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6話 死、そして医者との出会い

「っ!急いでみんなの回復を!」


「僕は自分でできるからディアミットを、、」


そういってオスカーに魔法をかける。


「ディアミットお兄ちゃん!」


目が覚めるなりオスカーはアイツに駆け寄った。


「ユウキお兄さん!回復薬を。」


回復薬を懐から取り出そうとした。しかし、その手は動かず、口が勝手に動いた。


「私の回復薬はもう使い切った。そんな奴は諦めろ。」


(なんだ?体の自由がきかない)


「デムナ、お前はあと一瓶持っている筈だ。よく見てみろ。」


「ッチ」


俺は舌打ちをして回復薬を取り出した。


(俺はさっきから何をしているんだ?いくらあいつが嫌いだからって、、)


「早く!」


ディアミットの口に回復薬を注ごうとしたが、その回復薬を俺は投げ飛ばした。


「っあ!手が滑って回復薬がー!」


俺の口からは棒読みでそんな言葉が出てくる。


「っ!お兄さん!何考えてるの?!」


「いやぁ、悪い。でも、しょうがないだろ。手が滑ったんだから」


俺は悪意に満ちた笑顔で答えた。


オスカーの腕からアイツが崩れ落ちた。


「み、脈がない。」


オスカーは絶句した。


(なんてことだ・・・なんてことだ・・・僕のせいで)





「おいおい、なんだこの魔獣たちは。ぱっと見B級が千体程かな?こりゃあ兵たちは戦わせられないな。」


サルティウスがそう言った。


「とりあえず俺が行く。」


「スパルタクス隊長、一人でこんな数を相手に、、」


そういう兵の声を遮る。


「平気だ」


そして背中の大剣を持ち、魔獣に突撃した。

猪型か、こいつは突進しか脳がない。すれ違いざまに叩き切ればなんとかなる。もう既に数体は倒した。

突如熱気が襲ってきた。振り返ると炎の球。


(魔法か?こりゃあA級だな。しかし、そのレベルの火は叩き切れる!)


「甘い!」





ディアミットが死んだ。そしてデムナは彼を見殺しにしたのだ。


(そういえばさっきから一人称が変わっている。二重人格か?しかしそれはない)


「お前は誰だ!」


突然、森の中から白髪の眼鏡を掛けた男が出てきた。


「まさかばれるとは、、」


(いや誰だよ!


「失礼、私はアスクレピオス。旅の者です。食料を分けていただこうと思ったのですが、そんな状況ではないですね。実は私は医者でもあるので、そちらの青年をみましょうか?」


(待て、彼はアスクレピオスといったか?そうだとしたら彼はアルゴナウタイの医者ということになる。)


「お願いします。」


「わかりました。」


「待ってよ!もう死んでるんだよ。助からない、、」


黙っていたオスカーが口を開く。


「関係ありません。」


アスクレピオスはびんをとりだしてそれを飲ませた。


回復薬は普通緑色だ。しかし、彼が飲ませたのは赤い薬だった。すると、ディアミットはみるみるうちに回復したそう、蘇生したのだ。それだけでなく彼の傷は全治した。


「「「なにー!」」」


「あれ、ここは?」


オスカーが生き返ったディアミットに抱き着いた。


「うわ!どうしたんですか?」


「うわーん」


もう彼の鎧は涙で濡れていた。




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