9話 戦闘と撤退
「師匠、もうクタクタだ。」
「まぁ、あれから何度も戦ったからな。」
今、俺たちはゼウスを倒すために作戦を練り、戦闘し、撤退し、またもや作戦を練り、戦闘し、撤退しを繰り返している。
「コナルの容体も安定してきた。心配なのは他の兵だが、、、」
「なあ師匠、一旦合流しようぜ」
「しかし、この雷でやられてないだろうか?もう2日は戦っているぞ。」
「それもそうだな。」
ドッカーン
「よし、次こそ勝つぞ!クーフーリン、出撃だ。」
「お主らも懲りずに何度も何度もいどんでくるのぉ。というか逃げ足早くないか?わし、まったくトドメがさせぬわ。」
「身体強化!武器強化!」
槍が風を纏う。
(まったく、フィアンナの奴らは何でこんなもんを思いつくんだ?)
時は遡り、温泉にて、
(さっき、あの坊主の剣から火がでやがった。ありゃなんだ?)
「それはね、武器強化魔法を応用したものなんだ。」
「応用?どういうことです?」
「まずは魔法について説明するね。魔法は自分に流れている魔力に属性をつけて、それを放出して発動するんだ。」
「お兄さん、属性ってどうやってつけるの?」
「普通、魔法を発動する時に、雷魔法、とかいうでしょ。ああする事で魔力が雷の属性を持つんだ。それで、その魔力を放出して雷が発生する。」
「なるほど、でもそれと俺の強化魔法と何が関係するんだ?」
「簡単に言うと、デムナは強化魔法の時に貯めた魔力に炎の属性をつけているんだ。」
「なるほど」
「でも、属性をつけるには炎魔法という必要があるのではないですか?」
「そう、そこなんだがデムナは詠唱を省いているんだ。」
「そんなことができるの?」
「うん。やろうとすればね。」
ユウキが風呂に手をかざした。
すると、
ブクブクブクブク
湯の温度が上がった。
「あっちぃー!殺す気がテメェ!」
「あれ、あなたは?」
「あぁ?俺はクーフーリン。アルスターの隊長だ!」
「あっすみません。場所を変えよう。」
「お騒がせしました。」
そう言ってフィアンナの副隊長どもは出て行った。
(結局最後まで聞けなかった)
閑話休題
槍で空を斬る。
ビュン
風の刃がゼウスに斬りかかる。
奴は槍で防ごうとしたが、風の刃は槍をすり抜けてゼウスを斬る。そう。風の刃は固体ではないから避けるか完全に振り払うしかないのだ。
「ぐっ!なかなかやるのぉ。さっきは透明になったりしてたのぉ。一体いくら切り札を持っているのやら。」
「まだまだ!」
足に風の魔力を貯める。それを地面に放出すると、とてつもないスピードが出る。
「っな!」
(もらった!)
奴が槍を避ける。
「惜しかったのぉ。ッグハッ!」
そう。すれ違いざまに風刃を放ったのだ。ちなみに、風刃とはさっき使った技の名前だ。我ながらカッコイイ命名をしたと思う。
「しかし、その大きな力は制御できまい。雷の餌食となれ。」
ドッカーン