エピローグ
俺は死んだのだろうか?身体が重くて、動かない。このまま、俺は彼とあの子が歩む未来を見ずに死んでしまうのだろうか?
あの子を救うことはできないのだろうか?このまま、彼を狂気に囚われさせてしまうのだろうか?
そんな時、俺の視界を光が覆う。その光はとても暖かい。温もりを感じる。
すると、あどけなさが残る少女が視界に入る。その少女には見覚えのある青い髪と青い目をしていた。そして、その少女は視界に誰かを見つけたようで、その人影に駆け寄っていく。
『おとーさん』
その少女が笑うと、その人物も笑う。
『いい子で待っていたか?』
『うん。 ね、いいこにしてた。おじいちゃんとおばあちゃんとおるすばんしてた』
少女がそう言うと、彼は少女を優しく撫でる。
『偉いな。流石、俺の娘だ』
『それを言うなら、俺達の娘、です。私を忘れられては困ります』
彼の横にはその少女とお揃いの女性がいた。彼女の腕には赤ん坊が抱かれている。
『はいはい。流石、俺達の自慢の娘だ。それでいいのか?』
『それでいいのです。 、この子は貴女の弟です。貴女はお姉さんになります。立派なお姉さんにならなければいけません』
彼女はその少女に見えるようにしゃがむ。すると、その赤ん坊はその少女のことを理解しているのか、きゃっきゃと笑う。
『 のおとうと。 、りっぱなおねえさんになる』
『それは頼もしいな。今日はお祝いをするか』
彼はその少女の右手を、彼女は少女の左手を繋ぐ。そして、彼らの姿が遠のく。
「こんな未来もあるんだ」
あの子と彼が幸せになれる未来が………。あの悲惨な未来は必ずと言うものではないと言うことだ。
「―――ル、アル、大丈夫ですか?」
俺は意識を取り戻すと、あの子の姿があった。
「あ、うん」
俺はあの後、どうしたんだったっけ?あの魔法を使った後、俺は力を使いはたして、倒れたはずだ。俺が倒れたのなら、自力で目を覚ますことはできない。それなら、どうして、俺は意識を取り戻した。周りを見ると、黒犬が魔法陣に剣を突き刺したまま、気絶している。どうやら、彼がとっさにあの魔法を展開し、気絶しながらも、持続し続けてくれたようだ。そのお陰で、俺は死ななかった。
彼に感謝の念を抱くと共に、それを可能とする彼の能力には脅威を感じる。
間違いなく、いろいろな意味で、彼はこの世界を変える魔法使いになる。彼が道を外すようなことはあってはならない。その為には、幸せを呼ぶ鳥を死なせるわけにはいかない。
「………俺、黒犬と君の夢を見たよ。黒犬と君の子供を見たよ。とても可愛かった」
赤ん坊の方は分からなかったけど、あの少女は青い鳥に似て可愛かった。
「………彼と私の子供。やはり、私は彼と結ばれるのですか」
彼は私の運命の人です、と彼女は驚きつつも、嬉しそうに言う。
「それを聞けて良かったです。彼の子供を残せるのなら、心残りはありません」
安心して、逝くことができます、と彼女は言う。
「貴方が生きているのなら、一安心です。助けを呼んで来ます。彼を見ていて下さい」
彼女はそう言って、その場から居なくなってしまう。
彼女は誤解している。あの夢に出てきた彼女と黒犬は20代後半くらいである。そして、あの少女は3,4歳くらいだったので、少なくとも、あの少女を産まれるのは彼女が20代前半の頃だ。彼女と黒犬が結ばれるには後数年かかるだろう。
つまり、彼女と黒犬が結ばれるにはあと数年生きなければならない。それは彼女が抱える爆弾から解放された未来を意味している。
俺は黒犬を見る。どの選択を選ぶかは彼次第だ。それなら、俺は預言者として、彼に道を示そう。それが俺のできるたった一つのことだから。
***
―………―
「やあ、黒犬。調子はどう?」
俺が意識を取り戻すと、アルとシロちゃんのどアップのツーショットの光景が広がる。
「今、心臓が止まりかけたがな」
アルはとにかく、シロちゃんは心臓に悪い。できることなら、ひっこめてくれ。
「死んでないから、大丈夫だね」
アルはそんなことを言ってくる。死んでなければ、俺の心理状態がどうであれ、いいのか?
