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学園長の伝説  作者: 攻撃
9/12

非常勤講師時代(3)

今回の旅行はちゃんと計画されたものだ。


まずはよく演説が行われている広場に行った。「人民の友ぺポパピプ・ポパピーペプ書記長演説会場」という看板が掲げられていた。


中に入ると男がうめき声をあげながら暴れているのが見えた。あれが書記長か。周りの人が言うにはソ連の強さを擬人化しているのだという。


書記長は演説をこう締めくくった。「俺は最強だ。ゆえにソ連は最強だ。疑うなら挑戦を受けて立とう。」


結局彼は何がしたいんだ。しかし、修行には好都合だ。


「お手合わせ願います。」渡辺は名乗り出た。書記長は予期せぬ反応に顔をしかめたが、言ってしまったものは仕方がない。


「私に少しでも勝てると思った愚かさを病院で悔やむがいい!くらえ!先制攻撃!」


いきなり銃を放ってきた。渡辺はそれをさっとかわすと水を纏う。そして刀を抜いて切りかかってきた書記長に反撃の水のビームを浴びせる。彼は勢いよく吹っ飛んだ。


「まさかお前相手に『国際人としての資質』を披露することになるとはな。いでよ、ポーランドの同志よ!」


すると渡辺の頭上から「くらえ!先制攻撃!」という声が聞こえてきた。


彼があわてて下がると、ポーランドの書記長が刀を地面にたたきつけたのが見えた。


なんでこいつが「国際人としての資質」を持っているんだ。


そう思いつつソ連の書記長がいた方に目をやると彼は背中を向けて全力疾走していた。


ポーランドの書記長は自分が時間稼ぎのために召喚されたという事実と帰りの交通費がないという事実で完全に固まっていた。


その場を離れようとすると、いつの間にいたのだろうか、赤城が話しかけてきた。


「今回は大事に至らなかったからいいけどさ、次からは積極的に戦うことはしないでほしい。」


「お前だって不法入国じゃないか」


「変な力が絡むと危急を要する事態になりやすいんだよ。現に君がしてきたのはそういうことばっかりじゃないか。」


「ふん、とっとと帰りやがれこのクソワープ野郎。」


「では、帰らせてもらう。」と言って彼はワープしかけたが、渡辺は、「いや、待て。一つ聞きたいことがある。」と言って彼の腕をつかんだ。


「?」


「お前のその身体能力は『三哲』のどれに当たるんだ?」


「『自調自考』だ。」


「え?」


「『自分を調べ自分を考える』ことにより自分の力を引き出す力だ。」


「『自分で調べ自分で考える』じゃないのか?」


「違う。だが…参考にはなりそうだな。」


しまった。余計なことを言ったかもしれない。


渡辺が言葉に詰まっていると、赤城は「もう時間がないから帰らせてもらうよ。さようなら。」と言って帰ってしまった。


ポーランドの書記長はそれをうらやましそうに見ていた。


ソ連の書記長の「国際人としての資質」について聞きそびれた。あと、さらっと「自調自考」を持っていると言っていたが、彼は既に「三哲」を備えているのだろうか。


夕暮れ近かったので渡辺はホテルに向かうことにした。

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