EP:5神器?
1063年、その年にとある崇央教という小さな宗教がありそこの教皇はライムという皆の前では優しい金の亡者だった。
「ハハ、ムエルダーさん?強くなりたいという一心なのはわかりますが、クエストをやりすぎです」
「別に自分の勝手ですよ、頭の固い人に言っても無駄でしょうがね」
確かにムエルダーは強いし賢いが、昔から何かの行動に必ず後悔をしてしまうし間違えれば戻れない道に行きかける、そんなだから慎重に生きてもらいたいのだ。
それに自分が教皇なのに司教の分際で何言っとんねんと思う、上司みたいなもんなんだから優しくしてくれ!と思った。
「それにあなた、子供でしょ?」
「ゾニッヒさん!子供であろうと自分は清く正しく生きているのですし神に認められているのです!」
すると怠惰特定浄化のゾニッヒが銅貨を地面に投げた、自分はそれを踏みつけどかない。
「金がないにも程がある……よく舐められずにいたな」
「一応これでも不老なのでね!頑張ればそのうち皆さんを越せますから」
だが強欲特定浄化のユゥエンは少しにやつき、何か恐ろしいことを考えていそうだった。
ライムの股間を触り耳元でこう言ってきた。
「支配しちゃえば……」
「し、司教であるのに不純です!エゴさん!」
「またですか、強欲であるあなたは確かに特定の罪を犯してはならない、ですが私の前で罪を犯すとはいい度胸」
色欲特定浄化のエゴがユゥエンを奥の懺悔室へと連れていかれる、自分はとりあえず銅貨を拾ってポケットの中に入れ外に出た、小銭が落ちていないかを探していたとき。
生臭い木箱を見つけた。
(何だあれ!臭すぎる、魚か何かか?)
周りに誰もいないことを確認して、近くにあった細い木の枝を手に取り、木箱の蓋を開けて覗いた。
中には生き物などの類ではなく、今までにみたこともない何かで作られたドロドロと常に何かを流れ出す指輪のようだ。
(な、なんだこれは?)
驚いて腕が震えていた時枝が折れ蓋は閉じた、あの指輪が何なのか持ち帰って聞いてみたいがそれはどうなのだろう、罪ではあるが危険物だった場合……と考えてみれば背に腹はかえられない。
もう一度周りを見てこっそりと中身の指輪だけを手の中に握りしめて教会(自室)に戻ることにした。
指の間から黒い液体が流れ続けて、歩行人は不安そうに人目やるが自分は不安になって走り出す。
(完全に不審者じゃないか!)
自分も徐々にこの行動の過ちに気づき始めたが、この指輪をどうしても手放すなんて到底できなかった、理由?理由はないが国をひっくり返せるほどの何かを秘めている気がする、この歳ならあるあるの考えだ。
「ただいまです!」
「うわ!汚ねぇ、なんだそれ?」
「これは……?」
ムエルダーはともかく、エゴはここの脳みそと言っていいほど頭がよく知らないものはないほどなのに、それほど世間に知られていない何かなのか?
「と、とりあえずその液体なんとかしてくれませんか!」
「と言われても……」
浄化魔法を使ってみると液体は流れ出る魔力のオーラに変わる、今度は無害になったとしても禍々しさは消えない。
(?♏︎⧫︎❒︎♋︎⍓︎♋︎●︎? ⬥︎♋︎❒︎? ❍︎♋︎⬧︎⬧︎♋︎♍︎❒︎♏︎? ⬧︎◆︎♓︎♍︎♓︎♎︎♏︎? ⧫︎♒︎♏︎ ♐︎♓︎❒︎⬧︎⧫︎ ❍︎◆︎❒︎♎︎♏︎❒︎? ⧫︎♒︎♏︎ ♎︎♏︎❖︎♓︎●︎ ♓︎■︎ ❍︎⍓︎ ♒︎♏︎♋︎❒︎⧫︎)
指輪が痛みを引き起こさない炎のような何かを噴き出すとこの家の中にいる者の頭の中に、人でも魔族でもない何かの音が流れ込んだ。
「お、おい!喋ってるぞそれ!」
「え?特に何も聞こえなかったのですが」
なんと、この家のライム以外の全員が聞いたのだ、また炎が噴き出ると皆は突如顔を合わせて黙り込んだ。
「ちょ、ちょっと皆さん!どうしたのですか?」
「いいや、別に何でもないですよ……その指輪はあなたが持つ分に信用ができないので私が持っておきましょう」
「エゴがそういうならいいけど」
エゴのポケットの中に指輪は入っていった、まぁそれが一番安心だろうが。
「また何かしたの?」
「し、してませんよ」
自分の母親が勝手に自分が宗教を作った日から、一つ一つの行動に警戒している。
「あぁ、そういえば私達は約束事があるので少しだけ外にいますね」
「何かあったら教えてくださいね」
ライムは皆を少し心配しながら自室の本棚にある装飾品の図鑑を見てみた、音を発するであればいくらでもあったが見た目が一致しない。
あんな気味の悪いものの正体を知らずに渡してしまった自分に後悔している。
(載ってないな……少し遠いけど艦長に聞こう、皆んなに何かがあれば責任は取れないし)
こういうことは母親が許すはずがないので、父親に友達の家に遊びに行くと言って家を出た。
街の人達はライムを少し変な目で見た、また何かやらかすのか?とおもっているのだろう、そりゃ金がないからって宗教を内緒で作るような子はおかしいだろう。
長い時間歩いて林道まで辿り着いた、あともう少しで着くというのにドラゴンの鳴き声が聞こえた、自分は林の中に飛び入って体は微振動していた。
目の前に降り立ったのは強いなんて存在ではなく幻影竜という現れることは滅多にない、小竜だ。
(何だあのドラゴン……)
人の姿に変わると筋肉のついた2mはありそうな屈強な女戦士という感じだ、人になれるから龍の姿での出現率が低いのは妥当だろう。
(人になれるのか、危ないのは確実だろうし隠れながら進もう)
ゆっくり慎重に林をかき分けて博物館に向かうが竜女も同じ所に向かっているらしい、数分しても離れる様子がなくいつのまにか竜女より早く着くため走っていた。
(なんでついてくるんだ!)
