表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/79

火の玉と黒い玉

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

挿絵(By みてみん) 


腐ったダンジョンにも、慣れてきた。


《死霊の寝床》中層。

腐臭が染みつくこの場所で、俺は……今日も、ふよふよと、ゾンビを燃やしていた。


 


「よーし、次のゾンビいってみよー」


目の前をよろよろ歩いてくる腐ったアンデッド。

ボロボロの腕、片方だけの靴、そして虚ろな目。


……あいかわらず、キモい。


でももう、慣れた。


《観察》——


【名前】ゾンビ

【レベル】4

【HP】58/58

【所持スキル】《腐臭》

「はいはい、定番の腐臭くんね」


距離をとって、即《鬼火》。


じゅっ……


一発、二発、三発。


皮膚が焦げてきたところで——


ボッ!!


火がついた!


ゾンビは火だるまにされて、ドサリと崩れ落ちる。


 


──《経験値を得ました》──


 


「はい! 燃やしたー!」


スケルトン、ゾンビ、異常再生ゾンビ、腐臭ゾンビ、腐臭で攻撃しながら回復してくるやっかいなやつ。

もう、何体燃やしたかわからない。


だが、その努力が——ついに実を結ぶ。


 


◇ ◇ ◇


 


あるゾンビを倒した瞬間、頭の中に響いた。


 


──《レベルアップ》──

──《レベル10☆ 到達》──

──《新スキルを獲得しました:ダークボール》──


 


「き、きたぁ……ッ!!」


念願のレベル10到達。しかも☆マークつき。

ついにこのときがきた!


目の前に、ステータスウィンドウが表示される。


【名前】しつこいトオル(ウィル・オー・ザ・ウィスプ)

【レベル】10☆

【HP】10/10

【MP】30/30

【スキル】

・《鬼火》

・《祟り》

・《観察Lv2》

・《ダークボール》

「MP30……予想より伸びたな。てか、観察もLv2になってたのか」


長いこと使い続けたおかげだろう。

《観察》でHPやスキルまで見えるようになっていたのも納得。


だが、今の注目は——


《ダークボール》。


 


◇ ◇ ◇


 


さっそく、試してみる。


「えーと……ダークボール、発動!」


ポウッ……という控えめな音と共に、

俺の前に、小さな漆黒の球体が現れた。


ゆら……ゆら……


「……おっそ!? えっ、これ……動いてるよな?」


とにかく遅い。もう、風船よりも遅い。


「いやいや、なにこの……ナメてんのかってくらいの弾速……」


でも、魔力の気配はある。

明らかに、ただの“見た目だけ黒い火の玉”じゃない。


俺のMPを——5も使ってるし。


 


「今までのスキルは、消費MPが少なかったから……正直、MP残量なんて気にしたことなかったけど……」


これは違う。

《鬼火》や《祟り》とは、スケールが違う。


MPがガッツリ削られる感覚。これが、本当の“魔法”か。


 


でも——それだけじゃ、終わらない。


俺の“意思”に応じて、ダークボールの向きが少しだけ変わった。


遅いけど、曲げられる。浮かせられる。

そして——


「……止まった?」


最小まで速度を落とすと、ほぼその場に漂い続ける。


「これ、置き弾みたいなことできる……?」


ふと、ゴーストが《影移動》で現れたあの瞬間を思い出す。


——もし、ワープ先にこの弾を置いておけたら?


「……よし。これは、罠だ。新しい戦い方ができる!」


 


◇ ◇ ◇


 


俺はついに、レベル10に到達した。

《鬼火》と《祟り》に頼りきってた火の玉に、

新たな手札が加わった。


まだ弱い。

でも、道は開けた。


「次のステージに進もう。いよいよ……進化、だな」


ふよふよと浮かぶ俺の背後に、黒く静かな魔弾——ダークボールが、ノロノロとついてきていた。

ブックマーク、レビューとかしていただけるとやる気に繋がります!本当にお願いします!やる気にね、繋がるんですよ!やる気はやっぱね、出たほうがいいですからね!ぜひね!お願いしますね!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