六話 始めたての冒険者は初めての依頼を受ける③「ユニークスキル」
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明日の7時あたりに次の話書きます。
【ユニークスキル】
それは、世界でも五万分の一の確率でしか得ることができない超レアスキルだ。
なぜなら、ユニークスキルは得ることのできた一人しか使えない貴重スキルだから。
世間では、神に与えられた幻のスキルとまでも言われている。
もちろん、俺も幻のスキル「ユニークスキル」を持っている。
でも、まさかあのアーシャが持っているなんて思ってもいなかった......
『ねぇ、さっきから言ってるユニークスキルってそんなにすごいのにゃ?』
アーシャは、にこにこしながら質問をしてきた。
コイツ......
「まあな......でもさ、アーシャ、今ここで話すのはやめにしないか?」
『えぇ、なんで......!?グレンってケチだにゃ~』
アーシャは、顔を締め付けながら俺に愚痴を吐いた。
「なんでも何もないよ。アーシャ、俺たちが今ダンジョンにいるんだぞ......!?」
いくら、初心者向けダンジョンでも油断はしてはいけない。
特に、アーシャは本当に要注意だ......
ダンジョン内にヘビとか現れたら、絶対丸のみにされて人生終了だろ。
まあ、その時は一応助けるけどさ......
.
『じゃあ、ダンジョンをクリアしたら話してくれるにゃ?』
「ああ、もちろんだ」
『じゃあ、早く終わらせようにゃ!』
アーシャは太陽のような笑みを顔にみなぎらせた。
なんだかんだいって、アーシャって本当にかわいいよな......
「うおっと.......」
すると、アーシャは、突然、俺の手を引っ張ってきた。
これは、俺も行かないといけないパターンだな。
「よし、次の層へ行くか、アーシャ!」
『うん!』
そういえば、S級冒険家メンバーだった時はこういうのってなかなかなかったな。
こうやって、話せる仲間がいるのって案外楽しいかもな......
【五層ダンジョン:二層目】
低級スライム:5体
低級ゴブリン:2体
『一層目より、増えてるにゃ......』
確かに、少し増えたな......
低級スライムは、いくら増えてもあんまり困らない。
しかし、ゴブリンが現れるのは少し厄介だ。
なぜなら、ゴブリンは雷に耐性があるから......
「まあ、雑魚には変わらないけどな」
『えっ......』
そして、俺は魔物たちに指をさしながら呪文を唱えた。
「フエスタ〈凍土〉」
その瞬間、向けた指から氷のような鋭いやりが何個も出た。
そして、そのすべてのやりが魔物たちの心臓をグサッとさした。
「ファン......」
この音、よし、倒したか......
氷属性の魔法は、初めて使うからちょっと緊張したな。
ま、やっぱ、実戦あるのみだな。
『すごいにゃ、グレン!それは上級魔法?』
いきなり、アーシャが俺にとびかかって抱き着き始めた。
なんか、胸らへんに柔らかいものが......
「いや、違うよ。これは、氷属性一番の底辺魔法だ」
そう、魔力消費を避けるために一応、俺は、一番消費の少ない魔法を使ったのだ。
『これが、底辺魔法!?なんか強すぎにゃい?』
「いや、これぐらいならちゃんと練習したら誰でも習得できるよ、もちろんアーシャもだよ」
ま、俺は練習をしたことないんだけどな......
これも、才能というやつなのだろうか。
『うっ......これから、もっと頑張るにゃ......』
まじめに魔法の練習に取り組んでなかったことを責められていると感じ取っているのか、アーシャはしょんぼりしてしまった。
そんなつもりはなかったけどな......
だけど、これから頑張ってくれるのならいいか......
「まあまあ、それより次の層に行こうよ!アーシャ」
そして、今度は俺がアーシャの手を引っ張りながら次の層へ行った。
【五層ダンジョン:三層目】
中級スライム:8体
低級ゴブリン:4体
ダークスネイク:3体
「ほうほう......」
さすがに、真ん中ぐらいになってくると難易度って上がるか......
ていうか、ダークスネイクってB級クラスの魔物なんだが。
おいおい、ここって本当にF級クラスのダンジョンなのか......
ん?スネイク......
