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処女作です。
BL(ML?)なので苦手な方はご注意下さい。
おそらく続く…と思われます。
「僕はアナタのことが好きです」
そう言いながら手の甲にキスをし、
宝石のようなグリーンの瞳で
まっすぐ俺を見つめてくる男。
俺はチラリとそいつに視線を向け
飲みかけのコーヒーをサイドテーブルに置いてから口を開いた。
「知ってる」
=まい すいーと !=
そう返事するとさっきの真剣な表情は何処へやら、アイドル顔負けの笑顔で
「好き、好きです愛してます」
とかなんだか言いながら勢い良く抱きついてくる年下の恋人。
「徹哉さん…はぁ…いい匂い…」
「おいっ…ちょっ…まっ…!」
いくらコイツがモデル体型だからといって180cmオーバーの成人男性に全体重かけられたら重いに決まってる。
体制が辛くなって近くにある背中をベシベシ叩くと、苦しそうな俺に気づいたのか慌てて俺から退き、不安そうな瞳でこちらを見てくる。
お前は犬か。
大丈夫だ、と息を整えてから体制を立て直し、手触りの良い綺麗なブロンド頭を撫でてやれば嬉しそうに俺の手にすり寄ってくる目の前の男。
やっぱ犬か。
「徹哉さん好き…好き…愛してる…永遠に僕のものだ…」
こっちが恥ずかしくなってしまうぐらい色気を含み、うっとりとした表情をする恋人。
「はいはい」
さっきといい今といい、適当に返事してるように見られるかもしれないが、別に俺が自惚れてる訳でも最近流行りのツン…ツンデレ?とかいうものでもない。
もう耳にタコができるんじゃねぇかってぐらい聞かされてるからだ。
あーいうの。
毎日毎日「愛してます」「食べてしまいたい」「アナタは僕の天使だ」とかなんだか言ってくるもんだから初めは照れ臭さを感じたが、だんだん慣れてしまった。
むしろよくまぁこんなおっさんに次から次へと褒め言葉が出てくるもんだと逆に感心してしまうぐらいだ。
あれか?
コイツにとっては挨拶みたいなもんなのか?
ハーフらしいからあり得なくはないな。決して俺みたいな奴に使う言葉じゃないものもあるけど。
だから。
「ほいほい、俺もお前が大好きだよー」
「本当?ふふっ嬉しいな…」
いつも通りの受け答えだったから。
口癖のように言われていたから。
だから気付かなかったんだ。
俺を見るコイツの瞳が
欲望に濡れ、黒く歪んだ感情に
染まっていたことに。