死霊の寝床:下層
ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!
ふわり、ふわり。
俺は階段を一段ずつ……ではなく、ただゆっくりと漂いながら、ダンジョン「死霊の寝床」の下層へと降りていく。火の玉に足なんてついてるわけがない。おかげで音も立たず、スッと静かに移動できるのはありがたいが――
「やっぱ……雰囲気、重いなここ」
下層は上層・中層と比べてもさらに暗く、空気もよどんでいるような気がした。腐臭も弱まった代わりに、肌にまとわりつくような気配の圧がある。……まあ、肌なんて無いけど。
そんな中、漂っていたのは――俺と同じような火の玉。だが両脇に手が浮かび、ふわふわと奇妙に揺れながら徘徊する。
「……ゴースト、だな」
あいつらは俺の未来の姿かもしれない存在。だが今は、敵だ。
俺はそっと《観察》を発動して、一番近くにいる個体に目を向ける。
――
【名前】ゴースト
【レベル】6
【HP】24/24
【スキル】《ダークボール》
――
「うわ、やっぱ持ってるんだなダークボール……!」
見た目は不気味でも、なんというか……少し親近感がある。だけど、情けは無用だ。油断すればあの世行きだし、すでにあの世っぽい存在でもある。
俺はそっと距離を取り、周囲に他の魔物がいないのを確認してから、MPを込めて手をかざす。
「……《ダークボール》」
ズオォ……と、ノロノロ飛び出す黒い球体。あいつの背後にまわって、バン。
直撃。
ゴーストはビクンと反応し、ゆらゆらと振り返ったが、俺はすでに別の方向へ移動済み。
一発では倒れない。HPはまだ残っている。もう一発、慎重に――
バン。バン。
黒い弾が続けて命中。ゴーストのHPゲージがギリギリまで削れ、最後に力なくふわりと溶けて消えた。
――
【経験値を得ました】
【現在のレベル:10☆】
【MP:18/30】
――
「……やっぱりレベルは上がらないか」
そうだ。レベル10に到達したとき、“☆”の表示がついた。それ以来、いくら経験値を得てもレベルが上がる気配はない。きっと、ここが頭打ち……なのかもしれない。
「次に変化があるとしたら、進化……とか、そういうのか?」
分からない。でも、きっと“何か”がある。そう信じたい。
◆ ◆ ◆
そうして、何体かのゴーストを倒しながら慎重に進んでいくうちに――
俺は、見つけてしまった。
下層の奥。壁の向こうに、ほのかに揺れる霊灯のような明かり。
そして……重厚でもない、けれど確かに“意味ありげ”な扉がそこにあった。
「……これ、最深部ってやつか?」
どうせ俺は物理無効。扉を開けようとしても、何も起きない。
というか、開けようとすらしてないのに――
「って、うわぁあ!? すり抜けたぁッ!!?」
気がつけば、俺の体はふよふよと扉の向こうに入り込んでいた。物理干渉ができないのは便利でもあり、非常に困るときもある。
奥には……暗がりと静寂。まだ何も見えなかったが、直感が警鐘を鳴らす。
「……今はやめとこ」
俺は即座に引き返し、壁をすり抜けて再び扉のこちら側へと戻った。
「さすがに……準備くらいは、しておかないとな」
MPも半分くらい減ってる。HPは無傷だけど、精神的にはだいぶすり減った。
ふよふよと近くの物陰に身を隠しながら、俺はそっと小さく休息を取ることにした。
まだ見ぬ“最奥”に備えて。
ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!