11話 決着と逃亡
「あの坊主もここまでじゃのぉ。あとはお嬢さんだけじゃ。」
(かかったぜ!)
師匠が魔法を解く。
「おりゃー!」
しかし、ぎりぎり避けられてしまう。
「なぜ生きておる?確かに雷をくらったはずじゃが?」
「私の透明化の魔法は光を屈折させて見えなくしているだけだ。つまり、これを応用すればクーフーリンがいるはずの場所から離れたところに虚像を映すこともできる。」
「なるほど、なかなかやるのぉ。仕方ない。これを使おう。」
そういうと、ゼウスは槍を突き上げた。そして、その先からは黄色い魔力が空に向かって放たれる。
「何だありゃ?」
ドッカーン ドッカーン ドッカーン
空から無差別に雷が落ちる。
「土魔法」
(何?雷と土の2属性だと?)
周りが山のように盛り上がる。
「これでは逃げられまい。」
「クーフーリン、いくぞ!」
「おう!」
(退路は塞がれた。ならば最短で潰す。)
「風魔法!」
風の力でゼウスまでの50メートルほどの距離をひとっ飛びでつめる。
「愚かな、一直線に来るとは。雷魔法!」
前方と上から雷が襲い掛かる。
「風刃!」
「ぐはっ!なぜ魔法が横から?まさか!」
「そっちは虚像だ!」
「だからなんじゃ!防壁魔法!」
そこで透明化した師匠が後ろから槍を突き刺す。
「甘い!もうその手にはかからんわ!」
しかし、それは槍で防がれる。
(まだまだ!)
「風魔法!」
今度は風の力で斜めに飛ぶ。
「上はガラ空きだぞ!くらえ!」
そして俺の槍、ゲイボルクを一直線に投げる。
と同時に師匠が至近距離から魔法を放つ。
「炎魔法!」
「ぐわー!」
ゼウスの右腕には槍が刺さり、体は燃えている。
「フハハハハ!面白い!これだから闘いはやめられん。今回は主らの勝ちだ!誇るが良い。しかし次は負けんぞ。転移魔法!」
「「なに?!」」
(転移魔法だと?何だそれは)
「また会おう!」
すると、彼の体は一瞬で消え、俺と師匠はそこから発せられた風で吹き飛ばされる。
忙しいので休載します。すみません。