囁きと獣
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──森は、静かだった。
だがその静けさは、単なる音の無さとは違った。何かが、耳元で囁くような……そんな圧迫感のある沈黙。
「……“囁きの森”って名前、伊達じゃないな」
東の森をさらに進んでいたトオルは、ふと立ち止まり、周囲を見渡した。
木々の幹はどれもねじれ、霧がかすかに揺れている。
その時、風に混じって、かすかな“声”のようなものが聞こえた気がした。
──まもなく。
「……ん? 気のせいか?」
頭をふる。囁きの森に入ってから、何度も似たような“気のせい”に襲われている。
もちろん、敵意のある魔物の気配を感じたときとは違う。もっとこう……深く、どこか冷たい。
「……まあ、行ってみるしかないな」
トオルはふよふよと浮き直し、再び薄暗い道を進んだ。
⸻
ザッ──ザザッ。
草を踏みしめる音。
振り向くと、濃い緑色の毛並みがぬっと現れた。
「来たな……フォレストウルフ」
レッサーウルフよりも頭ひとつ大きい。目が鋭く、牙は太く、しっぽを大きく揺らして威嚇している。
その後ろから、もう二体。計三匹の群れでこちらを囲むようにしてきた。
「観察、っと……」
――――――――――
【名前】フォレストウルフ
【種族】獣系魔物
【レベル】6
【HP】28/28
【スキル】威嚇咆哮Lv2
――――――――――
「お、来た来た。《祟り》の実験にはちょうどいい」
トオルはそっと接近する。霊体の特性を活かし、音を立てずにじわじわと距離を詰める。
──発動。《祟り》。
じわり、と一体のフォレストウルフが動きを鈍らせた。
耳を伏せ、牙を食いしばり、唸り声をあげる。確かにダメージが通っているようだ。
「ふむ。やっぱ祟りは“意識のある生物”に対してよく効くな」
しかし、そのとき──
「グルルルル……ッ!」
別の一体が《威嚇咆哮》を放った。
空気が震え、視界がにじむ。
トオルの身体に一瞬、びりっとした違和感が走った。
《状態異常:鈍足》
「うおっ、まじか……! 威嚇系のデバフ、霊体でも効くのかよ……!」
急に移動速度が落ち、浮遊の軌道も重くなる。
「まずいな、祟りだけじゃ間に合わん。だったら──」
黒い球体を手から放る。
「《ダークボール》、設置!」
一体が突っ込んできた瞬間、ダークボールが炸裂。フォレストウルフが吹き飛ばされ、木に激突した。
【ダメージ:10】
「よし、まだ来るなら──もう一発だ!」
連続で設置し、祟りと組み合わせて体力を削る。
数分後、三体すべてのフォレストウルフが倒れ伏し、トオルの周囲には煙と息遣いだけが残った。
「……ふう。久々に動いたわ」
手を見る。鬼火の炎がゆらゆらと揺れている。
「祟りとダークボールの組み合わせ、やっぱ強いな……けど、威嚇系のデバフは無視できない。気を付けよう」
⸻
その後、トオルは森の東端近くまで探索し、小さな小川を発見した。
水は濁っており、腐葉土の匂いが強い。どうやら“静かの源泉”とは別物のようだ。
「東の森はこのくらいか……次は、西の森、だな」
そう呟いたとき、どこからともなく、またあの“囁き”が聞こえた。
──西の奥で、待っている。
「……今のは……幻聴、じゃないよな」
トオルは静かに身を翻し、東の森を後にした。
霧の濃さが、すこしだけ深まっていた。
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