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1 プロローグ

昔...ある村が魔族の襲撃により、村は焼け人々は死んだという。


しかし、その村の一番若い娘だけは運良く助かったのだとか...。


*********************************************

「ったく、まだ着かないの?」

声が苛立ちの色に染まる。1人の若い女は暗い馬車の中で騒いだ。もちろん自分のことではない。そんなばかなことはしない。

「うっせぇな〜、姉ちゃん。黙ってろよ少しくらい」

すると若い女に若い男が反応して小さく怒った。

「っち」

若い女は軽く舌打ちをして男を睨みつけると、嵐が過ぎ去った綺麗な空を見つめていた。


「ねぇ、そこのあんた」

若い女は馬車の外を見つめたまま誰かに問う。

「あんただよ」

「私?」

私は人相の悪さに戸惑いながら答える。

「どこから来たんだい?」

「マ...マーシニア地方からですが」

馬車が走っているのは私の故郷、マーシニアから100km近く離れた場所、ユランである。17歳になる今年、国の法律により成人したのだ。

「へぇ、マーシニアかい。ずいぶん遠いねぇ。うちの親戚にもマーシニアにするんでるやつ、いたよ。でも、魔族の襲撃で死んじまってね。...ハハ!悪いな、暗い話しちまって」

「いえ...その襲撃で私の家族も亡くなりましたから...」

女は「え?」と一瞬顔を歪ませた。が、すぐに不愛想な顔に戻る。

「あんた、名前は?うちはアレン・メリチェット」

「マリィ・シーママシューです」

「ふぅん、マリィね。あ、アレンでいいから」

アレンは勝手に決めると決まり良さそうに笑った。その時初めて、印象が良くなった気がした。

「ユランには何の用だい?」

「その...光輝になりたくて」

光輝...それは王宮騎士団の名前。光輝にはいくつかの難関があり、入るのは極少数で1人もいない年もあったのだとか。アンラビアン王国の首都、ユランにそびえるアランビアン王宮についている。

私の場合、そこらの騎士専門高校すら出ていない。強いて言うならば元地方騎士だった兄に生前教えてもらったくらいだ。

地方騎士といえど、すごく強かった兄は魔族への反撃にリーダーとして出て行った。戻ることもなく、死んだことを告げられただけだった。

必ず帰ってくると言った兄の言葉は頭の中で何度も繰り返し流れる。そして、薄れ、消えていく。


「光輝か。あそこ相当、難しいらしいぞ。腕には自信があるんだなあんたは」

アレンは軽く鼻で笑い、馬車の窓に頬杖をついた。

「そんなことないです。高校すら出てないんですから」

「光輝は、きっとあんたを選ぶ。技術は知らんが、目に熱い炎が灯ってる。そんな奴、光輝が見逃すわけがないさ」

アレンが笑うなり、雲の隙間から光が差し込む。久しぶりに感じる自然の光に温もりを感じた。


『光輝 新騎士募集の知らせ...』

街には至る所に光輝の新しい騎士を募集するという張り紙があった。私はそれを見るたびに胸を弾ませスキップで目的地へ向かった。

「ここが...新しい我が家ね!」

太陽の光を煌々と浴びて屋根がキラリと光った。

太陽のように明るい橙の屋根。カントリーな感じが暖かく、どこか懐かしさを感じるレンガの壁。窓は一つだけステンドグラスでまるで教会のような華やかさと神秘さがある。

今年成人したばかりの無職の私にはもったいないくらいのいい物件である。家賃はなんと、初月は無料。2ヶ月目から銀貨たったの2枚!(銅貨1枚=100円 銀貨=1000円 金貨=1万円 1マリス=1円)通貨は2種類ある。銅貨などの通貨はいわゆる大きいお金でお札のようなもの。マリスは1円単位だから流通していて他国共通である。

そんな激安物件は、簡単には見つからなかった。探したかいがあったというものだ。

「あら、もしかしてマリィちゃんかしら?」

太陽の光を集めたステンドグラスの下にある中央の入り口から50代くらいのおばさんが出てきた。私はその顔を知っている。このアパートの大家だ。物件を探している時にたまたま出会って激安で貸してくれたというわけだ。すごく優しくて気さくで話しやすい人である。

「そうです。シャルおばさん、この前はお世話になりました」

「いいんだよ。ほら入んな」

シャルおばさんの名前はマーシャル・リドネット。シャルおばさんって呼ばれてるみたいだから私もそう呼んでるんだ。

マーシャルが開けたアパートのドアを私がドアノブを受け取り、中に入る。

窓から夕日が差し込んでいてとても幻想的だった。

廊下には左右に4つずつ扉がある。一番奥は大家さんの家なんだって。2階には7つ扉がある。大家さんの真上がない。2階建てになってるんだって。

「ここが私の部屋ですか?」

2階の階段から一番近い扉の前でマーシャルは止まった。マーシャルはゆっくり頷くと私の手を取り何かを握らせた。ゴツゴツした感触で少し痛い。

「鍵...ですか。ありがとうございます」

マーシャルは「いいんだよ」と優しく微笑み1階に降りた。


ボフ!

入って突き当りの部屋にベッドがポツンと1つだけある。マーシャルの好意で置いてくれたんだろう。

そのベッドに荷物からとき放たれた私は飛び込んだ。

「気持ちぃ!」

って、こら私。整理しなきゃ。明日は私のお小遣いで家具でも買いに行こう。

なんてやってるうちに気づけば寝ていた。


ピチピチ...。

目覚ましをかけずに寝たのはいつぶりだろうか。馬車の中でさえかけていたのに、昨日はうっかり寝てしまったな。

コンコン。

ドアがノックされる。

「はい!」

「マーシャルだよ。朝ごはんができたからおいで」

「え!いいんですか?」

「いいよ、それくらい。まだ来て間もないんだから冷蔵庫も食材もないだろう?」

「あ...はい。それじゃあお言葉に甘えて」

マーシャルの優しい言葉が胸に染みた。魔族の襲撃から誰かと食事なんてなかったもん。心があったかくなった気がした。

これから私の物語が始まるんだ。

新しい街で。新しい人と!

現役中学生なので次の連載は未定です!

他のサイトでも別の小説投稿もしてます。


文章力のなさ・誤字・脱字はすみません。

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