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EP:4からっぽだろうと、カオスだろうと!②

フリティは今更になって発言を後悔した、その理由はもちろんエネスの兄を殺したのが崇央教の信徒であり、それの開祖が仲間のライムだというのだから。


「どうした?」

「なんでもないよ、あ!肩に埃ついてるから取ってあげるよ!」

「おっ、ありがとう」


こんなに親切にしてくれたことなんてあるだろうかとライムはしみじみと感じていたのだが、エネスは手に氷槍を作りライムの首を貫こうとしてぶつけたがその前に魔力の波?によって溶かされてしまった。


「おいおい、急にどうしたんだ?」

(本当にごめん)

「あぁそうだよね、聞いてもないのに決めつけるのはいけない……お前開祖なのか?」

「……」

(ヤベー!!!やばいやばい!……えぐいって!)


自分の責任感でエネスを守ると1人で誓ったのに、まさか自分のせいで親も一番大切だった兄も殺されてしまったことがバレることはいずれくると知っていたが、ここじゃないだろ!と思い突然のことすぎて脳内では語彙力なんて存在していなかった。


「いや!俺は、今俺はどの宗教にも属してなくてだな!」

「"今"、だろ?」

「だー!!!言っとくが俺は悪くないからな!それにあの頃とはもう違うんだって!」


確かに本に載っているライムは紳士でどんな者にも公平で大罪なんかに関わっているような人間ではなかった。


ライムは金がなく崇央教という罪を懺悔すれば天国に行ける、入信すれば月一ヶ月500円かかるというので一躍有名になったが結局入ったのは7人だけだった。


そこでライムが考えたのは、その七人は皆大罪に関係しているということで、特定の大罪を犯してしまった者へ特定の司教を使い神の許しを施すなどといったよく分からないことをさせていた。


ライムはいつも通り路地裏で小銭が落ちていないか皆に内緒で歩いていた時、ここでエネスが読んだ本の記述はきっと兄に破かれており読むことはできなかったが、とにかく悪であることには違いないはずだ。


「悪魔を作り出して人類を支配したお前がそれを言うのか!?英雄を目指してたらしいけど、結局は殺すことでしか英雄になれなかっただろうが!」

「……いや、まぁね?でも俺はただその時の教皇だっただけでね?ほとんど俺悪くなくてね?」


エネスは限界が来たのかライムを殴った、人を殴るのは初めてだ。


「お前は魔物か魔族か分からない、それでも殺さなくちゃいけないんだお前のことだけは!」

「魔物ってだけで殺すのか……?人間は自分からエネスの言った英雄を目指すんだな」

「人を殺すのと魔物を殺すのでは話が違う!」

「俺はお前を守っていた、国民を守った、だが魔物になってしまえば殺しの対象か?人は生まれながらにしての殺人鬼ってことになるぞ」


ライムの言うことが正しくもある、だが世間一般的に魔物や魔族は人とは程遠い知性も理性も持たない生物と思われる。


もちろん魔物や魔族は人を襲う、だがその理由は明白で、魔物達は人を信用せず先にやられるくらいならと人を殺す。


他にも理由はあるが歴史的に見てみると、人間は魔物に勝った!と書かれるものがあるが、人は知性を持つのだから人が争いをやめれば魔物や魔王も静かに暮らす。


「エネス、俺はこの旅をここで終わらせたくない、話を聞いてはくれないか?」

「話?まぁ、いいよ」


今更気づくが、今も前からもずっとライムは自分を守ってくれていた、落ち着いていないのは自分だと気づく。


「俺は金がなくてちょっとした宗教開くじゃん?そこで七人しか入らなかったから特定の大罪を浄化するってことで司教作ったわけ、ここから酷いんだけど……強欲に自分の母親取られちゃうし父は怠惰に殺されるわけ!」

「同情でもしてもらうつもり?」

「違うって、それでなんやかんやあってふさわしい教皇は他にいるって言われて転移魔法で吹き飛ばされて、そしたら魔界って所いて、何千年かして現世戻ったらいろんな悪行俺のせいにされてんの!」

「証拠は?」

「ないけど……でも!俺の姿が2000年前からないって広まったのは本当じゃん?つまり俺はその宗教戻りたくないだけの騙された人なの!」



確かにそう言われれば辻褄が合うところがいくつかあった、それに自分の城にライムが監禁されていたのに兄と親しそうだった、ということは兄は納得していたということか?


自分は兄のことは全く疑わないし、あの人は全ての証拠が揃わないと確信を持たないタイプなのでライムはちゃんと可愛そうなやつだった。


(兄様と親しそうにしてたし、兄様はライムを信用してたのか?)

「それに、俺は金稼ぎが目的なのに今じゃあいつら大悪魔って呼ばれてんだぞ?そんな人が寄って来なそうな名前つけるわけないでしょ!」

「まぁ、本にもそう書いてあったよ……うーん、まぁあのタイミングで教皇が変わるってのも正直おかしいか……」

「まぁ、少し荒れたけども、全然仲良くやっていけるだろ?王族なら余計にさ!」

「ライムがいいならもちろん、ごめんね」


2人とも相手の言っていることを理解し合う、がしかしエネスとしてはなんで今これだけ強いって言われたライムが転移なんてくらってるんだよと思っていた。


「おや、おやおや、ずいぶん人を信用しているようだねぇ……?それに生きていたとは、なんて情けない!」

「っ……!ムエルダー!!!」


ライムがエネスよりも早く反応した、自分は彼に殺されかけ本当にずっと大変な目にあっている、それが可哀想でライムは殺しにかかったというよりかは、もっと深い因縁があるように見える。


(あ、あのムエルダーって誰なの!?)

