3話 訓練開始、そして手合わせ
今日は顔合わせだ。今日から晴れて正式に入軍なのだ。なぜだかスパルタクスの権限で副隊長になってしまった。
「今のうちに組織の説明をしとくね。」
「うん」
「反逆軍は四つの軍からなる。一軍はスパルが隊長。少数精鋭だ。次に二軍。別名アルスター隊だ。隊長は槍使いのクーフーリン。三軍は君が入ることになるフィアンナ隊。隊長は片目のゴル。そして、四軍はアレクが隊長だ。ちなみに僕は四軍の副隊長をやってるよ。」
「なるほど。反逆軍はどれくらいいるの?」
「ざっと四千人くらいかな?」
「そんなに!」
「でも、ほとんど一般人だよ。二軍と三軍はアルスター地方とフィアンナ地方の出身者で構成されているんだ。そして、各軍には副隊長として数名の戦士がいる。君は今日からアルスター隊副隊長の一人だ。」
時は流れ訓練場。隊長と副隊長が集っている。
「ゴルだ。よろしく」
身長は180ほど。白髪でアイパッチをしている。40歳くらいだろう。無口な印象を受ける
「オスカーだよ。よろしくね、デムナお兄さん!」
金髪の少年だ。10歳くらいかな?
「ディアミットです。よろしく。」
イケメンだ。目の下には泣きぼくろ。黒髪の青年だ。なんか、見てると腹が立ってくる。凄く嫌悪感を覚える。
「そして、第四軍から移動になったユウキです!」
マジ?
時は流れて、ゴルさんに訓練してもらっている。教えるのが下手なのか?というか何も教わってない。さっきからゴルさんに攻撃してぶちのめされているのを繰り返している。
「もっと優しくしてくれません?」
「無理だ。」
「せめて基本を教えてください。」
「できない。職業があれば基本はできる。」
あ、ダメだこの人。
夜、温泉にて
「染み渡る〜。」
「なんかアザだらけだけどどうしたの?」
「ゴルさんにボコボコにされた。なんかなんも教えてくれなかった。」
「ははは。そうか。じゃあ強化魔法を教えてあげようか?」
「なにそれ?そういえばユウキってなんの武器使うの?」
「僕は魔法使いだよ。だけど強化魔法はみんな使ってるよ。」
翌日 朝 集落の近くの草原
「簡単に説明すると、魔力を一点一転集中させると身体機能が向上するんだ、じゃあまずは魔力を感じるんだ。」
そう言ってユウキは肩に手を置いた。
次の瞬間、肩から何かが流れ込んできた。
「!なにこれ?」
「もう魔力を感じたのかい?職業持ちでも一日はかかるのに!」
(もしや、俺ってスゴいのでは。)
よく考えるとアニメでもラノベでも主人公はいっつも最強だ!
「じゃあ自分の魔力も感じられるかい?これは普通は1週間かかる。」
(何も感じない。いや、そんなことはないはずだ。俺はチートなのだ。!)
「あ、もしかしてこれ?」
「え!?」
「あ、これ動かせる!」
「え!!?」
ユウキいわく強化魔法とは魔力を集めると身体機能が上がる魔法なんだよな。じゃあこれを手に集めて、
「おりゃー!」
地面を殴ると爆発と共に地面にヒビが入った。手は赤いオーラをまとっていた。
「あ、できた。」
隣ではユウキが気絶していた。
(よし、これで明日は一本とれそうだ。)
「かかってこい。」
(よし、昨日習得した身体強化を使おう!)
「とりゃー!」
思いっきり魔力を足に込めてゴルさんに突きかかった。数メートルの距離が瞬きする間に後ろに吹っ飛んだ。そしてすぐに魔力を手に集める。
「!」
ゴルさんが白いオーラをまとった剣で受け止める。俺の剣から炎が出る。それを見てゴルさんは距離をとる。
(なにこれ!木刀から炎が。)
「ユウキ!」
「大丈夫。続けて。」
「わかった!」
「いやーでも結構成長したよ。」
「そうですね。剣を握ってからまだ3日とは思えませんよ。」
「慰めの言葉は要らないよ。」
(めっちゃ悔しい。せっかく勝てると思ったのに。)
「よし!俺は強くなる!特訓だ!ユウキ付き合って。」
「今日はもう遅いし明日からね。」
「そういえばユウキお兄さんの剣からでた炎はなに?」
「あ、僕も気になります。あれはただの身体強化の応用である武器強化ですよね、デムナさん」
「、、、、」
「デムナ?」
「ごめん。聞いてなかった。」
「まったく。とりあえず説明するよ。あれはね、、、」
次回から第一章です。