癒しのまじない
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マタンゴが白い胞子をぷしゅっと吹きながら森の中へ消えたあと、俺は再び戦場へ戻った。
敵は、まだ七人。
……が、こっちはというと──
(MP、残り11……うん、詰んでる)
昨日の《透明化》に加え、今朝も《影移動》《ダークボール》を使ったせいで、残弾はごくわずか。
魔法の連打は無理。張り付き祟り作戦も、MPの都合で1回が限界。
(でも、引けない。こっちにはフォレストウルフたちがいる。俺だけ逃げるわけには……)
そんなことを考えているうちに、前方から弓が飛んできた。
「──!?」
俺には当たらない。物理無効だ。
だが、フォレストウルフには命中し、傷ができた。
(クソッ、当たるのは俺じゃない……仲間だ!)
俺は浮かび上がり、敵の弓兵の注意を引くように右へ移動。
それを追うように、敵の視線が少しだけ逸れた。
その一瞬を突いて、フォレストウルフが木陰から突撃──ガブッ!
弓兵の脚に食らいつき、倒した。
(……これで六人!)
確実に数は減っている。でも、残ってるのは魔法使い含めて精鋭。
こっちが手札を切らされてるのが見抜かれてる。
「また出たな……あの火の玉」
「さっきの魔法で捕まえたヤツか?」
「違う個体かもしれないが、念のため焼いておくか」
敵の魔法使いが、杖を構える。
そして──
「ファイヤーボール!」
ドン、と空気が震えた。
見たことのない、真っ赤な魔弾が一直線に飛んできた。
《ダークボール》より速い。太い。威力が段違い。
(やばい、これは──!!)
避けきれない。速度が違う。
ドガァァァァン!!
爆発音とともに、視界が真っ白になる。
(……あ、これ死んだかも)
意識がふわふわして、炎が全身にまとわりついているような感覚。
俺は霊体のはずなのに、魂ごと焼かれているような痛みが全身を駆け巡る。
(……ステータス、確認……!)
――――――――――
【レベル:6】
【HP:3/21】
【MP:3/56】
――――――――――
(……やっば)
完全に瀕死。あと一撃もらったら終わる。
《透明化》どころか、《ダークボール》すら撃てない。
逃げようにも、浮かぶ力すら残ってない。
──終わったか?
そのとき、ずしん、と地面が揺れた。
「よく耐えたな、小さな魂よ」
背後から聞こえてきた、低くて重たい声。
振り返ると──そこには、グリゴロ。
根を張ったまま動かない巨木の精霊。
だが、その幹の奥から、柔らかい光が漏れていた。
「この森にいる限り、我が祝福は届く……《癒しのまじない》」
ふわり、と風が吹いた。
花粉のような光が舞い、俺の身体に染み込んでいく。
(……あれ? 温かい?)
そして──
ピコン。
――――――――――
【HP:21/21】
【MP:56/56】
――――――――――
(うおおお!? 回復した!?)
びっくりしている俺に、グリゴロが静かに言った。
「聖なる癒しではない。これは、まじないだ。だから、お前にも効く」
(……なるほど)
そうだ。俺はアンデッド。普通の回復魔法は、むしろダメージになる。
でも、“まじない”──その範疇にある力なら、俺でも救われる。
(ありがとな……グリゴロ)
燃え尽きたはずの体が、今またふわりと浮かぶ。
MPは満タン。祟れる。撃てる。消えることもできる。
(さて……ここから反撃、開始だ)
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