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神様遊戯世界  作者: 吉壱
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五話

 闘いが再開する。現状えんしょうに僕の攻撃が通用していない。これはまずい。どうにかしてダメージを与えないと僕のほうが先に死ぬ。でも僕の権能はどこまで出来るかよく分からない。光と闇はファンタジーゲームでよくある事から大体は想像がつく。生命と死はそのままだろう。不壊が分からない。不壊は一旦置いておいてまずは光と闇をと考えている内攻撃が来る。



           ズドン



 右前足が地面に突き刺さる。その後上体を反らして一瞬溜めた後ブレスを吐いてきた。



           ゴゥアー



 範囲が広すぎて避ける事が出来無い。僕は身構える。熱い熱い熱い熱い熱い熱い、だけど先程のブレス程ではない。身構える事が出来ていたからだろうか。そんな事よりも権能を上手く使わないと勝てない。神体能力だけではいくらやってもダメージが入らない。ちょっと鱗が硬すぎる。体術よりも槍術のほうが得意なのに。槍をくれ槍を。無いものねだりしてしまう。



 「貴様 我の炎を耐えるか。やはり先程よりも。」



 えんしょうが何か言っているがそれどころじゃない。熱いし痛いそればかりで話しを聴いている余裕はない。もっと権能の解釈を広げないと。えんしょうには勝てない。



 ようやく痛みなどが引いてきた。えんしょうは何故か動かない。今の内に権能の解釈を広げよう。光は神聖なもの。回復なんかできるだろうがそれは生命の方で済まそう。最近では光は電磁波といわれているので雷とか出せるか?。それに戦争などで有害な光が降り注ぐ事もあるから、敵対者を滅する光とか出せそう。闇はよく分からない未知のもの、暗黒、空間などを操るといった事もあったな創作では。良しこれで行こう。生命と死の解釈を広げるのは後回し。まずは今思った事が実際に実行できるかどうかだ。



 「貴様はなんだ。よく分からんな。弱いが我の攻撃で死なず立っている。ちぐはぐだ。」



 そう言ってくるが僕が分かる訳ない。そんな事よりもさっさと実行する事の方が大事だ。まずは光から。雷や全てを滅する光を、と想いながら左手に集中すると、雷がほとばしり光がより眩しく攻撃的になっていた。ひとまず成功。続いて闇はよく分からない未知のものと、暗黒そして空間を想像する。アハハよく分からないな。けど空間の力で一気に距離を無くす事が出来るかもしれない。いや出来る!!そう想像する。



 その時僕は想像する事に夢中で神器の朝夜印(ちょうやいん)がひとりでに動いていた事を認識する事は無かった。



 僕は空間を操り一瞬で距離を詰めた。えんしょうは何が起こったか分からない様子で、その隙に左手の雷がほとばしり全てを滅する光を纏った拳を振り抜く。



           ズバーン



 凄まじい音がしてえんしょうの身体全体に雷がほとばしったが、ビックリしただけで余りダメージを負っていない。僕はそれでも全然よかった。



 想い描いたように権能が機能する。何でもできそうになる万能感。今僕は最高に楽しい。このゲームは神ゲーだ。そう確信した。



 気分が上がりどんどん楽しくなってくるが、このままだと負けるという事はちゃんと理解していた。僕の方は余りダメージを与える事が出来てないが、えんしょうはまだ攻撃手段を残していそうで余裕がある。もっと権能を強くそして解釈を広げねば。



 えんしょうが右前足を振り上げる。先程と違い拳を握ってはいない。そのまま振り落とす。



           ブォン



 僕はそれを難なく避ける。そして僕は避けた事によって離れた距離を、闇の空間を操る事ができるようになった権能を使い近づく。だが近づいて攻撃しようとした瞬間、先程右前足が通った空間が爆ぜた。



           ブァガン



 僕はそれをもろにくらった。全身の骨が軋み、回転しながら宙を舞う。かなりの距離飛ばされやっと地面に着いた時には、脳震盪を起こしていた。脳震盪から回復する間もなく、えんしょうから僕に攻撃を浴びせられる。



 僕は何もできずただされるがままだった。その間僕は以外と痛く無いとかこの神体は頑丈だなとか思っていた。多分色々とマヒしていたんだろう。



 えんしょうの攻撃は止むことなく降り注ぐ。だが僕が死ぬ事は無かった。痛みにも慣れだんだんと傷を負わなくなった。僕の神体は何かが変わった。そう確信した。



 えんしょうが繰り出す攻撃は多種多様で覚えられず、そこから抜け出す事が出来てない。あれからどれくらい経っただろうか。攻撃され続けた事で頭が逆に冴える。僕はここからえんしょうを倒す方法を考えるだけの余裕が出てきた。



 えんしょうはこれだけ攻撃しているのに息が切れてない。まだまだ攻撃は続きそうだ。僕の反撃の一手は何処にある。もっと権能を上手くそして多様な使い方をしなければ。



 光と闇、生命と死、天界と冥界を統べる、そして不壊。全ての権能をフル活用しなければならない。あいにくと僕の神体は頑丈に成っていっている。えんしょうには悪いが、まだしばらくは考える時間があるだろう。先程よりももっと明確なイメージを、そして確固たる意思を持たねば。



 今一番不壊の権能が役立っているのは間違いない。おそらく不壊の権能のおかげで僕はまだ生きていられる。光と闇は技名を付け叫びながら技を繰り出そう。そうする事で技のイメージは確固たるものになるだろう。生命と死はそれぞれ自分と相手に、技にも組み合わせよう。



 どんどん技のアイデアが浮かぶ。その中でえんしょうを倒せそうなのを選ぶ。そんなに多くはいらない。技はすぐに決まった。これで行こう。そうと決まればまずはこの状況から抜け出さねば。そのための技を今発動させる。【光鏡(こうきょう)



 するとえんしょうは見当違いの場所を攻撃し始める。その間に僕はえんしょうから離れて息を整える。【光鏡(こうきょう)】は光の屈折を利用したいわゆる幻術だ。光を屈折させる事で僕の位地を実際とは違う場所にうつしている。普通は光の屈折でここまでの事はなかなか起きないというか、無いのかもしれないが、此処はゲームの世界で権能は解釈次第で何でも出来る。実際成功したしな。



 次は攻撃だ。左手に雷を集中させる。雷がほとばしり辺りが明るくなるが、【光鏡(こうきょう)】により僕の事はえんしょうには見えて無い。だからゆっくり慎重に技を完成させる。出来た。



 僕はえんしょうに向かって走り出し技名を叫びながら技を繰り出す。



 「朝御雷(あさみかづち)



 そう言ってえんしょうの胴体に拳を撃ち込んだ。



       バリバリバリバリドカーン



 凄まじい音と光で洞窟内がいっぱいになる。先程の雷と全てを滅する光の攻撃とは違い、えんしょうは苦しそうで、明らかにダメージを負っていた。僕の反撃開始だ。


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