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戦いを終えて

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!


 戦いの余韻が、まだ森の中に残っていた。


 削り合い、毒と瘴気と火の玉と。

 あれほどの混乱の果てに、今、俺たちは──静寂の中に立っている。


 グリゴロが、ゆっくりと枝を揺らす。

 あれほど穏やかだったあの“まじないの気配”が、ほんの少しだけ、揺れていた。


「……終わったな」


 巨木の声は低く、しかし深く響いた。


「ありがとうな、グリゴロ。回復してくれてなかったら、俺、あのファイヤーボールでマジで消えてたわ」


「礼には及ばん。むしろ……助けられたのは、わしのほうかもしれぬな」


 そう言って、グリゴロは静かに宙を見上げた。


「近ごろ、感じるのじゃ……この森だけではない。大地に、空に、世界のあちこちに……あの瘴気の気配をな」


(……瘴気の気配……?)


 あの不快なモヤ。魂の内側が腐るようなあの感覚が、世界中に──?


「ダントンが使っていた瘴気の杖。それと同じ気配が、あちこちで広がっておる。やがて、世界を覆うやもしれん」


 グリゴロの声が、どこか悲しげに揺れた。


「瘴気が世に蔓延るということは……そう、魔族が、再び動き出しておるということよ」


(魔族──)


「勇者が魔王を討ち、幾年が過ぎた」


「だが──あの者でも、魔族を完全に根絶やしにすることは叶わなんだ」


 その言葉に、どこかざらついた音が混じる。


「……旅の最中、この森に立ち寄ったあやつは、少々優しすぎたでな。……勇者、マモリ…。」


(……)


 まただ。


 また、あの奇妙な感覚が胸をかすめる。


 名前を聞いたとたん、頭の奥がざわめいた。


(何か、引っかかる……でも──思い出せない)


 俺が黙り込むと、グリゴロは少しだけ微笑んだ(気がした)。


「お主が此度、瘴気と戦ったのも──運命だったのかも知れぬな」


 ゆっくりと、幹を揺らす。


「しつこき火の玉トオルよ、力を付けよ。もっとだ。まだまだ、お主はこれからじゃ」


「……ああ。俺だって、やれるってとこ、見せてやるさ」


「南へ行くのじゃ」


「南?」


「この森より南──乾きの大地。その荒野の中に《戦士の墓》と呼ばれる古きダンジョンがある」


「……墓?」


「お前の望むものがある。わしには、そう思えるのじゃよ。……導かれるようにな」


 風が吹いた。瘴気ではない、乾いた風。


 俺はその風の向かう先を、じっと見据える。


(“俺の望むもの”……か)


 何を求めてるのか、自分でもよくわからない。

 でも、行く理由には──それで充分だった。


「ありがとな、グリゴロ。またどっかで、会おうぜ」


 俺はそう言って、森を後にした。


 《戦士の墓》──新たなダンジョンを目指して。


次回より新章──「戦士の墓編」スタート!

さて、あっけなくスッと囁きの森編は終わりです!

次回から戦士の墓編に突入しまーす!


ここまで読んだあなた、

さては結構気に入ってるんじゃないですか!?

ブックマークとレビュー高評価を待ってるぜ!

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