やっと館に着いたが竜女も中にいた。
懐から杖を取り出しながら館長の元へと向かい声をかけた。
「久しぶりだね」
「はい、今回はちょっと指輪のことで話がしたくて」
装飾品等の図鑑を持っているはずなのに分からないとなるとまだ発見されていないものの可能性もあり、少しドキドキしていたが実物を見ない限りよく分からない。
「今持っていますか?」
「今は知り合いに持ってもらっています」
「では、特徴は?」
「皆さんは声が聞こえると言ったのですが自分には雑音が聞こえて、拾った時は黒いドロドロした何かが流れていました、浄化魔法を使ったらなぜか魔力に変わりました」
「魔力の指輪?うーん……呪物でもないはずですし、もしかしたら楽園の剣かもしれませんね」
楽園の剣と言えばこの世のほとんどの人間が知っている御伽話だけの伝説上の剣だ、それは神の住まう時代に戦争が起き、それを止めるため神の魂を使い作られた呪いの剣。
「あの伝説のですか?いや、ありえないですよ?路地裏の箱の中に入ってたので」
「常にテレポートし続けるらしいからね、でも気をつけなさい……それは楽園を作るものではないと考えています、人のいるこの世にそんなものはあってはならないかと」
(うーん……争いが起きる原因でもあるし、一理あるもなにもそれ以外ないなぁ)
よく考えてからあれは壊すべきか博物館に預けるかという二択が生まれた、自分は教皇であり開祖であってもそういう考えは消えないものなのだ。
人の限界とでもいうのか、歳を取ったとしても異常な人間でない限り傲慢強欲怠惰の3つがあの指輪に惑わされる。
「どうしたらいいですかね」
「子供にこの件は少し難しいですよね、自分もついていきますよ」
「いや、別にだいじょ」
話し合っている時竜女が割り込んできた。
「私もついていく」
「えぇ……いやー、それは困ると言うか」
(絶対悪用するでしょ)
幻影竜のことだろうし魔物だ、所詮力だけを求めるゲスに決まっている。
「館長、ライム……クソが!今行ってももう遅い、すまない!死んでくれ!」
自分は竜女が腰から生やした魔力の尻尾で切り裂かれかけた時途中で止まり、当たることはなかった。
「……私が人を救うなんて、馬鹿げてる」
館長の隣にある扉から落ちた時にはドラゴンになりどこかへ飛んで行った、自分は何が何だかよく分からないがとりあえず館長とともに家に帰って指輪を調べることにした。
「な、何だったのでしょう?害がないのは一番ですが、心配ということもあるので家まで連れて行ってくださいね」
「そう……ですね、分かりました」
二人は夕焼けの中御伽話の内容を思い出しながら家へ向かう。
御伽話の内容。
神の守る星や世界を滅ぼし奪うために戦争が起きた、皆家族はいなくとも何もない何かを、必死に守ろうとする、その星や世界に何もなくともそれを自分の誇りと思うかのように。
そんな光景を見ていられなくなったのか終焉の神が自分の魂を削り剣を作り出した、その剣は究極の力を持っており邪神達を葬ったという。
まさしく御伽話感満載の物語で今でもよく読まれるものだ、その剣を争いに使わないために指輪にして呪いも込めたと書かれている、他にも魔力が流れ続けるなど。
それを聞いてから館長は確信に変わったのだろう、ちょうど今家につき館長は一礼して自分の親に事情を話した。
「ハハ、そんなのあるわけないですよ?遠くから来てくださって、きっと無駄足ですよ?」
「私はこのまま生きても空虚ですよ、面白いことがなくてはね!」
自分は自室に戻り皆がまだいるか確認しに行った、この時間ということもあって誰もいなかったが机に指輪だけ置かれていた。
「館長さん、これですね」
「初めて見ました、机お借りしますね」
自分は館長がピンセットで指輪をいじるのを眺めていた、来てもらった分際で失礼だが眠くなりそのまま眠ってしまおうかと考えた。
もちろん寝た。
だが数分後に誰かに起こされた。
「ついてきてくれ」
「ん?なにー?」
そこにいたのはムエルダーだ、どうせまた洞窟に行こうや森に行こうといった危ないことだろう。
「これから皆んなで図書館に行こうと思って、来るk……ついてきてくれればいい」
二人は歳も近いが性格はあまり似ていない、まぁ似ていないからこそ惹かれて宗教になんて入ってくれたんだろう、別にただの友達程度でも良かったのに。
「あの人まだ指輪見てたな、ユゥエンとかエゴが目見開いて見てたけど全く何なのか分からなそうだったな……高かったりして」
「んなまさか〜……だったらいいけどね」
図書館に入る、案の定いつも通りの4にんが集まって本を読んだり話したりしていた。
「よかった…そろそろ時間か?」
「だよ〜!」
図書館には誰もいないし何なら無人に感じるくらいだ、だが4人は無表情ではなく笑顔だった。
「誕生日おめでとう、ライム」
「おめでとう……」
「おめでとう!」
「おめでとー」
「え!?今日だっけ?」
皆が覚えているというのに自分だけが覚えていないらしい、ゾニッヒはため息を吐いていた。
「当たり前だ」
「よく覚えてなかったな……」
「ま、まぁそれよりプレゼント!プレゼント渡そう!」




