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第134話 機動戦士ガンダムZZ その5 ハマーンの黒い影編

 ZZ語りも5回目になってしまいました。前回届かなかったハマーン様に行きたいので、今回のサブタイトルはハマーン様の名前が出てる第18話のサブタイトルをそのままいただきました。


 ですが、順番としてハマーン様の前にグレミー・トトを語りましょう。ZZは路線変更の影響もあって、Zガンダムほどではないにせよ、意外にストーリーがわかりにくいのですよ。その主たる原因は、こいつです。


 エウーゴ(地球連邦)対ネオジオンというわかりやすい対立図式だったのが、こいつがネオジオン乗っ取りをもくろんでハマーン様に反旗を翻したので、終盤が三つ巴の抗争になるという。このあたり、前作Zガンダムで終盤にアクシズが介入して三つ巴になったのと同じ図式だったりします。


 ただ、こいつの場合、前半のコメディ編での描写があるもので、シリアス編になっても今ひとつ貫目に欠けるというイメージがあるんですよね。一方の旗頭としては力不足というか、迫力不足というか。


 リィナを誘拐して淑女教育をしてみたり、ルーに惚れたりとコメディ編での変な言動が後まで尾を引いてしまったと。実力はあるはずなのに、あんまりそういう風に見えないんですよ。


 結局、反乱は失敗に終わり、最後はそのルーに撃たれて死にました。


 さて、いよいよ最後に真打ち登場。ハマーン・カーン様です。声優は榊原良子。Zガンダムではマウアー・ファラオも当ててましたが、はまり役、当たり役はこちらでしょう。デビュー時の役が可憐けなげなフローレだったというのはゴッドマーズのときに書きました。それから五年。押しも押されもせぬ大迫力の堂々たるラスボス様を演じております。


 Zガンダムから引き続いての登場です。そして、この人については前半のコメディ編では出番はそれほど多くなく、またコメディ的な演出も無いため、ラスボスとしての威厳迫力は全然失われませんでした。


 とあるアニメ誌の評で「味方にすると寝首をかかれ、敵に回すと恐ろしい」とあったのが非常に印象に残っています。実際、そんな感じのお方です。


 ただ、それじゃあ実績はどうかというと、Zガンダムの最後で上手く立ち回って漁夫の利を得たところと、それでサイド3を接収してネオジオンを再興し地球に再侵攻したまではよかったものの、グレミーに反乱を許し、その隙を突かれるかたちで連邦に逆襲されるという。


 結局、最後はジュドーと一騎打ちをして半ば自殺のような形で敗死します。


 この人の動機って、ある意味、Zガンダムのラスボスだったシロッコ以上に謎だったりします。外見上はザビ家とジオン公国の再興を掲げており、事績もそれに沿っているのに、個人的な言動からは、大してそれを重要視していないように見えるという。


 個人的にはシャアに対する執着を見せたりするものの、それに代わる存在としてジュドーを意識するようになったようにも見えます。


 おそらく、ガンダム世界の女性パイロットとしては、ニュータイプ能力も含めたら最強の存在ではないかと思われます。強化なしの天然ニュータイプであり、初期型でカタログスペックは劣るキュベレイを駆りながら、最新型のクイン・マンサに乗ったプルツーより強敵感があるという。


 レプリカアッガイに乗ったときでも強かったので、やっぱり機体性能じゃなくて本人が強いんでしょう。


 これだけスペック高いのに、設定年齢二十一歳ですよ! ガンダム世界は総じてキャラクターの年齢が低いんですが、初代ガンダムのときのシャアが二十歳でブライトが十九歳、ハマーン様もZガンダムからZZにかけて二十一歳(死亡時はギリギリ二十二歳)って若すぎでしょう(笑)。シロッコも二十歳そこそこだった気がしたのですが、Wiki見てみたら二十六歳でした。いやまあ、ギレン三十五歳、キシリア二十四歳なんてのもありましたが(笑)。


 その若さによる詰めの甘さでグレミーの反乱を許してしまったとも考えられるのですが、ほかの有能さから考えると、いまひとつ納得できないんですよね。


 結局、ハマーン様にとって、地球圏征服も、ネオジオンやザビ家の再興も、大して意味のあることではなかったんじゃないかなとか思えたり。


 その有能さで作戦自体はうまく進んでいたのに、それに内心ではむなしさをおぼえてたんじゃなかろうかとか思えるのですよね。その心の隙間が、グレミーの反乱を予想していないがら、あえて悪手を打たせた(監視役として付けたオウギュスト・ギダンがグレミーに寝返るとか人選間違いも甚だしい)とか。


 漫画などではハマーン様の若い頃を描いた作品もあるようですが、そこらは読んでないので、アニメ本編から受けた印象ですけど、そんな気がするのですよ。


 さて、あとは玩具について語りましょう。プラモはそんなに買っていませんでしたが、弟が初期のズサやハンマ・ハンマを買っていましたね。あとキュベレイ。そういえば、後期のはガズアル/ガズエルをコンパチで作れるヤツとかリゲルグも買っていたような。


 ZZは非変形の1/144のプラモを買っていたほか、ハイコンプリートモデルを買っていました。これは完全変形して、プロポーションもなかなか良いという、名玩具だったと思います。


 そして、これまた大問題の主題歌。後期オープニングの「サイレント・ヴォイス」は名曲だと思います。番組名とかロボ名は入ってませんが、後期のシリアス編の主題歌としては似つかわしいかと。


 大問題なのは前期オープニング。その名も高き「アニメじゃない」ですよ(笑)。作詞は()()秋元康。聞いた人間の大半が「アニメじゃねーか!」とツッコんだのではないかと思われる怪作です(笑)。地上波の再放送では、一~二回の放送後にすぐ後期の『サイレント・ヴォイス』に差し替えられたことがあるという。


 ただ、これリアルタイムでは好きじゃなかったんですが、後になると味のある歌だなと思えるようになったんですね。何というか、当時のアニメオタクの屈折した心理を歌っているんじゃないかと思えまして。アニメが好きなんだけど、そう言うとまだバカにされる時代の中で、そうじゃないんだと叫ぶという。それで、実は一番屈折してたのが富野監督だったんじゃないかなとか思えたり(笑)。


 現代では、オタクが確固たる購買力を持って経済活動の一部に組み込まれて社会権を得てしまっています。まだワイドショーとかで偏見が残ってはいるものの、もはやアニメ好きと言ったところで、それほど変だとも思われなくなったという。だからこそ「リア充オタク」なんて、かつては排中概念だろうと思われていたものが止揚(しよう)されて現実に存在してしまうんですね。そんな現代では「アニメじゃない」に仮託された屈折した心理はわからないだろうなあとか思うのですよ。


 といったあたりで、ZZ語りは終わりにしたいと思います。次回は必然的に、もう一本の「続編」、『トランスフォーマー2010』……の前に、ちょっと変則的ですが『トランスフォーマー・ザ・ムービー』行ってみましょう!

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