そんなことを思った瞬間、俺はパッと起き出す。周りを見回すと、俺の部屋である。
確か、俺は森で、襲撃者と戦った。そして、あの魔法を使って、意識が飛んだ。アルが生きているのだから、魔法は成功したのだろう。だが、その後、どうなった?
「あの男は何処に行った?」
異形の力を持つ謎の人物。彼は何処にいる?
「あの後、姿を消したみたい。青い鳥達が手分けして捜索しているみたいだけど、見つからないんだって。多分、もうここら辺にはいないかもしれないって」
どうして、途中で消えたかは分からない。青い鳥や俺、アルが気絶していたのなら、その時、青い鳥を連れ去ればよかった。それができなかった事情でもあったのだろうか?
「それより、あんたは身体大丈夫なのか?」
彼が何を使ったのか知らないが、身体に負担がかかるものだったのではないだろうか?
「ん?俺?黒犬のお陰で、皮一枚で、天に召されなかったよ。上層部も胸を撫で下ろしているだろうね」
彼はニコニコと言う。上層部なんてどうでもいい。アルが生きていて良かった。
「聖焔が俺のしでかしたことに気づいて、そろそろお迎えを寄こすだろうし、何よりも、あの子が帰ってくる前に、俺の用を済ませちゃおうとしようかな」
アルは姿勢を正して、真剣な眼差しを向ける。
「時の預言者の名の下に告げる。近い将来、君は幸せを呼ぶ鳥を失い、世界を破滅に導くことだろう」
その言葉の意味を理解できなかった。幸せを呼ぶ鳥を失う?国を破滅に導く?俺が?
「これは本当だよ。俺は“時”を司る者。俺は未来に起きることを知ることが仕事。そう言う意味では俺の仕事場はベッド」
彼の言葉には納得できる。彼が睡眠を取ると言うことは、未来とアクセスすることと同義なのかもしれない。だから、彼は夢を視なければならない。そう、例え、かなりの年月、眠ることになろうとも。
彼が常識知らずとしても仕方がない。彼の青春のほとんど寝て過ごしたのだから。それを思うと、それを強要している教会の人間に怒りが沸く。
どうして、彼がそんな目に遭わなくてはいけないのか?
「そんな怖い顔をしないで欲しいな。俺は俺で、この仕事や能力を感謝しているところもあるんだから。この力がなければ、あの子を守れなかっただろうし、君と出会うことができなかった。全ていいことばかりじゃないけど、悪いことでもない。この能力で幸せになってくれる人がいるのなら、俺はそれだけで幸せなんだ」
俺は生きているだけで幸せなんだ、と彼は言う。
生きていて、幸せ。果たして、そう言える人は何人いるだろうか?俺には分からない。俺は彼のような聖職者になれない。自分が犠牲になって、幸せだと思えない。
「別に、君に理解されようとは思わない。俺と君は交わることなんてあるはずがない。君が光だったら、俺は影。お互い、理解しなくてもいい。でも、こんな生き方もあるんだと思ってくれると嬉しいな」
彼はそう言って、笑いかける。そう言う彼は眩しい。ここまで自分の人生を満足している人はいるだろうか?俺も彼のように自分の人生を満足できる日が来るだろうか?
