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さて、行動開始です!

シオンは男爵の街で見つけた土芋や赤芋について軽く話した。


「まさか、食べられる作物とは知りませんでした」

「青芽は毒があるから気を付けないといけないけど、土の中で育つので、冷害などにも強いのです。保存も長期できますので、貧しい人々の食料に最適なんです」


それから調理方法もいくつか教えて、これから作付けの話までお願いした。


「これが軌道に乗れば多くの人々が救われます!」

「これについては、私にも分け前は貰いますからね?それに、料理によっては貴族も気に入る定番料理にもなるでしょうから、今から楽しみね」


ポテチ食べたい!じゃがバターも大好きだよ♪


簡単な契約書を作成し、シオンは子爵の屋敷を後にした。宿屋に戻るとハルとアキがジトーーーと、シオンを睨んできた。


「シオンお嬢様、何か言うことはありますか?」


「えっと………ごめんなさい?」


シオンがよくわからず謝ると、珍しくハルがキレた。


「なんでお嬢様が!領主である子爵の屋敷にいるんですか!?お嬢様が私達に領主を調べるよう命じたんですよね!?」


あ゛!?


「い、いや、それは不可抗力といいますか、たまたま、ワイン店に行ったら領主様が来ていてね~~」


それで、かくかくしかじかと言う訳だったのよ!


「せっかく調べて貰ったのにごめんなさい!」


素直に頭を下げることのできるシオンだった。


「ハルちゃん諦めろ。トラブルがお嬢に向かってやってくるんだよ」


ハルの肩に手を置いて顔を振る護衛騎士に大きなため息を付いた。


「そうですね。お嬢様はトラブルメーカーでしたね」


遠い方を見つめて黄昏れた。


「あ、あの!それで、その伯爵家の領地に行くんですか?」


アメリアが話題を変えようと聞いてきた。


「そうね。例の不良物件の伯爵家も隣の領地みたいだし、明日向かいましょう。あれ?何ていう名前だっけ?」


伯爵家としか聞いて無かったわ。

誰か聞いていたと思うけど。シオンが尋ねると護衛騎士の1人が答えた。


「伯爵家の家名がワルヨノー伯爵だったかと。ドラ息子の名前が、エチゴーヤ・ワルヨノー伯爵子息です」


ブハッ!?

またしても転生者であるシオンは吹き出すのだった。お嬢様、汚いです!


そして次の日になり、早速ワルヨノー伯爵家の領地へ向かった。ワルヨノー伯爵家の領地は帝都から、ちょうど東に位置していた。


半日で、そこそこ大きな街に着きました。


「街を見てみましょう」


街に入るとすぐにシオンは異様な光景を目にした。

それなりに活気のある街並みなのに、女性らしき人々がフード付きの服に身を包んでいて、顔がよく見えない状態で行き交いしていた。


「何よこれ?」


シオンは唖然としてその場で立ち竦んでしまった。


「ここは何か宗教でも流行っての?女性は素顔を出して歩いてはいけないなどの?」

「いえ、そんな話は聞きません。お嬢様は少し待っていて下さい!危険がないか調べてきます!」


取り敢えずシオン達は近くの喫茶店に入り、そこで軽く情報収集しつつ、ハル、アキ達が戻るのを待った。


ハル達はすぐに戻ってきた。


「お待たせ致しました」

「原因がわかりましたよ」


ハルとアキの目が、冷めたゴミクズを見るような目になっていたのが気になった。


「ここのゴミクズドラ息子が目についた女性を金と権力で強引に拐って自分のものにする事が多々あり、女性達が自衛の為に素顔を見せなくなったそうです」

「軽く聞いただけでも数十人は犠牲になっているそうです。中には結婚前毒牙に掛り婚約破棄された方や自殺した女性もいるそうです」


はあ?

シオンはハル達と同じ目になったのは言うまでもない。


「いくら何でも、貴族でも捕まる案件でしょうに!」


「前の男爵と同じです。ヴァイス侯爵の親類である伯爵家ですから、誰も逆らえなかったそうです。何度か憲兵にも相談されたそうですが、諦めるよう言われたそうで………」


【憲兵】というのは衛兵と違い、管轄が皇室になる法の番人なのだ。欠点は、街道沿いの街か、それなりに大きな街にしか配備されていない事である。だから普通なら貴族関係なく逮捕できるのだが………


「本当に、ここの皇帝ってマジ無能じゃん!皇室の栄光がちゃんとあれば、賄賂などで黙ることもないでしょうに。完全に下の者に舐められているわね」


「お嬢、口が悪いですぜ?」

「本当の事でしょう?」


シオンは不快感を顕にして言い返すのだった。



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