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幕間 意識の狭間で
―――この人を失いたくない。そう思って体が動いた。
そう思ったのは誰だ。『私』か『俺』か。
『私』だろうか。あの人は雨の女神の、器、だから。きっと、あの人が死んでしまっては雨の女神の再臨は無い。女神の再臨こそがこの国の望み……。
……ダメだ!あの人は元の世界に帰してやらないと!
『俺』がそう叫んでいる。
『俺』はあの人を元の世界に帰す。
いや、本当は帰したくない。
あの人が『俺』を呼ぶ声を聞いていたい。
『俺』があの人を守りたい。その笑顔をそばで見ていたい。
『俺』はあの人と、ずっと一緒にいたい……。
『俺』は……アマネが―――
いつか教えてもらった小指の約束。
(俺が必ず、アマネを元の世界に……)
『俺』の意識はそこで途切れた。
明日も12時頃投稿です。




