たたる火の玉
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▼火の玉、またしても修行に入る
「はぁ……ゴブロ、強すぎない?」
今、俺はダンジョンの下層、ちょっと広めの通路の脇――というか壁の中に潜んでいる。おでこだけ壁から出して、通路の先をじっと見つめる姿勢はもはや日課。最近の俺は、火の玉のくせに妙に生活感がある。
なぜこんなことになっているのかといえば――前に遭遇した、あの超回復ゴブリン、元気なゴブロのせいだ。
あいつ、冗談抜きで俺の天敵だ。俺の数少ない攻撃手段・鬼火は、じりじりと低火力で焼き続ける戦法。それで今までなんとかしてきたのに……あいつ、勝手に体力が回復する。もはやズルでは?
だが、逃げてばかりもいられない。逃げ回って、レベルを上げて、何かしら新しい手段を掴むしかない。俺はそういうやつだ。火の玉だけど。
▼いつもの地味地獄、再開
「……おかえり、ホブゴブリン」
俺は今日も壁の中から頭だけ出して、いつものようにホブゴブリンにそっと接近した。
そして、おでこの先端の鬼火をホブゴブリンの足首にそーっと、ちょん、と。
――ジュッ……
「ア……アチ? ナンダ……」
反応が来た。よし、今日も元気に地味に炙っていこう。
三日。三日でようやくホブゴブリンが倒れる。
いや、嘘。今回は四日かかった。ちょっと運が悪かったか、ホブゴブリンが粘ったか。でも倒せた。大事なのはそこ。
そして。
《レベルが5に上昇しました》
《スキル『祟り』を獲得しました》
「……新スキル、来たぁ!! たたり!? お前名前こわっ!」
▼祟りの性能チェック
新しいスキルの名前が完全にホラーだけど、性能は――
《祟り:一定時間、対象の至近距離に留まり続けることで継続的な呪いダメージを与える》
うん、なるほど。すごく俺らしいスキル。
つまりは、敵にぴったり張りついて「なんか最近体調悪いな……」みたいな気分にさせる攻撃ということだな。直接殴れない俺にはありがたい。
さっそく、試すしかない。
▼さっそく実験開始
そのへんをのしのし歩いてたスライムにこっそり近づき、ぺたっと接触。
鬼火じゃなくて、今回は意識的に“祟り”を発動。
十秒、二十秒、三十秒……
スライムがぷるぷる震えて、ぴょんと跳ねた。
「……あ、ちょっと効いてる?」
地味だ。地味すぎて効果音が聞こえないレベル。
でも、ちゃんと削れてる。
五分、十分。ねちっこく張りついた結果、スライムはぐにゃりと崩れた。
「……うん、やっぱ地味」
でも、これが俺のスタイルだ。
▼ゴブリンで再実験
次に、遠くで石ころを蹴って遊んでいたゴブリンに接近。
そーっと後ろに回って、ぺたり。
“祟り”発動。
「……ウ、ウゴ……アタマ、イタイ……? ヘン、ナンカヘン……」
頭を抱えてよろよろするゴブリン。
たぶん、めちゃくちゃ気分悪いんだと思う。
それでも気づかれず、じわじわとダメージを蓄積。
十五分後、ゴブリンはそのまま静かに崩れた。
「よし。やっぱり効果ある……けど地味!」
▼これが俺の新たな武器
地味で、時間がかかって、じわじわ効いて。
それでも、俺には必要な手段だ。
「……鬼火も、祟りも、火力じゃない。俺はただ、しつこいだけなんだよ……!」
俺のこのねちっこさ。粘着質さ。異世界でも健在だった。
次は、ゴブロだ。
鬼火だけじゃ足りないけど、祟りを組み合わせれば……勝機はあるかもしれない。
火の玉のしつこさ、見せてやるよ。なぁ、元気なゴブロ――待ってろよ。
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