「本来、君が世界を混沌に導くのなら、聖焔にこのことを伝え、君を暗殺する方法もあった」
この国の先代のようにね、と彼は寂しそうに言う。もしかして、彼はあの時、先代が戦争をして、世界が混沌となる未来を視たのかもしれない。だからこそ聖焔は手を打った。
「だけど、君はこの国とって、重要な魔法使いになる可能性もある。破滅と繁栄は表裏一体だから。君が繁栄に導く未来もあると思う。それに、俺が視たもう一つの未来には君とあの子が笑い合っていた。だから、俺は君に賭けたい。君なら、世界を繁栄に導いてくれると。そして、あの子に幸せを運んでくれると」
彼はそう言って、首から何かを取り外し、俺の手に持たせる。
「君があの子の白馬の王子になってくれるって」
俺は彼に渡されたものを見ると、小さな筒が付いたネックレスである。その筒の上には翼を広げている鳥が乗っている。
「………これは?」
「あの子のお母さんから預かったもの。あの子の白馬の皇子に渡すように、てね」
「青い鳥の母親?あんた、青い鳥の両親を知っているのか?」
彼は青い鳥の母親を知っている。なら、青い鳥の父親も知っている?
「うん。俺は彼らに育てられたから。彼らがいなければ、俺は死んでいた。彼らには感謝してもしきれない」
彼の言葉が本当なら、青い鳥と彼は義兄妹となる。青い鳥がそれを知ったら、喜ぶだろう。
「なら、何で、あんたは青い鳥に自分が義兄だと言わないんだ!?わざわざ、十年前、初対面の振りして会ったんだ?」
彼は紅蓮さんの義兄とは違い、青い鳥のことを想っているのは分かる。なのに、何故、十年前や今、その事実を青い鳥に言わない?
「俺だって、あの子を抱きたいし、いろいろなことを話したい。だけど、あの子には言えない。あの子は俺のことは勿論、両親のことも覚えていない。あの子の父親がそう封印したから」
それには絶句するしかなかった。何で、青い鳥の記憶を封印する必要がある?
「幼いあの子にはあの出来事は耐えられるはずがない。だから、彼はあの子の記憶を全て封印して、施設に預けた」
結局、教会にあの子の居場所がばれてしまったけど、と彼は言う。
あいつや彼がどんな目に遭ったか知らない。だけど、あいつは両親に見捨てられたから、施設に入れられたわけではない。そうせざるを得なかったから。
あいつは両親に愛されていた。その事実だけでも知れただけでも良かった。もしかしたら、あいつはそれに気づいていたのかもしれない。
あいつは俺や彼らが思っているほど柔じゃない。
昔のあいつには耐えられなくとも、今のあいつなら全ての事実を受け入れることができるだろう。
だけど、それは俺が出しゃばる問題ではない。あいつと、彼らで解決する問題だ。
「話を戻すと、あの子のお母さんは“変異”を持つモノと呼ばれる一族の出なんだ」
“変異”を持つモノ。前に、黒龍さんが言っていた一族。どんな環境でも生きていくことに特化した一族。
「恐らく、あの襲撃者も彼女と同じ一族だと思う。その組織があの子の存在を知り、回収しようとしている」
どうして、彼女の一族の人間がその組織にいるか分からないけど、とアルは言う。あの襲撃者があいつの血縁者?
「俺も詳しいことは知らない。ただ、あの子のお母さんはその組織から命からがら、そこから逃げ出して、あの子のお父さんと一緒になった。そして、あの子が生まれた。その組織が彼女とあの子の存在を知って、連れ戻そうとした」
その言葉に、怒りしか沸いて来ない。その組織はどんな理由にしろ、あいつの大切な時間を奪ったことに変わりはないのだから。
「“変異”を持つモノは短命と決まっているらしい。あの子のお母さんは25歳まで生きたけど、それでも一族では長く生きた方だそうだよ。青い鳥の寿命がどれくらい残されているか分からない。だけど、そう長くは生きれないと言われている」
「………え?」
青い鳥の寿命が僅か?そんな馬鹿なことがあってたまるか。
「だけど、さっき言ったよね。俺はもう一つの未来を視たって。その未来の君達には二人の子供がいた。年齢からしたら、20代後半だったかな」
もう一つの未来では俺とあいつが一緒になる?俺はあいつの手から逃れなかったというのか?未来の俺、あいつの魔の手から頑張って逃げないんだ!!いや、見るところはそこじゃない。俺と青い鳥が結婚するのはこの際どうでもいい。20代後半のあいつが存在する。かつ、子供が存在している。
