スキルの進化
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ここが“死霊の寝床”の上層——霊廟の入り口。
暗くて、冷たくて、静かで、地味に怖いけど……今の俺には居心地がいい。
なにせ、誰も祈ってこない。塩も撒かれない。
これだけで、俺にとっては天国みたいなもんだ。
前回スケルトンを倒して以降、俺は完全に“研究者モード”に入っていた。
敵の動き、間合い、魔力の揺れ、スキル発動の兆候……
とにかく《観察》スキルを片時も止めずに、ひたすら情報を集める日々。
スケルトンを何体か焼いて、ウィル・オー・ザ・ウィスプも3体くらい観察した。
どいつも攻撃してこないから、怖がらずにじっくり見れるのがありがたい。
そんなある時——ふと、視界がピリッと揺れた。
「ん?」
次の瞬間、目の前にいつものアレが表示される。
⸻
【観察スキルがレベルアップしました】
→ Lv2になりました!
⸻
「き、きたぁ……ッ!」
ついに! ついにこの日が来た!
いや、特別な演出とか何もないし、音もないし、テンション上がるエフェクトも出なかったけど……
俺の心の中では、間違いなくファンファーレ鳴ってる!
興奮を抑えきれず、さっそく近くのスケルトンに《観察》を発動してみる。
⸻
【名前】スケルトン
【レベル】2
【HP】17/22
【所持スキル】《盾受け》
⸻
「うおっ、HP見えるようになってる……! しかも、持ってるスキルまで……!」
今まではスキルを発動してくれないと見えなかったのに、今は“持ってるスキル”のうち一つが自動で表示されてる。
「便利すぎる……! ていうか、こいつ《盾受け》なんて持ってたのか。骨のくせに守備意識高いな……」
自分にはまったく関係ないスキルだけど、こういうのが分かるのは単純におもしろい。
「こりゃ、もっと観察したくなるってもんだな……!」
観察は、戦いの準備。
情報は、命を守る盾だ。
今まで“たまたま勝てた”だけの相手も、
これからは“最初から手札が見えてる”状態で挑める。
これが、スキルのレベルアップってやつか……!
ちょっとだけ、プロっぽくなってきた?
◇ ◇ ◇
そして、しばらく進んだ霊廟の奥。
そこで出会ったのは、またしても“同族”だった。
ぼんやりとした青白い火の玉——ウィル・オー・ザ・ウィスプ。
……の、群れ。三体セット。
「うお、こんなに出てくるのかよ」
もちろん戦闘にはならない。
でも観察するには絶好のチャンス。
すぐさま《観察》を順番に発動。
⸻
【名前】ウィル・オー・ザ・ウィスプ
【レベル】6
【HP】12/12
【所持スキル】《鬼火》
⸻
【名前】ウィル・オー・ザ・ウィスプ
【レベル】7
【HP】13/13
【所持スキル】《幻視》
⸻
【名前】ウィル・オー・ザ・ウィスプ
【レベル】7
【HP】13/13
【所持スキル】《観察》
⸻
「おまえも観察するんかいッ!」
と思わずツッコミを入れそうになる。
……いや、俺だってそう思われてるのかもしれないけど。
でも、幻視とか、観察とか、同族でもスキルが違うことがわかったのは大きな収穫だ。
「ってことは、俺にも……何か追加スキルがつく可能性があるってことか?」
もしかしたら、いつか《幻視》とか覚えられるのかもしれない。
あるいは、もっと別の、トリッキーなものとか。
そう考えると、なんかワクワクしてきた。
◇ ◇ ◇
静寂の霊廟。そこにふよふよと浮かぶ火の玉。
「よし。そろそろ中層に行ってみるか……!」
観察スキルの力を引っさげて、
俺は、ひとつ階段を下りていく。
そこには、さらに強くて面倒くさいアンデッドたちが待っている……予感がしていた。
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