(大悪魔よ?普通知ってるでしょ)


宗教のことはまだこの歳というのもあって誰も教えてはくれなかった、宗教名などの浅いことは分かるがその中の偉い者達の名までは分からなかった。


(でもそれってただの悪魔とあんま変わらない気がする、昔本で読んだけどあんな力は)


教皇交代時の本を少し読んで大悪魔の戦闘力はそれなりに知っていたはずだ、それともその本は昔の情報だから今とは全く違うのかもしれない。


ライムが指をムエルダーに向けると目の前にあった建物や雑草にさえ一切攻撃は当たらなかった、なのにムエルダーにだけは放たれた熱線が直撃した。


「こういう時人を驚かすのが趣味なのは悪趣味か?俺は全ての魂を自由に操れる、昔だから俺は人の魂しか好まなかった、それに……俺の能力は知っているだろう?ライム」

「皆食ったんだろ?死んだも同然な魂なんてきにはしな」

「俺がいつ魂を抜いた人間を殺した言った?ほとんどの人間は生きてるさ」

「……まさか!」


あの時エネスに人肉を食べさせた理由は間接的宗教勧誘でもなんでもなくただ罪悪感に浸る自分を見たかったからか?


なんて思ったがきっと正解だ、人を食わずとも生きていけるのだから自分の趣味か何かで人に食わせていると考えれば、まだ生きている体は何百とあるんじゃないのか?


ライムがここでムエルダーの上に表示された998という数字を減らせば減らすたびその魂は消えてその分人が死ぬ、ライムは人を殺さないことを心に刻んでいるのでこれを教えたら。


「俺は殺されるだろうさ、だがその時お前は、自分が人を殺したとは絶対に思わない」


ライムがエネスを抱えてこの場から去ろうとする、あいつも追いかけてくる様子はないがあの言葉が何かのトリガーになったとは考えにくい、話している時間が無駄とも思えない。


なら何故だろうか?


「エネス!今こっちにつけば必ず国からの追跡も解いてやれる!」

「……」

(いいの?あっちについた方が絶対いい思いができるわよ?)


フリティもムエルダーも言っていることはエネスに得しかないし将来性が追加でくる、だがそれでも兄のことやライムが教えてくれたことなどを知れば憎しみしか生まれない。


「そこの親も守れなく目の前で犯され殺され好き放題された挙句、結局何もできずにうろうろ無職してるそいつなんかに頼っても何も出ないぞ?あるとしても王族で"ありながらの"奴隷としての道だけだ!」

「黙れ!」


炎で口を溶かそうとライムが指を向けたがムエルダーは微笑んだ。


「俺の命が今とても弱い状態だとしたら、お前じゃ何もできないよなぁ?」

「魂は、空の体に戻りはするか?」

「もちろん!」


これを聞いて見るとやっぱりライムでは何もできないだろう、優しさというより昔に何かがあったせいで特定の人物しか殺したくないのだろう。


「何が目的だ?」

「エネス……も欲しいが、これじゃ仲良くはなれないか、皆んなは魂が欲しいらしいけど俺は最高の何かを食べたい」

「待て待て待て!崇央教ってそんなじゃないだろ!」

「そうだったけど、皆んなは持ってないものは全部欲しい主義でさ?もちろん俺もそうだろうけど」


エネスからしてこの宗教は世界征服だとか魂よりも、もっと恐ろしいことをしたいんじゃないのかと考えた。


(関わりたくない……最高の何かって大悪魔は何千年か生きてるんだし、すでに何か食べてるはずだろ?)


それもそのはずだ、この世界にあるもので食べたことがない物などないはずだ、人も木の皮も食べただろうしいったいこれ以上ないのに何を望むんだ?


「魂だとか……ろくなことじゃない」

「まぁ、エネスはもう諦めるよ、自分なんかじゃ見合う人じゃない」

(大悪魔なのに案外心弱いのかな?)


フリティが少し疑問に思う、歴史上で司教から大悪魔に変わるほど悪行を重ねてきた奴らに人間性なんてものはないと思っていたが、いや、どうせ人の心なんて持つわけがない。


「もういいだろ、これ以上付き纏われたって迷惑なだけだ、確信がない以上今の俺はお前をころすことができる」

(うわー……このセリフこの場面?ていうか、よく聞くのと少し違うし)


心の中でエネスとフリティがほぼ同じ考えを持っていた、まぁあぁやってライムが言ったのは魂が体に戻る核心がないからお前一人なんて殺せちゃうぞって意味だ。


「できっこないくせに」


ムエルダーがライムに近づいてきた、自分は路地裏付近に行きそれを眺めることにした。


「そもそも俺を殺したら後悔するのは結局お前、昔復讐しようとしてあんなめに……もしも彼女がまだ魂のスロットにいるとしたらきっと、助けてー!って、泣き叫んでるだろうよ?」

「そうか、何百人がとり込まれてるか知らないが……そんな脅しで国や周りが左右されるような結果にたどりつかないために俺はお前を殺すよ」


ムエルダーはあの時の攻撃でライフと例えた魂が1減った、つまり一般人の死ぬレベルの攻撃を998回浴びせれば勝てるわけだ。


「良かったなぁ、お前の相手が暴食で……」

「街で暴れたら死人が出るだろう?そもそも俺は、まだお前が更生するなら許す」

「え?いやいや!でもあいつがしたことは消せない罪だ!」


エネスは自分の兄が殺されたことを許すつもりはない、なので必然的に更生すると言えば逃げられる状況が望ましくなかった。


「俺は更生できないさ、神同然の人を裏切って、いったい誰が自分の罪を消してくれるんだ!!」

「消すとは言ってない、もらうだけだ」

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