それはつまり………。
「これは推測だけど、君達は何らかの方法で、その呪縛から解き放つんだと思う」
そうでなければ、そこまで長生きできないと思う、と彼は言う。
俺とあいつが一緒にいられる未来も存在する。それなら、その一欠けらの希望に向かって進めばいい。
「俺が教えられるのはこれだけ。これ以上詳しいことを知りたいのなら、彼に逢うしかない。あの子のお父さんに」
彼はそう言うが、あいつの父親が何処にいるか分からなければ、会いたくても会えない。
「彼はそう離れたところにいない。彼は彼で、娘のことを遠くで見守っているよ。ここにいる時も、そして、コンビクトにいた時も」
彼はそう言って、笑いかける。
「あの子のお父さんはコンビクトにいる」
あいつの父親がコンビクトにいる。もしかして、あいつの父親と言うのは……。
「それは会ってからのお楽しみ。俺は俺で、タイムオーバー。お迎えの時間みたいだ」
彼はドアの方を見て、
「鏡の中の支配者、そろそろ入ってきたらどう?」
そう言うと、いつか見た金髪の青年が入ってくる。彼が来るの妥当だろう。お迎えに来れる人材は彼くらいしかいないのだから。
「………アルちゃんの為に、待っていてあげたと言うのに、邪険に扱うのはどうかと思いますが?」
「その心遣いは感謝するよ。だけど、人の話を隠れて聞くのはあまりいい趣味とは言えないと思うけど?」
彼はそう言うと、鏡の中の支配者は悪びれた様子も見せず、
「それなら、防音魔法でも掛けるべきだったと思いますよ?」
そんなことを言う。
「その通りだね。なら、俺は大声で君の恥ずかしエピソードを話そうとするかな?君、奥さんにかなり尻にひかれているみたいだね?この前なんて………」
「ストップ、ストップ。………分かりました。これはお兄さんの胸に仕舞っておけばいいんでしょう?」
「そう言うこと。人には人の知られたくないモノと言うものが存在するものだよ」
ね、と彼は俺に同意を求める。鏡の中の支配者が弱みを握られていると言うことは俺も握られている可能性はある。何たって、彼は一部とはいえ、俺の過去を視ている。
「青ざめた顔しなくても大丈夫だよ。黒犬の過去はあそこの部分しか見ていないから。俺は仕事上、執行者の過去を見ることがあるんだ。その時、見なくてもいい部分も見ちゃうんだよ」
俺って、知的好奇心が強いから、と彼は笑う。執行者は全て、アルに弱みを握られていると考えていいだろう。それを入れても、執行者になりたいとは思えない。
「君のお陰でお兄さんいい迷惑ですよ。今日、仕事が終わったから、お兄さんの愛しい ちゃんと我が子に逢いに行こうとしたら、セラさんにアルちゃんの送迎を頼まれるのですから。そう言えば、エクちゃんとカニスくんもいるようですね。エクちゃんに会ったら、カニスくんを連れて帰ってくるように、とセラさんが言っていたと伝えておいて貰えますか?」
鏡の中の支配者は思い出したかのように、俺にそう言ってくる。断罪天使はとことん外れくじを引くことが多い。ご愁傷様。
「あの子や君の家族によろしく伝えておいてくれると嬉しいな。じゃあ、また君に会えることを待っているよ」
アルはそう言って、鏡の中の支配者のところに寄る。すると、鏡の中の支配者は空間魔法を展開して、この場から姿を消す。
「………アルと鏡の中の支配者がいたと思ったのですが?」
彼らが消えた後、青い鳥が姿を現す。
「彼らなら、今さっき、帰って行ったぞ。アルがお前によろしくだと」
「………そうですか。出来ることなら、直接別れの言葉を言いたかったのですが」
こいつは残念そうに言う。
「……そうか。それで、あの忍者は見つかったのか?」
「いいえ。見つかりませんでした。もうこの近辺にはいないと思います」
彼には訊きたいことがあったので、残念です、とこいつは言う。
「そうだな。断罪天使とカニスは一緒じゃないのか?」
「彼らですか?下で寛いでいます」
犬退治も結構大変だったそうですから、とこいつは言う。あの黒い犬もただの犬と言うわけではないだろう。あそこの一族は犬を使役する一族なのだろうか?
