2021年12月28日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#16 アルバム
サクソフォン奏者八巻和行さんのラジオ番組
こうのすFM フラワーラジオ
フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)
八巻和行の七転び八巻
というラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】
毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。
小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。
そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。
妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!!
こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです!
《番組への参加方法》
①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioのアプリをダウンロード
フラワーラジオを選局して、お気に入り登録
②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー
③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表
④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿
※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。
※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。
小説の書き方を意識しながら文字おこしをしています。
文章はできるだけ、投稿当時のままにしています。
言葉が二重になるのが気になるところは、手直しをしています。
サイト投稿回数 第16回目の今回は………
2021年12月28日放送。
妄想【愛の劇場】#16 アルバム
今、八巻の手元には子供の頃に写した写真が収められている、青い表紙のアルバムがある。
古いアルバムには、思い出がいっぱいあるのだという。
思い出したい美しいものなら歓迎だが、思い出したくない思い出は、歓迎したくない。
青い表紙を開く。
幼少の頃の八巻が笑っている。
父が一眼レフのカメラで写した写真を、母が丁寧にアルバムに収めてくれている。
一ページ、一ページ、アルバムのページを丁寧に開いては、くるくると回るように変わる喜怒哀楽の表情の切り取りに、両親からの愛を感じた。
出掛けた先だけではなく、家にいた時でさえカメラを構えては、愛息の表情を切り取り続けた父。
その様子を微笑みながら見守っていた母。
それだけで、八巻がどれだけ温かな家庭で育ったのかが伺える。
ふと、見慣れない女性の笑顔に目が留まった。
その輝くような笑顔に懐かしさを感じる。
しかし、誰だっただろうか。思い出せない。
その女性との思い出の切り取りは、一枚や二枚ではなかった。
幾つもの女性との思い出の切り取りを眺めながら、思い出せないが懐かしさを感じる女性の事を思い出そうと、八巻は過去の記憶に頭を巡らせた。
当時、女性は八巻の住むアパートの部屋の隣に住んでいた。
一人暮らしだったはずだ。
いつも輝くような笑顔で、八巻に声を掛けてくれていた。
八巻はこの女性のことが好きだった。
まだ幼すぎて、その感情が恋だと理解する事はできなかったが。
八巻が幼稚園から戻ると、ちょうど女性も仕事から帰ってくる時間のようだった。
八巻は女性の部屋へ遊びに行っては、女性とオヤツを食べたり、遊んだりしていた。
幼稚園から帰ったら女性の部屋で過ごす。
それが八巻にとっては大好きな時間だった。
いつまでも続くものだと信じていた。
ある日、八巻が幼稚園から帰っても女性は仕事から帰って来なかった。
次の日、一週間、一ヶ月と、時を重ねても女性は帰って来なかった。
八巻は不思議に思い、女性が帰って来ない理由を両親に聞いたことがあった。
しかし、両親もその理由は知らないと言う。
いつの間にか、女性が帰って来ないことに興味がなくなっていった。
気が付けば、女性の部屋がもぬけの殻になっていた。
それと同時に、さっぱりと女性のことが八巻の心から消えていった。
八巻はアルバムの中で笑う女性を見つめる。
今も輝く笑顔でいるのだろうか。
どこかで幸せに過ごしているのだろうか。
ふと、八巻は先ほどまで忘れていた輝く笑顔の女性の今を案じた。
写真の中の女性の頬を人差し指で優しくなぞりながら、八巻は自身の心臓が跳ね上がる感覚を覚えた。
八巻の青い古いアルバムには、まだ恋とはいえない恋心が隠れていた。
ありがとうございました。
次回もラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。
妄想【愛の劇場】#17「書き初め」




