ドラゴン…?
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ジャイアントバットとキラープラントに同時に接敵した俺は、瞬時に後退する。
「クソッ、同時は勘弁してくれ……っ」
翼を広げて飛び回るバットと、地を這うように襲い来るプラント。
それぞれ性質の異なる敵に、どう対処するかを考えあぐねていたその時だった。
ズシンッ……。
地響きのような音が、洞窟の奥から響く。
「……地震?」
違う。
それは、規則的な足音だ。
ズシン……ズシン……!
洞窟の通路が微かに揺れている。
その音に気づいたバットとプラントが、一斉に動きを止め──蜘蛛の子を散らすように、奥の影へと逃げ去った。
(なんだよ……なんだよ今の……)
嫌な予感が脊髄を走る。
そして、闇の向こうから現れたのは──
巨大な四足歩行の魔物。
翼を持ち、鱗に覆われた、禍々しい姿。
「ドラゴン……!?」
目の前に立ち塞がるのは、まさしく──
──ドラゴンだった。
「おいリーゼロッテ!! ドラゴンって……俺たち、勝てる相手なのか!?」
思わず叫ぶ。
隣にいたはずの彼女は、まっすぐドラゴンを見据えていた。
「ドラゴンは魔物の頂点。強靭な体に強力な魔法……ユニーク個体になったとはいえ、私たちみたいな魔物が倒すだなんて……思い上がらないことだよ」
その声は冷たく、冗談の一つも混ざっていない。
(やばい……今のリーゼロッテ、いつもと違う……)
ドラゴンはゆっくりと、だが確実にこちらへ歩を進めている。
ズシン、ズシンと洞窟を揺らしながら。
(どうする? こっちに向かってくる。逃げる? 俺だけなら影移動で離脱できる。けど、リズは……?)
冷や汗が魂に滲む。
その時だった。
「ぶふっ」
不意に、隣の鎧から吹き出すような音。
キョトンとする俺。そして、なぜかドラゴンモドキも首を傾げている。
「ごめんごめん、本気で焦ってるのが面白くって…!!」
「は? はあああ!?」
「最近の君は天敵がいなくて天狗になってるんじゃないかと思ってね、コイツを使ってビビらせようとしたんだ。」
リズの言葉が頭に入ってこない。
「な、何言って……」
そのままツカツカとドラゴンに向かって歩いていくリーゼロッテ。
「おいしょ!」
軽やかな掛け声とともに、彼女は巨体を──持ち上げた。
「……は?」
じたばたと暴れるドラゴンモドキ。
「コイツはドラゴンモドキ。ドラゴンに擬態するただのデッカいトカゲだよ」
「ドラゴンモドキだって!?」
「そうそう、翼はあるけど飛べないし。ブレスも吐けない。この巨体もほとんど空気のハリボテなのさ」
力が抜けた。
「……なんだよ、それ……マジで死ぬかと思った……」
俺はふらふらと地面に座り込む。
リーゼロッテはその様子に笑いながらも、ふと真剣な声に戻る。
「でもね、ドラゴンが怖い生き物ってのは本当だよ。いくら物理攻撃が効かないからって、油断してたらすぐにもう一回死んじゃうよ」
そう言いながら、彼女はドラゴンモドキを片手で振りかぶり──
「ほいっ」
パコーン。
鈍い音とともに、ドラゴンモドキはバウンドしながら洞窟の奥へと転がっていった。
ボイン、ボインと跳ね返りながら……。
(……ドラゴンに擬態、か)
それほどまでに、ドラゴンってのは──
(強さの象徴ってことなんだな)
俺はしみじみと実感しながら、深く息を吐いた。
確かに、いつ強大な魔物が現れるか分からない。しっかりふんどしを締め直さないとな…!
さっきより一層慎重に、3階層を進んでいく。
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