「なら、鏡の中の支配者からの伝言だ。カニスを連れて帰ってくるようにって、聖焔が言っていたと伝えてくれ」
「カニスを連れて帰宅命令とは急ですね。確かに、あの忍者さんがどこに潜んでいるかわからない状況で、カニスを置いておきたくない気持ちはわかりますが」
青い鳥はそう言うが俺の読みが当たっていれば、そう言った意味合いもあるだろうが、執行者のトップとしてではなく、彼自身の思惑もあるだろう。
「そうだな。まあ、それより、俺は疲れた。少し眠る。夕飯の時に起こしてくれ」
「分かりました。夕飯は私が腕を振るいます」
こいつはそんなことを言ってくる。こいつの料理はお袋が手を抜いた料理よりは美味しいので、期待していいだろう。
「楽しみにしている」
「楽しみにしてください」
こいつはそう言って、部屋を出ようとする。
「青い鳥」
俺は思わずそう呼びとめると、
「何ですか?夕飯のリクエストですか?」
こいつはそう言ってくる。そう言うが、それほどこいつはデパートリーを持っていない。
「リクエストではない」
「それではなんですか?」
こいつは不思議そうに俺を見る。これだけは今訊いておきたい。
「お前は俺とこの先、一緒にいてくれるか?」
俺がそう言うと、こいつは意表をつかれたような表情をする。
「………プロポーズなら、受け取ります」
「プロポーズでも何でもいい。俺と一緒にいてくれると約束してくれるか?」
俺の予想が正しければ、これは頷かない。いや、頷けない。
「………一緒ですか?トイレにいる時とかもですか?」
トイレも一緒だと大変です、とこいつははぐらかす。疑心が確信に変わる。
こいつはやはり気付いている。自分の命が残り短いと言うことを。
「そうだな」
俺はそれだけ言う。
「………そうです。プロポーズをしてくれたのですから、子供を産もうと言うことですね?さっそく、今日の夜から子作りをします」
「突拍子もないことを言うな!!そんなことしに来たら、蹴っ飛ばすからな」
そんなことを誰が許すか。
「ムウ。貴方は酷い人です」
「酷い人で悪かったな。まあ、20歳すぎて、俺がお前に付き合えるほど我慢強かったら、その時、改めて約束してもいい」
俺がそう言うと、こいつは驚いた表情を見せる。だが、すぐに、悲しそうな様子を浮かべる。
「では、私は断罪天使達に伝えてきます」
あいつはそう言って、俺の部屋を出る。
俺はお前を諦めたくないし、俺やお前が愛するこの国を滅ぼしたくない。だからこそ、時の預言者が残した小さな希望にすがりたい。
時の預言者が自分の命をすり減らしてでも繋げた希望を俺は無駄にしたくない。その希望を手にして、俺はお前に幸せと希望を運ぶ。
お前が生への希望を失って欲しくないから。
お前の夢を諦めて欲しくないから。
体調が良くなったら、コンビクトに行こう。
それがお前の為になるだったら、俺は何処にでも行こう。
絶対、俺はお前を死なせないから、これまで通り一緒にいて欲しい。
それが俺の幸せだから。
だから、もし時の預言者が視た未来になったら、幸せを求める人達の為に世界中を旅しよう。
お前が望んでいた世界旅行に………。
時の預言者が視た未来、俺とあいつ、そして、俺達の子供たちが幸せでいる未来になるように、今を生きようと思う。
幸せを運ぶ鳥がこの先もたくさんの人達に幸せを運べるように。
FIN……
これで、青い鳥と時の預言者は終わりになります。青い鳥と背徳の賢者に続きます。
青い鳥と背徳の賢者は教会が誇る化け物集団を束ねるトップ、聖焔をスポットに当てていきます。物語の核心に迫って行こうと思います。よかったら、次回もお付き合いお願いします。




