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第244話 機動新世紀ガンダムX その6 僕らが求めた戦争だ編

 『X』語りも6回目、ライバルにしてラスボスのフロスト兄弟、シャギア・フロストとオルバ・フロストについて語りたいと思います。サブタイトルは予告通り第36話のサブタイからいただきました。オルバのセリフですね。


 第3話のサブタイ兼シャギアの名セリフ「私の愛馬は凶暴です」は既にサブタイに使用しています。これがシャギア初登場のときのセリフで、このセリフでシャギアのイメージが決まったと言ってもいいほどの名ゼリフですね。


 ティファをガロード(というかフリーデン)から取り戻そうとする依頼人の前に登場し、自分たちを雇えと押し売りするときのセリフなんですよ。この前に、依頼人の雇っていた雑魚MSを蹴散らしており、依頼人が「ナイトのお出ましというわけか」と皮肉を言ったのに対しての答えが「私の愛馬は凶暴です」だったんですね。冷静沈着な自信家というキャラのイメージがこれで固まり、ほぼブレることなく最後までそういうタイプとして描かれています。


 このとき、シャギアの双子の弟のオルバは、フリーのMS乗りとしてフリーデンへの潜入に成功しています。このため、オルバの方は初登場のときは明るくて気さくなキャラとして描かれています。兄と違って感情的なタイプになります。


 こいつら、双子といってもあまり似てはいないので二卵性という設定です。ただ、双子として生まれたことから兄弟の間では交感能力があって、テレパシーのように意志を通じ合うことができます。


 さらに、ニュータイプに近い感応力も持っているんですよ。ただ、未来予知の能力は無さそうに見えました。


 この「ニュータイプに近い」というところが、こいつらが歪んだ原因でして。能力的には近いのでニュータイプと期待されていたものの、本作におけるサイコミュにあたる「フラッシュシステム」を起動できなかったのですよ。


 そのため「カテゴリーF」と分類されたという。このFは「偽者(FAKE)」の意味だとネット情報にはありましたが、本編中でそう言われていたかどうかはおぼえておりません。


 本作においてもニュータイプというのは「人類の革新」で、これからの未来を作るものであるとされていました。


 その割にはニュータイプって地球だと実験動物っぽく兵器の材料として扱われていた感じがありますし、一方で宇宙革命軍の側ではスペースノイドは将来的には全部ニュータイプとなるという思想のもとで、その先駆者として偶像に祭り上げられていたりするんですが。


 ともかくも、ニュータイプというのが偶像として扱われている中で、その偽者扱いされたことがフロスト兄弟を徹底的に歪めてしまったという。


 こいつら、初登場時はフリーのMS乗りを装っていましたが、実は新地球連邦設立を目指す政府再建委員会のエージェントであり、政府再建委員会の命令で天然ニュータイプであるティファを狙っていました。


 この再建委員会の大物カートラルの懐刀として暗躍していましたが、実際は互いに軽蔑し合う関係だったようで、最後にはシャギアがカートラルを暗殺しています。


 新地球連邦再建後は、連邦軍総司令官ブラッドマンの腹心におさまって暗躍し、彼のために連邦首脳を暗殺したりしていましたが、最後はサテライトランチャーで当のブラッドマンまで暗殺するという。


 また、その途中で新連邦軍がニュータイプ候補として集めたパイロットをフリーデンと戦わせてニュータイプかどうか適性を判断するという仕事もやっていました。しかし、「ニュータイプの偽者」扱いされている彼らが真面目にそんな仕事をするはずもなく、実際にフラッシュシステムの起動に成功した者はフリーデンとの戦いからは生還したのに、彼らによって暗殺された上でフリーデンとの戦闘で戦死したことにされてしまいました。


 とにかく、こいつらはニュータイプへの恨みで凝り固まっております。一応「未来を作るのはニュータイプではなく自分たちカテゴリーFだ」みたいなことも言っていましたが、実際は未来を作るよりは「自分たちを認めなかった世界を滅ぼす」のが目的になっていたようです。


 それだから、新地球連邦と宇宙革命軍の戦争再開を望み、そのために行動していたんですね。その先に破滅しかないことを知って、それを望んでいたという。戦争賛成派にしてニュータイプ否定派のブラッドマンのために戦争反対派の連邦首脳を暗殺したのも、そのためだったという。


 だから「僕らが求めた戦争だ」なんですよ。


 行動原理がニュータイプとそれを信奉する世界への恨みなので、行動は首尾一貫してたりはするんですよね。その点で分かりにくさとか、納得できないという部分は無いんですよ。


 ただ、いかんせん「個人的な恨み」がベースなので、スケール感はムチャクチャ小さいんですよ。ライバルとしてのカッコ良さはあるんですが、ラスボスとしては正直言って貫目不足なんです。


 同じように人類滅亡を狙った『Vガン』のカガチに比べても、さらにスケール感は小さいという。


 おまけに、ラストのガロードとの最終戦闘の前に、月のサテライトシステムを制御する基地に隠された最重要機密施設「D・O・M・E(ドーム)」において、そこに遺伝子レベルに分解されて封印されていたファースト・ニュータイプによって、ニュータイプの秘密が明かされたのですが、これがフロスト兄弟の行動を全否定するものだったんですよ。


 それは、「ニュータイプが人類の革新というのは幻想に過ぎない」ということでした。確かに特殊能力はあるものの、別にそれが人類が進むべき道だというわけではないし、最終的に人類が全部ニュータイプになるわけでもない。単なる特殊な超能力者に過ぎないということだったのです。


 奇しくも、かつて宣言していた「未来を作るのはニュータイプではない」が当のニュータイプによって肯定されてしまったのですね。フロスト兄弟の怨念自体が宙に浮いてしまったという。


 ただ、フロスト兄弟はそれを聞いていませんでした。そして、当初の目的のままに両軍首脳を抹殺しようとし、サテライトランチャーによる抹殺には成功します。


 そこで、さらなる破壊を阻止しようとしたガロードのDXとの撃ち合いになったところで、サテライトシステムのコントロールをティファに奪われて、チャージ未了のままサテライトランチャーを撃ったものの、結局はDXと相打ちになって終わりました。


 ……と、ここで死んだとばかり思っていたのですが、ネット情報では最終回の戦後のシーンで彼らの後ろ姿が見られたと書いてあったんですね。負傷はしていたようですが、生き残ってはいたようです。リアルタイムで見てた時は気付かなかったなあ。


 ということで、ラスボスとしての貫目は無いなあと思っていたのですが、よく考えてみたら初代『ガンダム』でも実質ラスボスのギレンはアムロと関係ないところで死んでて、最終的に戦ったシャアも私怨で行動してたという意味ではフロスト兄弟と大差ないということに気付いてしまったり(笑)。まあ、シャアの方は最終的には私怨を超えようとしていましたけど、最後にキシリア殺してるしなあ(笑)。


 にしても、リアルタイムで見てたときは階級気にしてなかったんですけど、今回ネットで調べたらこいつら、大尉から少将まで駆け上がってるのね。少佐から大佐に出世したシャア以上とは。


 なお、声優はシャギアが森川智之で、それまでのシリーズでもちょいちょい脇役では出てましたが、メインキャラはこれが初めてです。それに対してオルバの方は佐々木望が演じていますが、こちらは『逆シャア』のハサウェイ役で有名ですね。


 ということで、フロスト兄弟についてはこんなものでしょうか。次回はフリーデンのメンバーについて語りたいと思います。そこでサブタイトルは、メインに語りたいジャミルのセリフが元の第37話のサブタイをいただきたいと思います。ということで、次回……。


「フリーデン発進せよ」

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