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第276話 ∀ガンダム(1999-2000年)

 さて、いよいよやって参りました、ガンダムシリーズ中でも屈指の異色作『(ターンエー)ガンダム』(この∀は書きにくいので、以下ターンAと表記)です。


 本作については、リアルタイムで全話見ています。見返したりはしていません。福井晴敏が書いた小説版は一度だけ読んだおぼえがあるのですが、うろ覚えです。富野監督のエッセイ『ターンエーの癒やし』も読みました。


 本作については、まず初代『ガンダム』でもなしえなかった偉業を達成していることについて書かねばなりますまい。


 先日、テレビを見ていて驚愕したことがあったのですよ。バラエティ番組か何かだったと思います。出演者がナチュラルに「黒歴史」という言葉を使っていたのです。


 この「黒歴史」はネットスラングで「無かったことにしたい過去」の意味で使われており、TVでもその文脈で使用されていました。ネットスラングから既に一般に通用する言葉になっているんですよ。


 実は、会社の上司もこの言葉をナチュラルに使っていたことがあって少し驚いたことがあります。もっとも、その上司はアニメ系は知らないのですが、PCマニアでネットスラングには接しているので、そちらから入ってきたのかとは思うのですが。


 ということで「黒歴史」という言葉は、もはやネットスラングの域に止まっていないみたいなんですよ。


 じゃあ、この言葉の出典はどこか。大元はどこか。


 本作『ターンA』なんですよ。


 宇宙世紀どころか『Gガン』『W』『X』の世界まで含めて、歴代ガンダムシリーズをすべて過去の歴史とした上で、そのあとの戦争で文明が崩壊したことを含めて「繰り返してはいけない過去」として「黒歴史」と称して封印しているのです。


 それが転じてネットスラングとして「無かったことにしたい過去」の意味で使用されるようになり、それが一般にすら通用するようになってしまったんですね。


 だから、今では大元が本作『ターンA』だということを知らないで「黒歴史」という言葉を使っている人も大勢居ると思います。


 これはなかなかできない偉業ではないでしょうか。過去『ヤッターマン』の「豚もおだてりゃ木に登る」あたりが流行語になって、国語学者が起源を調べたなんてことがあったようですが、それに比べても汎用流通性が高い言葉なので、今後も使われ続けるんじゃないかなと思えます。


 ということで、何気に変なところで影響力の大きさを見せている本作なのですが、商業的には失敗作です。プラモ、売れませんでした。視聴率、そんなに伸びませんでした。本作は制作テレビ局がテレビ朝日からフジテレビに変わったのですが、フジテレビが本作だけでガンダムシリーズを見切り、以降のガンダムシリーズの制作局がTBSに変わっている(ただし「SDガンダム」系のシリーズや『ビルドファイターズ』などはテレビ東京制作)ことからも、本作が失敗作だったことがうかがえます。


 じゃあ、作品としての評価はどうなのかと言いますと……私的には「微妙」だったりします(笑)。


 これ、明確に「駄作」と決めつけるほどつまらなくはないんですよ。歴代ガンダムシリーズの中でも『Zガンダム』『Vガン』『W』あたりは駄作としてきました。それに比べると、明らかに作品としては面白い。


 しかし、じゃあ初代『ガンダム』『0083』『Gガン』あたりと比べて面白いかというと、そこまで面白くはない。


 評価としては「微妙」というところに落ち着いてしまうんですね。


 ちなみに、本作放送初期に私がヲタ友人に冗談めかして言った本作の徒名はこうです。


「大草原の小さなガンダム」(笑)


 Wikiによると作品設定上の文明レベルは十九世紀のヨーロッパから二十世紀前半のアメリカ程度を想定しているのだそうです。作品を見た限りでも、そんな感じでした。そんな世界観の中で序盤はのんびりとストーリーが展開していくのですよ。


 これ、『Zガンダム』を見ていた頃の私だったら「これのどこが『ガンダム』じゃい!?」とか思って初期に切っていた可能性があります。しかし、本作放送開始時の私は既に『Gガン』も『W』も最後まで見通し、『ビーストウォーズ』も『ガサラキ』も許容して最後まで見ていたんです。とりあえず最後まで見てやろうという「余裕」を持つようになっていたんですよ。


 そして、最後まで見通した結果として言えば、ストーリーは特に破綻もせず、まあまあ楽しんで見ることができました。変なキャラも居ましたが、まあ許容範囲内ですね。激烈に面白くはありませんでしたけど。


 ということで、作品としての評価は「微妙」なのですが、部分部分では面白いところもあるので、そのあたりについて書いていきたいと思います。


 特に主役ロボ「ターンAガンダム」については、かなり書きたいことがありますよぉ!(笑)


 少なくとも、こいつのデザインをはじめとする「おかしさ」については二千字くらいは書けると思うので、次回はターンAについてガッツリと書きたいと思います。

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