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第249話 機動戦艦ナデシコ(1996-97年)

 さて、今回のお題は『機動戦艦ナデシコ』(以下ナデシコと略記)です。見ていただくとわかるとおり、本作は宇宙戦艦の名前がタイトルになっています。ただ、主人公が「エステバリス」というリアル系巨大ロボに乗って戦うので、事実上巨大ロボットアニメと言ってよいかと思うので語りたいと思います。スパロボにも参戦していますし。


 本作については、リアルタイム当時に全話視聴しています。劇場版の続編も見ました。原作というか、コミカライズにあたる麻宮騎亜『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』は最初の方をチラ見した程度で、ほとんど読んでいません。参戦したスパロボも遊んでいないので、アニメ版のみの印象となります。


 さて、タイトルからして、かなり露骨に『宇宙戦艦ヤマト』へのオマージュだったりするのですが、中身もかなり壮絶に先行作品へのオマージュであふれています。


 特に、劇中劇として出てくるアニメ「ゲキ・ガンガー3」は完全に70年代巨大ロボットアニメを彷彿とさせるシロモノだったりします(笑)。主人公のテンカワ・アキトは、このアニメを先輩格で親友となったヤマダ・ジロウ(自称ダイゴウジ・ガイ)から見せられてハマるという。そのヤマダ・ジロウが第3話の最後であっさり死亡したあとは、形見のように大事にしていました。


 この「ゲキ・ガンガー3」って、のちに劇中劇を飛びだして単独OVAにもなっているんですが、残念ながらそちらは未見なんですよ。


 ゲキ・ガンガー3はスーパー系ロボなのですが、本作の主役ロボであるエステバリスは、普通にリアルロボです。特に変形したりとかはせず、ギミックはあまりありませんが、リアルロボとしては充分にカッコ良いデザインです。


 ただ、本作の場合、戦闘よりもナデシコ艦内の人間模様とかの方に比重が置かれていたという印象があるんですよねえ。


 それも、何というかラブコメ風味。艦長のミスマル・ユリカとアキトの恋愛話がメインという。ユリカの声優である桑島(くわしま)法子(ほうこ)は本作が出世作になります。


 ほかにも女性レギュラーが多くて、味方パイロットも美少女揃いだったり。


 特に人気があったのが、オペレーターの無表情無感情少女ホシノ・ルリでした。決めゼリフは無感情に放たれる「バカばっか」。要するに「綾波系でアスカ入ってる」という「狙った」キャラですね(笑)。声優は(みなみ)央美(おみ)で、この前の93年から「しまじろう」という一生モノの役を持っているという恵まれた人です……って、今調べたら『ゴルドラン』の主役の拓矢も演じてたのね。


 このルリが劇場版では「ナデシコB」の艦長に就任して主役を演じることになります。もっとも、TV版でも艦内の人気投票で一度艦長に就任していますが(笑)。


 印象は薄いものの、戦闘も決して刺身のつまではなく、敵の「木星蜥蜴(トカゲ)」はかなり強敵という印象でした。


 正体不明の敵だったのですが、のちに実は木星以遠に植民した地球人類の末裔ということが発覚します。月などの植民地の独立派が地球連合政府に弾圧されて木星周辺まで逃げていったところ、そこで未知の文明の遺跡を発見して、その文明の技術を用いて逆襲してきたという。ただ、地球連合政府はそれを隠蔽して謎の異星人扱いしていたんですね。


 このあたりの展開は、『ヤマト』だと思ってたら実は『ガンダム』だったという、非常にメタネタ的なストーリーなんですよねえ。


 この敵軍「木星蜥蜴」、バックグラウンドからするとシリアスな連中なんですが、木星まで持って行けた娯楽が「ゲキ・ガンガー3」くらいしかなかったので、聖典扱いになっているみたいなコメディネタもありました。


 全般としてはコメディタッチなんですが、「木星蜥蜴」の境遇とか、本当はシリアスな話も多いんですよ。


 ただ、やっぱり印象に残るのは基本アキトとユリカのラブコメなんですよねえ。Wikiによると、伏線とか設定が多すぎて、TV版の作中だと全部の説明ができなかったという風に書いてあるのですが、正直、リアルタイム視聴時には、そんな設定の説明の取りこぼしなんて気にしてませんでした。


 これはもう、完全に『エヴァ』のせいですね。思わせぶりな設定とか、所詮はフレーバーに過ぎないということがわかってしまったんですよ。別に語られなくても気にならなくなってしまったという。


 だから、最終回で「アキトとユリカがくっついて『めでたしめでたし』で終わり」というオチで納得してしまったという。


 続編の劇場版はTV版の三年後が舞台でルリが主人公ということなので見に行ってみたら、幸せな結婚をしたはずのアキトとユリカはいきなり事故死していたという。ところが、それは偽装で、敵に誘拐されて人体実験の材料にされていたんですね。アキトは脱走に成功して、仮面キャラの凄腕パイロットとしてユリカを取り戻すために戦っていました。最後はユリカを取り戻すことには成功したものの、アキトは人体実験で味覚を破壊されていたという。本来コックになることが夢だったアキトは、その道を断たれて、自分のレシピをルリに託して去って行く、という暗いエンディングだったんですよ。


 何というか、TV版よりもシリアスにしたいという意図はわかるのですが、何でこんな救いの無いラストにするかなぁ、とは思いました。


 あ、オープニング主題歌「YOU GET TO BURNING」は非常にカッコ良い名曲です。


 全般的に、決してつまらない作品ではありませんでしたし、オタ向けのパロネタやメタネタはそれなりに楽しめたのですが、ものすごく熱中できる作品というほどではなかったというのが総評になります。


 さて、前述のとおり『超者ライディーン』は見ていませんし、『天空のエスカフローネ』も未見なので、これで96年で語れる作品は終わってしまいました。次は97年最初の作品になります。勇者シリーズ最終作にして、日本巨大ロボットアニメの「金字塔」である『勇者王ガオガイガー』行ってみましょう!

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