描かれていたのですが、だんだん過酷な運命に巻き込まれていきます。ジャーナリストだった姉は世界の裏側で暗躍する組織を追っているうちに逆に狙われるようになって死亡し、沙慈本人も反連邦分子という冤罪を着せられて強制労働させられることになるという。そこを刹那に救われて、セカンドシーズン終盤では00ガンダムのサポートメカであるオーライザーに乗って刹那をサポートするようになります。


 そして、その沙慈のヒロインが「ルイス・ハレヴィ」です。沙慈のガールフレンドで、大財閥のお嬢様のため無邪気な世間知らずというキャラでした。ところが、ファーストシーズンの終盤に、偽ガンダム「トリニティ」のパイロットのひとりネーナが気まぐれに放った攻撃で親族を皆殺しにされて、本人も片腕を失い復讐の鬼と化します。


 セカンドシーズンでは、その復讐のために自らパイロットとなってガンダムを倒すことに執念を燃やし、最後には仇であるネーナ殺して復讐を遂げます。その一方で、その復讐心を本作の悪役側である組織「アロウズ」に利用されていましたが、最後は沙慈が執念でルイスの妄執を晴らして正気を取り戻させました。


 何というか、こいつらの方が非常にドラマチックなんですよね。ある意味、非常に主人公とヒロインらしいというか。刹那とマリナが全然恋愛っぽくないので、その分こっちが恋愛とドラマパートを担当しているというか(笑)。


 色々な意味で対照的な感じのする二組の主人公とヒロインなのでした。


 さて、次回は主人公とヒロイン以外で気になるメンバーについて語りたいと思います。

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異世界転生ファンタジーでパロディ満載のロボ物やってます。
「これって何か違うんじゃね!? ~神鋼魔像ブレバティ~」
こちらも、どうぞよろしく。
― 新着の感想 ―
[良い点] ああ、少し疑問が氷解しました。 僕はガンダムを特別視してなかったので、高校時代にZを観た後は、大人になってGガンで大笑いして(ホントに心地よい大笑いでしたw)、その次観たのが00だったんで…
[一言]  セツナ「俺が!俺たちがガンダムだッ!!」  他3人「「「いや、それはちょっと……」」」  「俺がガンダムだ」はパワーワードでした。  二次作品でガンダムってマジックで書いた段ボールを着た…
[一言] 主人公と、サブ主人公を、入れ替えて考えると、もう少し深みがあるのかなぁ?
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