彼にはハーレムという言葉は似合わない。
いつの間に気を失ったのか、オレは馬小屋のような所にいた。
まず、はじめにやることと言えば。
\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
.........
やっぱり友達がいないと面白くない。
よし、今回の目的は姉である学雪江にぎゃふんと言わせることだ。
目的のためなら手段を選ばない、それが忍者でござる。
よし、一応自分のスキルの確認から始めるか
イケメン化発動。トゥトゥーっと脳内BGMが流れる。
「拙者、変身!!」
......
......
......鏡が無いから、発動しているかわかんねぇ
ペタペタと自分の顔を触ってみる。
ぽよん、ぷちゃっ、プユプユ、べちょ
あ、オレ、スライムだったわ。
「次にいってみよう!!」
女性耐性発動.........女性いないので意味がない。
「次にいってみよう!!!」
粘着付与発動!!、ってどう発動するんだ?
とりあえず、オレをネバネバにしてくれーーーーーー!!!と念じてみる、出来ない。
おらにみんなのネバネバ分けてくれ!!と叫んでみる、出来ない。
ふっ、服部半蔵が命じる、オレをネバネバにしろ!!と例のポーズ付きでやってみる、で・き・な・い。
ならば、
「パルス!!!」
何もおきないし、空島も落ちない。
..................これ、クソゲーじゃね?
何かどす黒い感情が自分の中に迸った。もういいや、気分転換に外に出よう。
ううんしょ、ひゅん、ううんしょ、ぴょよ~ん。
なんか、引っ張られるなあ......、というよりもなんか進めば体が伸びてるだけで元に戻ってる。
あれ、くっつくことが出来てる?
「それよりも、動けない!!」
地面に固定されているのか何かは知らないが、動こうと必死に動こうと頑張ってみたが
ううんしょ、ぴゅ~ん、ううんしょ、ぼよよ~ん。
それでも、スラは抜けません。
うんとこしょ、どっこいしょって、スキルを切ればいいんじゃまいか!
どうやって、スキルを切ればいいんだ?
スキル切れろっと念じてみたらあら不思議、簡単に切れてしまいました。
「うっしゃー!!」
喜びのあまりに大声出しちまったぜー
「よろしいですか、はい。」
そんなことをしていると後ろから声がかかってきた、なに!!
「俺の後ろに立つんじゃねー、思わず殺しちまうところだったぞ。」
カッコいいオレ、決まってましたねオレ、何はともあれできましたねオレ。
と後ろを見てみる、あ、というよりもこの体に目というものはあったのか。
ORZ
すぐさま土下座した俺の判断は間違っていない。
なんたって後ろには八目の雄牛の顔、二メートルの全身真っ黒な体躯、そして何故か営業マンのようなスーツを着ている。しかし、見た目どこのヤーさんだ。ヤーさんなんて恐ろしい、うちの学校の一年にヤーさんの組長の息子がいるからよく分かる黒塗りベンツは本当だったのかとか、そして後輩に聞いたところによると車の中にはTVが後部座席の左右どちらにも付いているとか、実際その息子は優しいとかなんとか最後の方は恐くないか。というよりもその話は全部、その組長の息子の一人友達のKくん情報だけど、後輩の同級生らしく曰くKくんは馬鹿らしい、曰く阿保だという。情報元が危ういから何ともいえなくなった。
というよりも
「すんません、調子のりましたー!!」
謝る、先に謝った方が悪く言われるなんとかがあるが、ここは謝るのみ。
「はい?」
相手は、呆気にとられたような顔をしている、ここで攻め立てる!
「謝罪だけでどうか勘弁してください、拙者まだ弱輩の身故分からなかったのです、どうか!!」
「えっと、はい。あ、はい気にやまずに顔をあげてください、はい。」
了承をもぎ取ったぞ!!だが、ここで終わらないのが狩馬クオリティー
「おお、なんという寛容さ、流石はその体躯に見合うものがある!!感謝いたします!!」
とりあえずよいしょしておくのだ!!
「はい、では。ユニークな種族第一号の君にお知らせがあります、はい。」
ヤーさん、何言ってんの?
「え、お知らせ?なにそれ??」
分かんね、コイツ何企んでる、俺拉致されるの?殺されて真珠湾に沈められるの?
「ええ、第一号を祝してユニークスキルを一つと限定アイテムをプレゼントします。」
ユニークスキルと限定アイテムをくれるだと!?
「やったー!!」
「申しおくれましたね。私クロウシと申します、ゲーム内の管理人の一人です。さてスキルとアイテムの話をしましょうか」
ヤーさんじゃなかったのね。ヤーさん改めクロウシさんよろです(^^)/
面と向かって言えないけど。
「よろしくお願いします!」
素直な俺は好印象を相手に好印象を与えたレベルup↑
「与えるスキルは運の采配と呼ばれるユニークスキル、これによりLuk値を見ることができ、また自分のLuk値を減らすことで減らした分の2分の1を溜めることができ15秒間の間増やすことができます。なお、減ったLuk値は、このスキルを持つものに限り1日に1づつ戻っていきます。」
え、Luk値を減らして、その2分の1しか使えないとかゴミスキルだろ。
「Luk値とか必要なの?」
「何を申します!レアアイテム、クリティカルヒット、レアモンスター出現、イベント発生など色々と関わってくる大事なステータスですぞ。」
ピンと来たぞ、ピンク色の展開を!
「なんと、もしかすると、もしかする展開も!?」
いわゆるラッキースケベ分かりますよ、はい。
だが、クロウシさんなんで可哀想なやつを見る目でオレを見る。
「この世界でもある程度の罪は裁かれます、むしろひどいくらいに。」
「ジーザス。」
な、なんだと。そ、そんなことが
「次に、アイテムですが。アイテム名は、鏡の卵と呼ばれるものです。これは、持っているものによってでてくるものが違いますので、何がでるかはよく分かりません。」
そ、そうだ。次々っと。卵と言えば生き物、生き物とくれば!
「ケモミミ娘、魔物娘、魔王の娘、妖精娘・・・・・・・」
ハーレム要員、ハーレム要員!!
「頑張ってください、多分、私が帰ってすぐに出ると思いますので。」
おう、じゃあな黒マッチョ。ぷぷーー
と思ったら、次の瞬間、卵が輝きだした!?
ぴきぴき
おお、どんな娘がくる、希望をいえばエロくて清楚な娘!!
「お、生まれてくる!!」
輝きが収まり出てきたのは、
サラサラとした綺麗な金髪
長身で足がスラッとした細マッチョなパーフェクトボディー
藍色の目が神秘さを増し、顔は間違いなく今まで見た中で1,2を争う美形。
な、なん....
「なんで、男なんだよーーーーーーー!!」
評価・感想よりも彼にエールを涙