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逆恨み

ほぼ中央に近い工業都市ドラムから北部へ【進軍】する事になった。

ゼノン皇帝はシオンの襲撃犯の探索に来ていた、各地域の私兵をまとめて、そのまま北部に向かわせる事にした。


「しかし、こんなに捜索に加わっていたんですね………なんだか申し訳ないわ」


今回、ようやく元気な姿を見た兵士も多かった。


「シオン様!元気になられて何よりです!」

「ゼファー伯爵、今回はありがとうございました」


シオンは深く頭を下げて御礼を言った。


「シオン様が元気な姿をみれば、娘のルナーリアも喜びます。帝都に戻られたら一度会って下さい」


「はい。必ず。それと皆さんも今回は私の為にありがとうございました!」


シオンは周囲にいる兵士達にも大きな声で御礼をいった。これには面識のない兵士も気分が良くなった。高位の貴族令嬢が末端の兵士にまで頭下げるという事で、好感を持たれたのだ。


「しかし壮観ですね」


シオンの周りには各地の精鋭部隊が集結し、帝都の近衛騎士達も合わせると500人ほどになっていた。


「まさかエリスさんがやって来るとは思っていませんでした」


途中で合流した帝都の騎士団を率いてエリスがやってきていた。


「お父様も西部に滞在していた為、部隊を率いる隊長クラスの将校が不足していたので。それに私もシオン様が心配だったのです」


エリスさん………ジーーン!

シオンは感動していた。


「まさかこんな形で親子で出陣するとはな。エリス、お母さんが心配する。同行は許すが、戦闘になった時は陛下と共に本陣で待機だぞ?」

「はい。自分の実力はわきまえています。足手まといな事はしません」


ブルーネット公爵はホッとした。

皇帝がシオンを見ていった。


「全員がシオンの身を案じて各地から集まってくれたんだ。無論、襲撃者との戦闘で犠牲者もでた。それでもシオンを襲撃した者が許せなかったんだ」


!?


私のせいで犠牲者が!?

シオンは自分を恥じてすぐにハルを呼んだ。


「襲撃者との戦闘で犠牲になった兵士を調べて。その家族に十分な御礼を送って下さい。生活が困らないようにね」

「はい。かしこまりました」


そして、進軍から3日ほど経って北部のメイゲン伯爵が治める領地へやってきた。


「ふむ、降伏勧告の使者を送ったが、向こうは徹底抗戦のようだぞ?」


領主が治める街は国境に隣接しているため、街全体が城壁で囲まれている。


その城壁の上に多くの兵士が弓矢を構えて待機していた。


「まさか他国の兵士を招き入れたのっ!?」


よく見てみると明らかに着ている鎧などの装備がバラバラだった。


「いや、他国の兵士なら他国の鎧で統一している。恐らく傭兵を雇ったのだろう」


「なるほど。確かヴァイス侯爵が雇おうと交渉していたわね。資金の問題で実現しなかったけど、メイゲン伯爵が代わりに雇った傭兵達かしら?」


「確かに、そういった話があったな」


ゼノンも少し前の事を思い出していた。


「シオンお嬢様、あの城壁を破るのは骨ですよ?攻城兵器は持ってきてないのですから」


ん~~~それは大丈夫かな?


シオンは別の事を考えていたら、城壁の上から声が聞こえてきた。


「この暴君め!ワシはドン・メイゲンじゃ!これは自身を守る為の当然の権利である!余計な犠牲者を出したくなければ引くがいい!!!」


恰幅のいい黒ひげのオッサンが大きな声で言ってきた。


「久しいな。メイゲン伯爵!貴様が依頼した暗殺者達の依頼書を手に入れた!貴様の血判もある!言い逃れはできんぞ!大人しく縛につけっ!」


「黙れっ!そもそも貴様が妃を1人にすると言ってきたのが始まりだ!通例通りにしておけば、ワシとてこんな真似はしなかったわい!」


うわぁ~~~こいつ本当のクズだよ!

自分の事を棚に上げてナニ言ってんのよ?


「いくら皇帝とはいえ、国境の守りの要であるこの城壁都市はそう容易く落とせんぞっ!」


シオンとゼノンは深いため息を付いた。

こいつ何もわかってねぇーわ。


「ゼノン、私がやっていい?」

「ああ、無茶と無理をしないレベルでやっていいぞ」


周囲の兵士達は落ち着いているトップ達に安心していた。きっと何か策があるのだと。


「ハル、アキ、城壁の上を頼めるかしら?」

「「お任せ下さい!」」


「後のメンバーは城門が開き次第突入して、帝国軍の突入の道を作りなさい」


「「はっ!!!」」


シオンは1人前にでて少し歩いた。


「ごきげんよう。シオン・オリオンですわ。ドン・メイゲン伯爵殿」


「き、貴様が!?貴様がサッサと死んでいればこんな事にはならなかったんだ!この疫病神がっ!?」


「あら?これは異な事を。そもそも、自業自得でしょう?国境を預かる者が、お金を積めば何でも通していたのでしょう?恥を知りなさい!!!」


ビクッ


シオンの迫力に気圧された。


「貴方はやり過ぎました。悪女より悪名い高いなんて許せませんわ。お覚悟よろしくて?」


シオンはゆっくりと魔力を高めると、城門へ向けて放った。


ドーーーーーーーン!!!!!!


一撃で城門が粉々になった。






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