『へ、ヘビ......!?』
アーシャは、ダークスネイクを見た瞬間に逃げの体制を構えた。
もちろん、俺は逃げる前に服をつかんだ。
『な、何するのにゃ......』
はいはい、そうだった。
アーシャは、ヘビが大嫌いなんだった。
「おーい、アーシャ、頑張るんじゃなかったのか?」
『で、でもさすがにへ、ヘビは無理なのにゃ!』
うん、確かにこの状況を見ればわかる。
めちゃくちゃ、足、震えてるもんな。
そんなに、ヘビが苦手なのかよ......
はあ、この層はアーシャにやってもらおうと思たんだけどな......
仕方ない......
「じゃあ、ダークスネイクは俺がやるから、それで問題ないな?」
『いいのにゃ!?ありがとう、グレン!』
アーシャは、俺にそう感謝を告げるとさっきのことが嘘のように震えがピタリと止まった。
そして、俺とは逆方向にいる魔物のところへ向かい、魔法を唱え始めた。
『アクシオス〈呼び出せ)!』
相変わらず、大きな声で呪文を言い放った。
「本当に、ヘビ以外なら大丈夫なんだな......」
あとで、ヘビ耐性を付けさせるために特訓でもさせようかな......
まあ、そういうこと考えるのは後で良いか。
こっちはこっちで、魔物倒さないといけないしな。
B級ダークスネイク二体か......
なんか、俺の能力の実験台にでもできそうだな。
「よし、じゃあ俺のユニークスキルを解禁するとするか」
そして、俺は魔物たちの方向に手をかざして、こう言った。
「能力吸収」
その瞬間、さっきまで目の前にいた魔物たちが『ファン』という音と共に、俺の手に吸い込まれて消えてしまった。
「ピロン......」
「ん......?」
それは、俺が持っていたカードから聞こえた。
見てみるとこんなことが書かれていた。
【冒険者:グレン】
新スキルゲット:【毒属性】【闇属性】毒息、毒の歯、サイレント
「いや、このユニークスキル、怖すぎだろ......」
あまり、この能力は人前では見せたくないな。
いざという時まで、使わないとこ......
『おーい!』
「ん......?」
アーシャの声だ......
ということは、もう魔物を倒したのか。
『あのさ、グレン!見て見て、なんかステータスが増えたよ!』
「それはよか、って___グオッ」
アーシャは、話すことに夢中になっていたのか、俺に抱き着いてきた。
だから、なんか胸が当たってるんだけど......柔らか......
『ほら、見てよ!』
「えっ......」
【冒険者:アーシャ】
Lv:12
クラス:C
魔力質量:A
魔力:140
体力:53
攻撃力:46
防御力:38
スキル:風〈上級魔法〉
(以上)
「すごいな、本当に上がっている」
並みの冒険者でもこんなに一気にレベルが上がったのは見たことがない。
しかも、もう上級魔法まで使えるようになっている。
すごいな、アーシャのユニークスキルは......
『すごいでしょ!だから、もしこのままいけば絶対Lv、上がるのにゃ!』
「確かに、このままいけば少なくともLv30にはなれるな」
『じゃあ、そうと決まれば......』
すると、アーシャは悪いことでも考えたようにニヤついた。
あ、大体わかった。アーシャが考えていること......
「行けばいいのか、四層に......」
『話が速くて助かるにゃ!』
はあ、今さっきのことで少し疲れたんだけどな......
アーシャのペースだと、休憩という概念はないらしい。
「仕方な___ってあれ、消えた?」
さっきまで、隣にいたはずなのになぜかもうあんな遠くにいる。
「ちょ、待てよ、アーシャ」
アーシャってこんなに足、早かったっけ!?
♢♦♢
「あれ、誰?」
今、俺たちはこのダンジョンの第四層にいる。
しかし、俺たちが今、目にしているのはとても信じがたい光景だった。
『ひ、人が封印されている!?』
そう、アーシャの言う通り、人がいる、いや閉じ込められているんだ。
しかも、透明な箱みたいなものに......
「女の子?」
なぜか裸、そして髪が長いし、胸がでかい。
やっぱり、女の子か......?
だけど、なぜかこれだけは確実に感じることができる。
____アイツには絶対近づいてはいけない
そんな気がする。
しかし、その瞬間、聞こえるはずのない可愛げな女の声が聞こえてきた。
「お願い、助けて」と__________
【五層ダンジョン:四層目】
銀髪美少女?:1名
ブックマーク7件本当にありがとうございます。
そして、良いね8件も来ていて本当にうれしいです。
ましてや、ポイントが15ポイントもいきなり入ってるなんて嬉しすぎる。
感想、レビュー書いてくれた人たち。本当に感謝しかないです。
次回もこうご期待!!!