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2021年12月28日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#16 アルバム

掲載日:2023/10/28


 サクソフォン奏者八巻和行(やまきかずゆき)さんのラジオ番組

 こうのすFM フラワーラジオ

 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)

   八巻和行の七転び八巻

 

 というラジオ番組の投稿コーナー

  妄想【愛の劇場】

 毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。


 小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。

 そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。


 妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!! 

 こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです! 

 《番組への参加方法》

 ①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadio(リスラジ)のアプリをダウンロード

 フラワーラジオを選局して、お気に入り登録

 ②パーソナリティ八巻さんのX(旧Twitter)をフォロー

 ③毎週日曜日の夜に、八巻さんのX(旧Twitter)から【作品のテーマ】が発表

 ④八巻さんのX(旧Twitter)のダイレクトメールから投稿

 ※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。

 ※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。


 小説の書き方を意識しながら文字おこしをしています。

 文章はできるだけ、投稿当時のままにしています。

 言葉が二重になるのが気になるところは、手直しをしています。


 サイト投稿回数 第16回目の今回は………

 2021年12月28日放送。

 妄想【愛の劇場】#16 アルバム


 今、八巻(やまき)の手元には子供の頃に写した写真が収められている、青い表紙のアルバムがある。

 古いアルバムには、思い出がいっぱいあるのだという。

 思い出したい美しいものなら歓迎だが、思い出したくない思い出は、歓迎したくない。


 青い表紙を開く。

 幼少の頃の八巻が笑っている。

 父が一眼レフのカメラで写した写真を、母が丁寧にアルバムに収めてくれている。

 一ページ、一ページ、アルバムのページを丁寧に開いては、くるくると回るように変わる喜怒哀楽の表情の切り取りに、両親からの愛を感じた。

 出掛けた先だけではなく、家にいた時でさえカメラを構えては、愛息(あいそく)の表情を切り取り続けた父。

 その様子を微笑みながら見守っていた母。

 それだけで、八巻がどれだけ温かな家庭で育ったのかが伺える。

 ふと、見慣れない女性の笑顔に目が留まった。

 その輝くような笑顔に懐かしさを感じる。

 しかし、誰だっただろうか。思い出せない。

 その女性との思い出の切り取りは、一枚や二枚ではなかった。

 幾(いく)つもの女性との思い出の切り取りを眺めながら、思い出せないが懐かしさを感じる女性の事を思い出そうと、八巻は過去の記憶に頭を巡らせた。


 当時、女性は八巻の住むアパートの部屋の隣に住んでいた。

 一人暮らしだったはずだ。

 いつも輝くような笑顔で、八巻に声を掛けてくれていた。

 八巻はこの女性のことが好きだった。

 まだ幼すぎて、その感情が恋だと理解する事はできなかったが。

 八巻が幼稚園から戻ると、ちょうど女性も仕事から帰ってくる時間のようだった。

 八巻は女性の部屋へ遊びに行っては、女性とオヤツを食べたり、遊んだりしていた。

 幼稚園から帰ったら女性の部屋で過ごす。

 それが八巻にとっては大好きな時間だった。

 いつまでも続くものだと信じていた。


 ある日、八巻が幼稚園から帰っても女性は仕事から帰って来なかった。

 次の日、一週間、一ヶ月と、時を重ねても女性は帰って来なかった。

 八巻は不思議に思い、女性が帰って来ない理由を両親に聞いたことがあった。

 しかし、両親もその理由は知らないと言う。

 いつの間にか、女性が帰って来ないことに興味がなくなっていった。

 気が付けば、女性の部屋がもぬけの殻(から)になっていた。

 それと同時に、さっぱりと女性のことが八巻の心から消えていった。


 八巻はアルバムの中で笑う女性を見つめる。

 今も輝く笑顔でいるのだろうか。

 どこかで幸せに過ごしているのだろうか。

 ふと、八巻は先ほどまで忘れていた輝く笑顔の女性の今を案じた。

 写真の中の女性の頬を人差し指で優しくなぞりながら、八巻は自身の心臓が跳ね上がる感覚を覚えた。

 八巻の青い古いアルバムには、まだ恋とはいえない恋心が隠れていた。


 ありがとうございました。

 次回もラジオ番組の投稿コーナー

 妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。


 妄想【愛の劇場】#17「書き初め」

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