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第107話 機動戦士Zガンダム その18 貴様の心も一緒に連れて行く編

 Zガンダム語りも18回目、脇役はすっ飛ばしてライバル系だけさらっと語って終わりにしたいところです。ということで、今回のサブタイトルはシロッコの最後のセリフからいただきました。


 まずは、歴代ガンダムでも最弱の部類に入るであろうライバル、ジェリド・メサです。とにかく、カミーユと戦うと負けまくります。しかしながら、死なないで再戦を挑めるしぶとさと根性()()は大したものです。


 また、なぜか女運にも恵まれていて、ベテラン女性パイロットのライラ・ミラ・ライラに目をかけられたり、ジャブローから脱出するときにマウアー・ファラオに助けられたりしています。どちらもジェリドにとって大きな影響を与えた女性で、特にマウアーとは恋人関係になってたようなのですが、どっちもカミーユに殺されるという。また、親友のカクリコンも直接的ではないにせよカミーユのせいで死んでます。


 その一方で、ジェリドの方でもカミーユの母親を殺したり、フォウを殺したりと、カミーユの大事な人を結構殺しているという。アポリーも殺してるなあ。


 とまあ、お互いに相手の恋人だの親友だの先輩だのを殺し合ってるという、そういう意味ではライバルなんですよねえ。


 ただ、結局のところ実力は全然及ばないままで終わり、最後も直接的にカミーユに撃墜されるのではなく、ラーディッシュの爆沈に巻き込まれるという冴えない死に方でした。


 なお、ライラについては、当初はもっと長く出る予定のキャラだったのに、キャラデザが気に入らなかった富野監督が早期に殺すことを指示したとのこと。ところが実際の作中では非常に味のあるキャラになったことから、富野監督は抹殺指令を後悔したということが、リアルタイム当時のインタビューで書かれていました。実際、作中でも出番が少ない割には印象に残っています。


 それに対して、マウアーの方は美人なんですが大して印象が残ってないんですよね。何でジェリドに惚れたのかも今ひとつわからないという。声優は、ハマーン様と兼任で榊原良子なんですけどねえ。


 お次にライバルと目されるのは、ヤザン・ゲーブル。すでにギャプランとハンブラビの所で書いていますが、結構な実力者です。オールドタイプとしては最強に近いパイロットでしょう。本人自身が凄腕なだけでなく、部下を連れての編隊戦闘指揮にも練達しています。


 ただ、性格は凶暴かつ凶悪。味方だろうと気にくわないヤツは排除にかかります。実際にエマを誘導してジャマイカンの居るアレキサンドリアのブリッジを狙撃させて殺害に成功するなど、敵を利用して狡猾に味方を排除する知能もあります。単に粗暴なだけの男ではありません。部下に対しての面倒見はよく、意外に人望もあります。また、自分を厚遇してくれたシロッコには心服していたようです。


 男性ライバルの中で、こいつだけ女性キャラが影も形もないというところが何気に好印象だったり(笑)。


 Zガンダムではカミーユにハンブラビを破壊されますが、脱出に成功し、ZZにも登場します。ただ、ZZでは完全にギャグキャラ落ちしており、ハンドメイドのMSでZZに挑んだりして、結局ボコボコにされてフェードアウトしていますが、死んではいないようです。


 ZガンダムのときとZZのときで、全然キャラが違ってしまったという。似たような例としては『キカイダー』のときはカッコ良かったハカイダーが『キカイダー01』ではすっかり情けないギル・ハカイダーになってしまったことがあるほか、『トランスフォーマー2010』のときと『トランスフォーマー・ザ・ヘッドマスターズ』のときで全然性格が変わってしまったサイクロナスという類似例もいます。


 そして、ライバルの最後は、ラスボスのパプテマス・シロッコ。「木星帰りの男」でニュータイプです。ガンダムのシャリア・ブルも木星帰りだったり、ハマーン・カーンも木星帰りであることから、木星には何かニュータイプに目覚めさせる何かがあるのかもしれません……モノリスとか(笑)。


