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救援

シオン達が城門の制圧を終えた時であった。


シュタッ

シオンの後ろに秋桜コスモスが現れた。


!?


「何者だっ!」


突然現れた秋桜にゼファー伯爵とブルーネット公爵が剣に手を掛けた。


「大丈夫です。私の手の者ですから」


シオンが手をやり二人を止めた。


「珍しいわね。貴女が私の前に現れるなんて」

「はっ!緊急事態のため、急ぎ駆けつけました」


シオンは目配せして報告を促した。


「北の城門にて常闇の蜘蛛の幹部二名と交戦。劣勢です」


!?


「敵の人物はわかる?」

「1人はジグモ。目に見えない遠距離攻撃を使ってきます。もう一人はジョロウグモ。シオンお嬢様と同じく爆裂魔法を使いますが、飛ばしてくる球体のスピードが速く、避けるのがやっとです」


シオンは驚きを顔に出さず頷いた。


「ゼノン!馬を貸して!」

「わかった。オレも一緒に行く!急ぐぞ!!!」


飛び出していった二人をゼファー伯爵とブルーネット公爵も慌てて後を追った。


「まったく、先程自分の立場をわかっているのかと話したばかりであろうに!」

「本当に!しかし、いざとなったらこの身を盾にしてでも守りますぞ!」


全力で馬を飛ばして北の城門に向かうのだった。



「ハァハァ、これが本物の幹部の実力か………」


ジグモとジョロウグモはまだ余裕があり、ほとんどダメージがないのに、ゼータを始めとする護衛騎士達は満身創痍であった。


「まぁまぁ楽しめたぜ?少しヒヤリとした場面も合ったしな」

「ジグモはん、そろそろ終わりにしなはれ。時間切れや」


ジョロウグモはその場を引きたいようだった。


「あん?どうしてだよ?もう少しで奴らの主力部隊を一掃できるんだぞ?」


優れた人材はすぐには育たない。

今のうちに春夏秋冬の戦力を削っておきたいと考えるジグモに対して、ジョロウグモの本能が警鐘を鳴らしていた。


ヤバいヤツが近づいていると。


「欲張り過ぎると身を滅ぼしますでぇ~?」


扇で口元を隠しながら言った。


「ちっ、わかったよ」

「ほな、これで最後にしましょうか?」


ジョロウグモは上空に今までにない大きな鬼火を作った。


「これは速度が遅いんや。安心してなぁ~」


ゆっくりと迫ってくる恐怖を与える為であり、まったく安心できない状態である。


鬼火をゆっくり落下させるとジョロウグモとジグモは飛んで城壁の上に乗った。


「ほな、さいなら」


鬼火が落ちるのを見守る中で、それは起こった。


「あら?もうお帰りかしら?もう少し付き合いなさいよ!ゼノン!!!」

「まったく、注文の多いお姫様だな!?」


ゼノンは馬の上から魔力を練り、鬼火に凍りの魔法をぶつけて相殺した。

多少の爆発はあったが、たいした事は無かった。


「ジョロウグモの勘は当ったな。奴らはヤベーぞ?」


ジグモは不敵に笑いながらジョロウグモに言った。

ジョロウグモは返事もせずにシオンを睨みつける様に視線を送った。


「久し振りねジグモ。そちらはお初ね。ジョロウグモさん?」


「ええ、お初やねぇ。これからもよろしゅうにしてくれると嬉しいわぁ~」


………少しの無言が続き、二人は一斉に魔法を放った。


「鬼火!」

「爆裂球!」


シオンもスピード重視の爆裂魔法を放った。

ちなみに、シオンの魔法に名前は無かったので、とっさに今名付けたのです。


お互いの魔法がぶつかり、ドーーーーーン!!!!と、爆風が周囲を襲った。


「なんて威力なんだ!?」


腕を前にして顔を爆風を防ぎながらシオンの無事を確認する。


「オラッ!まだだぜ!これはどうだ!!!」


ジグモの見えない遠距離攻撃がシオンを襲った。

ガギンッ!


シオンに当たる前に、シオンの周囲には防御結界が張られていた。


「効かないわよ。これはお返しよ!雷撃!」


!?


「グワッ!!!?」


突然ジグモがうめき声を上げて膝を着いた。


「ジグモ、貴方の攻撃は魔法じゃない。見えない糸、【高糸鉄線】の使い手ね。あれ?確かそんな名前だったわよね?」

「オレはそのまま蜘蛛糸クモイトって呼んでるぜ?」


シオンの言葉に護衛騎士達は驚きの声を上げた。


「ジグモの攻撃は魔法じゃなかったのか!?」

「ジョロウグモの魔法の後に、自分の【魔法】と言っていたから騙されたぜ!クソッ!?」


『言葉の魔法』


上手くミスリードを誘われたのだ。

しかしジョロウグモは別の事で驚愕していた。

この世界では魔法の使い手は貴重なのだ。

そして、魔法は1人一つの属性が常識なのである。

ジョロウグモは爆裂魔法。


他には治癒魔法が使えるものはそれしか使えない。

だが、シオンは、爆裂魔法の他に結界魔法、電撃魔法と複数の魔法を使ったのだ。


驚かずにはいられなかった。

もしかしたらまだ他の属性魔法も使えるかも知れない。


「凄いですなぁ~他にはどんな魔法が使えるのか知りたいわぁ~~?」


そんな探りを入れてきたジョロウグモの言葉にシオンは素直に答えた。


「そんな事が知りたいの?私は基本的に全ての属性魔法が使えるのだけれど?」


!?


「「「はっ?」」」


これはジョロウグモだけではなく、護衛騎士も含めて全員がハモった。


「お、お嬢?それはマジで言ってるのか?」

「ええ。何をそんなに驚いているのよ?こんな感じでね」


シオンは手の上に炎、水、風、土、雷………と、順番に魔法を出していった。


「どうしたの?みんな???」


ああ、この非常識なお嬢様は!!!!??


この場にいた仲間達全員の心が一つになった瞬間だった。







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