表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/79

ゴブロよ、永遠に…。

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

挿絵(By みてみん)

▼火の玉、決戦の地へ


「行くか……あの宿敵のもとへ……!」


 壁の中でつぶやく俺。おでこからは、今日も控えめな鬼火がゆらゆら。


 ダンジョン下層の通路。その先に奴がいる――元気なゴブロ。超回復というイカサマスキルを持ち、以前は何もできず逃げ帰るしかなかったあの強敵だ。


 でも、今の俺には《祟り》がある。そして鬼火との合わせ技で、回復速度を超える持続ダメージを出せるかもしれない。


「しつこさなら、俺に任せろ……!」


▼接触、元気なゴブロ


 ドスッ、ドスッ――あの重い足音が近づいてくる。


 ゴブリンより頭一つ分でかく、ムキムキボディに妙に快活な顔。いつ見てもインパクト強い。


「ヌハハッ、ゴブロ、キョウモ、モリモリ!」


 うるさい。だからお前はうるさい。


 俺はそっと地面に潜り、ゴブロの足元に接近。


 ぺたり。


 《祟り》、発動。


 そして鬼火の炙り攻撃も同時に継続。どちらも地味すぎてエフェクトもない。でも俺は知ってる。これは……効いてる!


▼日課、ゴブロ弱体化観察日記


 一日目。


「ン? アチチ? アシ、ムズムズ……」


 鬼火にちょっと反応。祟りには気づいてない模様。


 二日目。


「ネム……ナンカ、ネム……」


 精神的な祟りダメージがじわじわ効いてきたか。


 三日目。


 他のホブゴブリンがひそひそ話し始める。


「ゴブロ、チョット、ヘン……ネ?」


「ウ、ウム……マエミタイニ、ホエナイ……」


 かつての「モリモリ!」が嘘のように、ゴブロは元気を失っていく。


 目に光がない。挨拶の声にも張りがない。


 今日も俺は張りつき続ける。祟りと鬼火の合わせ技で、じりじりと削る。


▼五日目、決着


 ゴブロはもう歩くのもやっとといった感じで、足取りが重い。


「ウ……ゴブロ、……モリ……モ……」


 そのまま、ばたり、と前のめりに倒れた。


《ユニーク個体『元気なゴブロ』を撃破しました》

《経験値を獲得しました》

《レベルが6に上昇しました》


 やった……やったぞ……!


 これが、俺の勝利。


 鬼火と祟り、地味スキルの二段構えが、あの再生ゴブリンを上回った瞬間だ!


▼仲間の追悼(?)


 周囲のホブゴブリンたちが、倒れたゴブロを囲む。


「ゴブロ……サイキン、ゲンキ、ナカッタ……」


「アシ、チョット、アツソウ、ダッタ……」


「……モリモリ、……イワナカッタ……」


 まるで葬式みたいな空気が流れる。


「ナマエ、ゲンキナ、ナノニ……」


「ナノニ……」


 ちょっと泣きそうになるからやめてくれ。


▼火の玉の勝利、火の玉の課題


 こうして、俺は元気なゴブロを倒した。


 でも、たぶん俺は、これからもこの路線なんだと思う。


 超火力の魔法とか、即死級のスキルじゃない。俺にできるのは、地味に、確実に、相手を弱らせて倒す、しつこくて執念深いやり方だ。


「……俺って、本当、火の玉のクセにじめっとしてるな……」


 でも、それでも、やっていけるって分かった。


 少しずつ、成長してる。


 俺は火の玉――ウィル・オー・ザ・ウィスプ。元・高校生、玉森 透。異世界で一番地味な転生者。


 だが、この地味さが、俺の強さだ。


つづく


ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
奈良出身の私にも心に響きました。 奈良と異世界、通じるところがあると思うんです。 これからも頑張ってください。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