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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

小説家になろうと思っていた時期が私にもありました

作者: 自 原敲
掲載日:2026/06/13

 俺は(さっか)原敲(もとただ)。31歳。一応結婚している。

友人からは「ゲンコー」や、「先生」と揶揄われる。

職業はしがない公務員。薄給で、情けないことに妻にも働いてもらっている。

趣味は、音楽、特にクラシックを聴いたり、図書館や本屋に行って、いい本を探している。

だが、最近は仕事が立て込んでいて、めっきり出来ていない。

夫婦で過ごす時間も減った。

まあ、妻はそれでもいいと言ってくれているし、仲は良好だ。、、俺から見れば。


さて、そんな俺がどうして今こんなことを書いているのか。

それは先日、会社の同僚と飲みに行った際、ある賭けをし、それに俺が負けたからだ。

賭けの内容は、隣のテーブルの人は、次に何を頼むか。

誰も当てれるわけなかろうと思い、軽い気持ちでやったのが命取りだった。

同僚達は1人1回ずつ当て、さあ次は俺の番だと意気込んでいたその矢先、その客が帰ってしまったのだ。

同僚達に無効試合にしてくれ、と頼み込んだが願い届かず、罰ゲームをやらされる羽目になった。


罰ゲームの内容がこれだ。

否、「これ」かと問われれば違う。

詳しく言うと、罰ゲームは「自分の黒歴史を実名で小説投稿サイトに出す」ことだ。

そして、俺の黒歴史と、この小説投稿サイト「小説家になろう」は非常にマッチしていた。

何を隠そう、俺の黒歴史は小説家になろうと思い、小説を書いていたことだからだ。


元々おれは、こんな名前に生まれたせいもあり、小説家に合っているのではないか、などと自惚れていた。

そして、時たま小説を書き、親に見せていた。

まあ、ここまではただの微笑ましい幼少期の話だ。

しかし、その中の一つを俺はあろうことか友達に見せてしまった。

そして、その友達が、その作品を誉めてしまったのだ。

その子は俺とかなり仲が良く、その子のことは、基本何でも本当だと信じて疑っていなかった。

そして、それの続編や、新しい小説を書いてはその子に見せる、と言うサイクルが生まれた。


ある日、小学校高学年の頃だった。

その子、編河集人が友達を連れてきていた。

名は富村美鈴。

俺の31年の中で唯一の女子の友であり、数少ない俺の黒歴史を知っている人間だ。

結論から言うと、彼女が妻なのだが、そんなことは今は置いておく。

他人の恋愛が実る話なんて、独身の同僚が見ても面白くないだろう?

話に戻る。

その美鈴にも俺はその作品を見せた。

すると、俺より遥かに機械やウェブについて詳しい彼女は、小説投稿サイトに投稿してみては?

と、甘い誘惑を差し向けてきた。本人にその気はないだろうが。

そして俺はその作品を投稿した。

忘れもしない。作品名は「俺の異世界冒険記〜チートスキルを貰ったのに、周りの方がチートな件〜」だ。

ああ、書いただけで虫唾が走る。


これは、題名通りの作品で、主人公の刀堂 将暉がトラックに跳ねられ、転生。

その時に女神様からチートスキルを貰ったため、さあ無双するぞ、と思っていたら、組んだパーティのメンバーの方が化け物だった、と言う話。

今は消しているため見れないが、当時はそこそこ見られており、俺は有頂天になっていた。

そして、学校の友達にそのことを言ったのだ。

まさかあんなことになるとは思わずに。


最初は良かった。最初は。

その友達が面白いといい、別の子に伝え、またその子が面白いといい、、と言う繰り返し。

どんどん評価ポイントも上がり、俺も嬉しい。

しかし、それでクラスの中心にいた俺を妬む奴が出てきた。

酷評レビュー、意味のわからない誤字報告、罵詈雑言が飛び交うコメント欄。

まだ幼く、自分の作品はみんながいいと言ってくれると信じていた俺の心に、傷がついた。

砕け散った。

学校に行かなくなった。

部屋から出なくなった。

食事を絶った。

眠るのをやめた。

心を閉ざした。

何度も命を断とうとした。


1092回目の自殺を図ろうとして、ロープを首に巻きつけた時、部屋の戸が勢いよく開いた。

立っていたのは美鈴と集人。

息を切らしていて、走ってきたことが窺える。

2人は何も言わなかった。

集人は自殺用ロープを手に持っていた無骨なナイフでズタズタに切り裂いた。

後で聞くと、「どうしても死にたいなら、この手で引導を渡そうと思った」らしい。今は警視庁のそこそこいいところに就いている。

美鈴は、、あろうことか告白をしてきた。

俺からしてみれば、最悪のタイミングで、それも最悪な人からの告白だった訳だ。

だってそうだろう?

