表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪事件と銃少女  作者: 黒炎 ルカ
パーバションの報告
4/11

白面金毛九尾の狐と遭遇。



化け猫の戦いにて、勝利を収めた。

だが、私の心に化け猫は引っかき傷を残した。


だって、無抵抗の相手を私は殺したのだ。


悲しい気持ちでいっぱいになる・・・。


それでも、私は蝶亡に復讐をすると、絶対に殺すと、

誓ったのだ。だから・・・私は進むだけだ。


橋を渡り、古屋敷の前に私は立ち尽くす。


嫌な気配しかしない・・・。

私の心臓は必要以上に脈打っているように感じる、

緊張か?いや、

恐怖だ。

まだ私は蝶亡の恐怖を克服出来ずにいるのだ。

悔しい、私は今もなお、ずっと蝶亡に負け続けているのだ。


「パーバション様、大丈夫ですか・・・・?」


「大丈夫だ。ただ、あの時の恐怖を思い出して苦しいだけだ・・・。」


「・・・。無理は・・・なさらないで下さい・・・。」


「ああ、さすがにキツくなったら言うさ、

だが、まだ私は戦える。だから行こう。」


「・・・。分かりました。」


無表情のまま、エヴは心配の声を押し殺す。

エヴはとても不思議なヤツだ。

いつも表情は無表情なのに、声は感情豊かに聞こえる。

聞いていてとても楽になる、落ち着く声をしている。

だから何度も私はエヴに救われたのだ。


私は・・・。エヴに救われた分だけ、頑張って生きなくてはならない、

頑張って、復讐を果たさなくてはならないのだ・・・。


古く妖しげな和風の古屋敷に、私達は立ち入った。










・・・


「ようやく、来てくれたの・・・。パーバション。

さぁ、忙しくなるわね、

待っているわ・・・。だから早く来なさいパーバション。」


暗闇の中、鬼火に顔を照らされながら私は一人、

呟いた。早く来てくれないかしら・・・。

パーバション・・・。


だが私は知らなかった。

まさか、アイツが一緒に紛れている事に・・・。

私の終わりは、刻々と迫っているのだという事に・・・。











・・・・


その古屋敷の中は恐ろしく綺麗だった。

ほこりの一つもなく、木の床は不自然な程にピカピカの

ツルツル・・・。何度も滑りかけた・・・。


「クソウ・・・。これも蝶亡の罠か・・・・?

こんなくだらない仕掛けを・・・。こしゃくな・・・・!」


日本人なら、慣れているのかも知れないが私はこんなピカピカの

ツルツルな木の床には慣れていないのだ。

だから・・・。あ


バタンッ!


・・・。また転んだっ・・・!!

まただぞ・・・!?

これで一体、何度目だと思っている・・・!!?

チクショウ・・・。エヴが必死に私から目をそらしているし・・・!


「パーバション様、私が支えますからお気を付けてください・・・。」


「いいッ!!私一人で十分だッ!これ以上は虚しくさせないでくれ!!」


「・・・。日本文化・・・。恐るべし・・・。」


「ああ!!そうだな!!本当・・・・!!」


もはや私のいつも調子がこうも簡単に崩されるなんて・・・。

恐るべし・・・。


「何やってんの?アンタたち・・・。」


腰ほどの長さの金髪の女が廊下の向こうから大きな鏡を持って

現れたかと思ったら、私達に声をかける。

よりにもよって、私が転んで無様な姿の時に来るなんて・・・。

チクショウ・・・。


「・・・。そう言う、お前こそ、何をしている?」


悔しさから、私は転んでいるのにカッコつけて冷静を偽る。


「・・・?え、そりゃぁ・・・。

“照魔鏡”を運んでいるんだよ。見れば分かると思うんだけど。」


「“照魔鏡”?何でそんな物を運んでいる?」


「蝶亡様がそうお命じになられたからよ?」


「・・・。」


ここでは蝶亡の命令は絶対なのか・・・?