 ニュータイプとしての能力も高く、パイロットとしても凄腕。さらに自分でMSを設計するという完璧超人です……MSのデザインセンスについては、多少難があるような気もしますが(笑)。


 なおかつ、女性の扱いも手慣れたもので、サラを心服させたり、レコアを敵から勧誘して寝返らせたりしています。


 さて、そのサラ・ザビアロフ。ピンク髪という、フォウと並んで変な髪色をしているのですが、昨今そういう髪色で出歩いてる人をリアルで見かけるようなご時世になってしまったので、今更どうこう言うのは野暮でしょう(笑)。シロッコに惚れてるはずの割には、カツにアプローチをかけられてよろめいてる感がありました。カミーユの説得に対しては拒絶してましたけど、その割に最終決戦の霊体としても出てきます。もっとも、唯一シロッコを守ろうとしたんですが、これまたカツの霊に諭されてやめるという中途半端な感が何とも……。ちなみに、サラを戦死させたのは、ほかならぬカツ本人だったりします。この煮え切らない感じは、男性キャラだったら散々にボコられたんじゃないかとか思ったり(笑)。


 煮え切らないというと、レコア・ロンドも同じだったりします。この人の場合、最初にシャアに惚れちゃったのが運の尽き。モテそうな割には女性の扱いが下手なシャア(本人にも自覚はあるらしく、軍人としてしか能が無いので嫁さんが貰えん、といった主旨の自虐ジョークを作中でかましています)に失望して、女性扱いの上手いシロッコに乗り換えてティターンズに寝返ります。ただ、その割にはあとあとまでエウーゴのメンバーを気にしてたりもします。


 この人、作中序盤でジャブローを探るために潜入するんですが、そこで捕虜になってしまったんですよね。そのときのセリフに「辱めを受けて」ってのがありまして、酷い目にあったということが暗示されております。


 それもシャアのためだったというのに、肝心のシャアの態度がねえ……。信念で陣営を変えたエマと対照的に、情念で陣営を変えた人なんですが、それもやむをえないんじゃないか、と思わせるくらいには酷い目にあってます。


 この二人を従えて、ジ・OをサポートするMSであるボリノーク・サマーンとパラス・アテネにそれぞれ配置するのですが、ぶっちゃけ二人ともパイロットとして、それほど技量があるわけでもないという(笑)。案の定、最終決戦では先に二人が落とされてしまい、結局ジ・Oは単機で戦うハメになってしまいました。まあ、サラは一応シロッコをかばって死んでいるので、まだマシなのですが、レコアはエマとの一騎打ちで、明らかに性能が下のスーパーガンダムに負けてるんだよなあ。


 さて、シロッコに話を戻すと、最終的にはバスクやジャミトフを排除してティターンズを乗っ取ることに成功するものの、戦術的にはコロニーレーザーを奪われてティターンズの主戦力に照射されてその大半を失い、自身もカミーユによって殺されます。ただ、TV版ではその際にカミーユも道連れにして精神崩壊に追い込みます。劇場版では、そこが改変されているので、単に死ぬだけです。シロッコの死と共にティターンズは崩壊し、Zガンダムの主要対立軸だったティターンズとエウーゴの戦いは終結します。


 こいつ、ライバルキャラとしては実力があってカッコ良く、文句の付け所がないのですが、じゃあラスボスとしてどうかというと、何がやりたかったのかサッパリわからないのですよ。


 ギレンについては前に書きましたが、地球圏の独裁支配による人類救済という目的がありました。それに対して、シロッコがティターンズを乗っ取り、地球連邦の主導権を握って何をしたかったのか、明確ではないんです。一応「これからは女性が支配すべきだ」みたいなことは言ってたのですが、非常に抽象的で何がやりたいのか今ひとつわかりません。


 どうも、このあたりの不分明さも、Zガンダムのワケのわからなさや、作品全般を通して感じる「すっきりしない」感につながっているのかなあとか思ったりします。


 なお、ハマーン様もライバルではあるのですが、この人についてはZZの方で詳しく語りたいので、今回はオミットさせてください。


 さて、あとは残りのキャラを適当にさらってキャラ編は終わりにしたいと思います。


 君は、(33年)の涙を見る。

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