ゴブロよ、永遠に…。
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▼火の玉、決戦の地へ
「行くか……あの宿敵のもとへ……!」
壁の中でつぶやく俺。おでこからは、今日も控えめな鬼火がゆらゆら。
ダンジョン下層の通路。その先に奴がいる――元気なゴブロ。超回復というイカサマスキルを持ち、以前は何もできず逃げ帰るしかなかったあの強敵だ。
でも、今の俺には《祟り》がある。そして鬼火との合わせ技で、回復速度を超える持続ダメージを出せるかもしれない。
「しつこさなら、俺に任せろ……!」
▼接触、元気なゴブロ
ドスッ、ドスッ――あの重い足音が近づいてくる。
ゴブリンより頭一つ分でかく、ムキムキボディに妙に快活な顔。いつ見てもインパクト強い。
「ヌハハッ、ゴブロ、キョウモ、モリモリ!」
うるさい。だからお前はうるさい。
俺はそっと地面に潜り、ゴブロの足元に接近。
ぺたり。
《祟り》、発動。
そして鬼火の炙り攻撃も同時に継続。どちらも地味すぎてエフェクトもない。でも俺は知ってる。これは……効いてる!
▼日課、ゴブロ弱体化観察日記
一日目。
「ン? アチチ? アシ、ムズムズ……」
鬼火にちょっと反応。祟りには気づいてない模様。
二日目。
「ネム……ナンカ、ネム……」
精神的な祟りダメージがじわじわ効いてきたか。
三日目。
他のホブゴブリンがひそひそ話し始める。
「ゴブロ、チョット、ヘン……ネ?」
「ウ、ウム……マエミタイニ、ホエナイ……」
かつての「モリモリ!」が嘘のように、ゴブロは元気を失っていく。
目に光がない。挨拶の声にも張りがない。
今日も俺は張りつき続ける。祟りと鬼火の合わせ技で、じりじりと削る。
▼五日目、決着
ゴブロはもう歩くのもやっとといった感じで、足取りが重い。
「ウ……ゴブロ、……モリ……モ……」
そのまま、ばたり、と前のめりに倒れた。
《ユニーク個体『元気なゴブロ』を撃破しました》
《経験値を獲得しました》
《レベルが6に上昇しました》
やった……やったぞ……!
これが、俺の勝利。
鬼火と祟り、地味スキルの二段構えが、あの再生ゴブリンを上回った瞬間だ!
▼仲間の追悼(?)
周囲のホブゴブリンたちが、倒れたゴブロを囲む。
「ゴブロ……サイキン、ゲンキ、ナカッタ……」
「アシ、チョット、アツソウ、ダッタ……」
「……モリモリ、……イワナカッタ……」
まるで葬式みたいな空気が流れる。
「ナマエ、ゲンキナ、ナノニ……」
「ナノニ……」
ちょっと泣きそうになるからやめてくれ。
▼火の玉の勝利、火の玉の課題
こうして、俺は元気なゴブロを倒した。
でも、たぶん俺は、これからもこの路線なんだと思う。
超火力の魔法とか、即死級のスキルじゃない。俺にできるのは、地味に、確実に、相手を弱らせて倒す、しつこくて執念深いやり方だ。
「……俺って、本当、火の玉のクセにじめっとしてるな……」
でも、それでも、やっていけるって分かった。
少しずつ、成長してる。
俺は火の玉――ウィル・オー・ザ・ウィスプ。元・高校生、玉森 透。異世界で一番地味な転生者。
だが、この地味さが、俺の強さだ。
つづく
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