元々の元凶は、投稿することを薦めた美鈴なのだから。

本人は最適のタイミングだと思っていたらしい。

俺はそれを拒絶した。

この世に味方なんていないと思っていた。

みんな最低で、極悪非道で、俺のことを面白いエンタメの一種としか思ってないのだと思っていた。

だから、意外だった。

よりによってこの2人が来るのか、と。

俺は罵った。

俺が考えつくありとあらゆる罵倒、暴言、怨み、嫉み、忌み、殺意、暴力、謗りをぶつけた。

その言葉と力の奔流を受け止め終わった後、俺はただ子供のように泣いていた。

静寂の中、集人がぽつりと

「罵倒のレパートリーすくな、、」とこぼした。

「うるせ」

「いやだって、馬鹿、と、死ね、と、消えろ、くらいしかいってないだろ?」

「きこえませんー」


いつのまにか、笑いが溢れていた。

生きたこと、生きていることを、奇跡だと感じた。

まあ、そんな話が、俺の黒歴史だ。



どうだ?これで満足か、集人。






、、さて、勝手にお邪魔してごめんね?

ここで自くんは終わろうとしたみたいなんだけど、ちょっとそれは俺が嫌っていうか、、

もちょっと続けたかったんだよね。まあ、死者の俺がいうのもなんだけど。

あ、俺の名前?

名前はマサキ・トードー。

一応冒険者やってる。

かのゆーめーな転生して、チート貰えてはしゃいでたら、周りがもっと、、って、もう読んだ?

つれないなー。

ま、そんな訳で、俺の黒歴史も話そうと思ったわけよ?

ちなこれ、俺のチートの「空間越境」を魔術師マゲイアの「増幅魔法」と「音声入力魔法」の重ね掛けして、その負担を「愛し屋」アモーに背負ってもらって書いてる、というか言ってるから。

マゲイヤすごいっしょ!文明レベルも上げまくって、今もうスマホあるんだよ?

まあ名前は「マナートフォル」っていう、別名なんだけどね。

んー?アモーの負担が大きいから早くしろって?

ごめんってマゲイヤ

後で武器買ったるから許して?

、、はい、すいませんした。

アモーは後で労るます。

だから、一先ず矛を収めてください。


で、なんの話だっけ?

あ、黒歴史の話か。

んー、なんだろー、色々あるからなー。

やっぱ「剣神・グラディウス」と「死神・モルス」相手に1人で戦って惨敗したことかなー?

ちょ、笑うなてエビデンス!みんなも!

で、話していこうと思うんだが、むぐっt!?

どもー、剣神でーす。

こっからはうちに話させてな?


ちょ、かってにおれのはなしに首を突っ込むな!

ちょっとエビー!まさっち縛っといて?

まあ、後ろでなんか言ってるまさっちは置いといて。

あ、おーいモルスー?あんたも後で喋りよー?


いやー、あの時はまだまさっちが自分は強いとおもってるころやったからなー。

うちがちょっとそこらの木の棒拾って振ったら、もろに当たって。

そんでめっちゃ驚いてたまさっちの顔、傑作やったわー。

でも、くーかんえっきょー、やったっけ?

所謂転移っちゅうんか?それを駆使してうちと戦うんやけど、もう無様無様。

モルスとも対峙してたから、半分くらいしかこっちに意識向いてなくてな?

ちょっと木の棒振ってたら、すぐ当たんねん。

終いには腑見えてて、慌ててマゲイヤちゃんが治癒と防御してたなー。

ま、おもろかったからモルスと一緒にそのギルド入ったったんやけど。

まあ、こんなもんか?

ほなモルス、あとは頼んだで。


モルスだ。

だいたいさっきのグラディウス殿の話であっている。

詳しい話を某がしよう。

まず、グラディウス殿が木の棒を拾って一振り、ターンエンド。


ちょ、タ、ターンエンドて、、あははははは!モルス、ルナモリアルとちゃうんやで!?


煩い、グラディウス殿。少し黙っていてくれ。

、、さて。そしてマサキ殿が空間越境と剣技奥 紅の同時使用。しかしグラディウス殿に届かず、ターンエンド。

その後某の死撃の連射をまともに喰らったマサキ殿が膝をつき、後退。ターンエンド。

そしてマサキ殿が空間越境の同時使用と剣技の高速技を繰り出すも当たらず、ターンエンド。

グラディウス殿が適当に木の棒を振って、全て当たってターンエンド。

その後m

あかん!アモーが鼻血出して倒れた!

じゃあマゲイヤ、切って!

え、、、俺、結局ほぼなんもsh





めでたしめでたし。





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― 新着の感想 ―
タイトルから気になり、読ませて頂きました。 途中で語り手が変わり、小説の主人公が出てくるのが新鮮でした。 仲間内で褒められていた作品が炎上するのはなかなかに応えますね……。 主人公がなんとか踏みとどま…
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