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終章
ばたん。
廃墟となった休憩所に、扉の閉まる音が大きく響いた。
【彼】は大きな耳を完全に閉じた鉄へ近づける。
がごん、ががん。鈍い音がした。
つんざくような女の悲鳴も聞こえた。
もうすぐ地下室に到着するだろう。
くすくす笑って【彼】は鉄扉の上に元通り、荷物を置いた。
埃がついてしまった手を払って、スキップをしながら城を出る。
ああ、今日も良い夜だった。
みぃんな、最高のゲスト!アトラクションは大反響だ。
大きな耳と尻尾をふりふり揺らせて、【彼】は変わることの無い微笑みで城を振り替える。
それは、裏野ドリームランドのマスコットの顔だった。
『うふふ、次はどんなお客様を招待しようかな?』
とても楽しそうに【彼】は笑いながら、ゆったりと園内を歩く。
まるでそれを喜ぶように、メリーゴーランドは明かりを灯してくるくる回る。
その光を背に受けながら、【彼】は園内の闇の中へと消えていった。
『ようこそ、お客様!裏野ドリームランド特別開園にご案内いたします!
是非いらしてくださいね!!
とっておきの恐怖で、みなさまをお待ちしています!!』