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非常勤講師時代(6)
帰りの便で渡辺と赤城は隣り合って座っていた。赤城が話をしたいんだそうだ。
彼は何分か説教をした後、こんなことを言った。
「君の能力は『三哲』のいずれでもない。」
「なぜだ。」
「あの攻撃は『高い倫理感』を纏っていたんだ。もし君の能力が『三哲』のどれかであれば能力が無効化されることはなかったはずだ。」
「『三哲』じゃないとしたら何なんだよ。」
「わからない。ただ、多くの人々が狂っているのと何か関係があるのかもしれない。」
「それはお前がいい子すぎるだけだろ。」
「とにかく、君の今までの努力は少しずれていたのは確かだ。君にはこれから考え方を改めて本当の『三哲』を目指す努力をしてほしい。手伝ってほしいことがあれば何でも言ってくれ。」
「……。」
渡辺は能力が使えなくなったことで気が弱くなっていた。そして今になって父親(校長)を失望させたことを後悔し、教員免許を取って信用を取り戻そうと考えた。




