再戦・下剋上
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ゴーストとの再戦。
それは、俺にとって“挑戦”であり、“検証”だった。
「……さて、やってみるか」
俺はダンジョンの中層、死霊の寝床の第2階層をそろりと進み、
先日出会ったあの――背後にワープしてくるゴーストの姿を探す。
──いた。
奥の影の中、青白くぼんやりと光る、あの「手が浮いてる火の玉」だ。
あいつは俺とは違い、すっと空気を切り裂くような動きをする。
けど、もう逃げるだけの俺じゃない。
俺には《ダークボール》がある。
「……置いてやろう。アイツの来る場所に、ゆっくりと。」
俺は、通路の横の陰に、
ノロノロと飛ぶ闇の玉をひとつ――《ダークボール》を放った。
目にも止まらぬ速さ、とは程遠い。
まるで“水中を泳ぐ泡”のような、のっそりとした弾道。
けど、それがいい。
「さて……おいで。背後に“ワープ”してくるんだろ?」
あえて真正面から飛びかかる。
わざとらしいほどに、わざと隙を見せて――
その一瞬。
──ヒュッ!
「きたッッ!!」
視界の端で、青白い光が背後に揺れた!
瞬間、俺の意識は振り返るより先に、
あの《ダークボール》の存在を感じた。
バンッ!!
闇の玉が、真後ろにワープしてきたゴーストに直撃。
──ジィィィッ……!
まるで魂を焦がすような音が空間に響き、
ゴーストの動きが一瞬、止まった。
「効いた……!」
ダメージは、大きくはない。
だけど、確かに“霊体に通る魔法攻撃”だ。
そして何より、あのゴーストの動きが鈍った。
「いける……いけるぞ、これ……!」
俺はすぐさま距離を取りながら、MPを確認する。
ダークボールの消費はMP5、まだ余裕はある。
次の弾を――出す!
そしてまた、奴がワープしてくる“予測地点”に、
ノロノロと弾を漂わせる。
これまでだったら逃げるしかなかった相手に、
俺は“罠を置く”という発想で戦っている。
なんだよ、これ。
めちゃくちゃ地味だけど――俺っぽい戦い方だな!
⸻
ゴーストが再度、背後にワープしてきた。
──バン!
またも直撃。
──ジィィィ……!
ゴーストは微かに呻いたような音を残しながら、
ふらふらと後退し……やがて、消えた。
【経験値を得ました】
【スキル《観察》の熟練度が上昇しています】
「やった……倒した……!」
ただし、油断はしない。まだ何かが来るかもしれない。
……けど。
ゴーストがいた場所に、ふわりと残されたものがあった。
それは、“青白い霊魂のかけら”のようなものだった。
俺は自然と、その霊魂に引き寄せられていく――
スゥ……
霊魂は俺の中に吸い込まれた。
──その瞬間。
身体の中で、“何かが響いた”ような感覚があった。
「これって……もしかして……」
ゴーストを倒して、霊魂を吸収した。
俺と同種の霊体から、何かを得た気がする。
ゴブリンとホブゴブリンのように、
ウィル・オー・ザ・ウィスプとゴーストも“上下の関係”なんだとしたら……
「……俺も、進化できるのか……?」
そう思った時、背筋を通るものがあった。
“成長していく”希望と、
“その先に何が待っているのか”という、漠然とした不安と――
俺は火の玉のまま、
ふわりとその場を漂いながら、静かに息を吐いた(※息してないけどな!)。
⸻
つづく。
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