だとしたら、この町にいる妖怪全てに蝶亡が

“パーバションを抹殺しなさい”と命じたら、

その妖怪共は全て私を殺そうとする・・・?

だとしたら本当に笑えない・・・。

勝ち目など全くないぞ・・・。


「・・・。所で聞くが蝶亡はこの屋敷のどこにいるか

知っているか?」


「蝶亡様に何か用があるのですか?

なら雪女さんが警備している部屋に行けば蝶亡様はいますから!」


「・・・。」


いとも簡単に蝶亡の居場所を漏らす女・・・。


「・・・。ありがとう・・・。

では行こうか、エヴ。」


「はい。」


とりあえず女に感謝をしてそのまま廊下を転ばないように

進もうとすると、


「・・・!!?ひっ、何そいつッ・・・!!」


「あ?何だ?」


「そいつよ、ソイツッ!

紅いドレスの女・・・!!て、アレ・・・・?」


「・・・・??紅ドレスの女には会ったが・・・。

ここにはいないぞ・・・?」


金髪の女はしきりに私の後ろを指差して叫ぶ、

それに私は後ろを振り向くが、そこには誰もいない。

だから私は金髪の女に振り向いて、いないことを伝える。


て・・・。待て待て・・・。

私、思い出せ・・・!

そういえば紅ドレスの女との戦いの時、消えるその前に、

私にとり憑くとか私の心に潜むとかナントカ・・・。

言っていたような・・・。


「いや、今、“照魔鏡”に

あなたの背後に紅いドレスの女が映ったんだよ!!」


「・・・。“照魔鏡”に映った・・・?」


「ねぇ、あなた何か良くないものに憑かれているんじゃ・・・?」


「ああ、心辺りがある・・・。

だがどうしようもないから、諦める事にする・・・。」


「諦めるのはまだ早い!!」


「!!?」


金髪の女は満面の笑みを浮かべながら、

胸を張る。

・・・。コイツ、胸が大きい・・・。

悔し、いや、なんでもない・・・!!


「私、実は“白面金毛九尾の狐”なの!

だから、私の妖術でその良くないものを祓えるかも知れない!」


「!!?おま、“白面金毛九尾の狐”なのか!?」


「そうよ!だからどうにかなるかもなの!!」


コイツが・・・“白面金毛九尾の狐”・・・なのか・・・!?

まさかいきなり大物に遭遇するなんて・・・。

しかも、その大物に助けられそうなんだが・・・。


「では、いきます!」


「あ、ああ、始めてくれ。」


金髪の女は私をジッと見つめると、

次第に黒のかかった黄金の瞳は輝きを放つ・・・。

まるで・・・吸い込まれそうな・・・。

美しい瞳だ・・・。


だが、それよりも驚愕をする事があった。




金髪の女が持つ“照魔鏡”に写っている私が、



いつもなら茶色の髪に黒い瞳の地味な私が、





        私の瞳が、









  血のように紅く、紅ク輝イテイタ。




「あぁぁああああああああああああ!!!!!!!!」


突如、断末魔の叫びをあげ、金髪の女を目を押さえたまま、

私から後退する。


「痛いッ!!!熱いッッ!!目がッ!焼ける・・・!!」


“照魔鏡”を落として、金髪の女は倒れて、

悶え苦しむ。

落ちて割れた“照魔鏡”に映る私は・・・。


  紅い瞳で狂気の笑みを浮かべていた。


あの笑みは、あの紅ドレスの女が浮かべていたものだ・・・。


それを、何故、


        私が浮かべている?



ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ



「ククク、アハハッ、ハハハハッッ!!!

私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?私は誰だ?

あああああああああああ!!!!!嫌だ嫌だ嫌だ!!

私はパーバション・C・リネル・クネクションだ!!

だから!だからッ・・・!私は蝶亡を殺す!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」


「あら?それは本当?」


え・・・?

  鏡ノ中ノ私ガ、笑ッタ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